2014年夏からスコットランド代表の指揮を執り、昨年のワールドカップでは日本代表を破るなどして準々決勝に導いたヴァーン・コッター ヘッドコーチ(54歳)が、契約の任期満了となる来年6月をもって退任することが明らかとなった。スコットランドラ…

 2014年夏からスコットランド代表の指揮を執り、昨年のワールドカップでは日本代表を破るなどして準々決勝に導いたヴァーン・コッター ヘッドコーチ(54歳)が、契約の任期満了となる来年6月をもって退任することが明らかとなった。スコットランドラグビー協会が17日に発表。後任には、スコットランド代表とブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズで計84キャップを重ねた往年の名選手で、現在はグラスゴー・ウォーリアーズでヘッドコーチを務めているグレガー・タウンゼンド氏(43歳)が就く。

 ニュージーランド出身のコッター氏は、母国のベイ・オブ・プレンティやクルセーダーズでコーチとしての経験を積み、クレルモン・オーヴェルニュ(フランス)で8年間指揮を執りハイネケンカップ(欧州チャンピオンズカップ)決勝進出やフランスタイトル獲得を遂げた手腕が買われて、2014年6月からスコットランド代表を強化してきた。長く低迷していたチームを再建し、2015年のワールドカップでは準々決勝に導く。準決勝ではオーストラリアに34-35で敗れたが、試合終了間際の誤審がなければ24年ぶりのベスト4入りは間違いなかったと、その指導力は高く評価された。スコットランドは、今年のシックスネーションズ(欧州6か国対抗戦)は2勝3敗で4位だったものの、全勝優勝したイングランドとの試合は6点差で、フランスを10年ぶりに撃破。6月には来日し、ワールドカップのリベンジを狙った日本代表に連勝していた。

 コッター ヘッドコーチがスコットランド代表を指揮するのは、今秋おこなわれる南半球勢とのテストシリーズと、来年のシックスネーションズが最後となる。
 コッター氏の今後についてはまだ明らかになっていないが、複数チームからオファーが届いていると見られている。

 タウンゼンド氏は、アンディ・ロビンソン体制だった2009年から2012年にかけてスコットランド代表のアシスタントコーチを務めた経験がある。グラスゴーを率いて3年目の2014-2015シーズンには、スコットランド勢として初めてプロ12(ケルティックリーグ)優勝を果たした。
 スコットランドラグビー協会のマーク・ダッドソンCEOは、強い土台を築いたコッター ヘッドコーチの指導力に感謝しながらも、2019年ワールドカップへ向けて「グレガーとともにナショナルチームをもっと発展させていく最適の時」とコメント。選手としてだけでなく指導者としても結果を出してきたタウンゼンド氏と3年契約を結び、スコットランド代表はタウンゼンド新体制で次のワールドカップに臨む。