チャンピオンリングはなくとも成功に満ちたキャリアにその足取りは危ういながらも予選ラウンドを全勝し、1位で決勝トーナメント進出を決めたバスケットボール男子アメリカ代表。準々決勝ではアルゼンチン代表との戦いが待っている。もし順当に勝ち進みアメリ…
チャンピオンリングはなくとも成功に満ちたキャリアに
その足取りは危ういながらも予選ラウンドを全勝し、1位で決勝トーナメント進出を決めたバスケットボール男子アメリカ代表。準々決勝ではアルゼンチン代表との戦いが待っている。
もし順当に勝ち進みアメリカ代表が金メダルを獲得するということになれば、カーメロ・アンソニーは3個目の金メダル獲得となる。バスケットボールのアメリカ代表として3個の金メダルを獲得した選手は過去にいない。
このことに関して、アンソニーは『ESPN』でこうコメントしている。「引退してキャリアを振り返った時に、もしNBAのチャンピオンリングを持っていなくても、素晴らしいキャリアだったと言えるよね」
そう、2003年にドラフト3位指名でナゲッツに加入したアンソニーは、NBAのルーキーイヤーから非凡な才能を発揮。14年のNBAキャリアを通じて24.9得点、6.6リバウンド、3.2アシストという素晴らしいスタッツを残している。
だが、NBAのチャンピオンリングには縁がない。それどころか、ナゲッツ時代に1度だけ西カンファレンス決勝に進出したのが最高成績で、現在も3年連続でプレーオフ進出を逃している。昨シーズンは平均21.8得点、7.7リバウンド、4.2アシストで主要3部門でチームトップの成績を収めるも、ニックスはシーズン後半に失速してプレーオフ進出に届かなかった。
ちなみに、キャバリアーズのレブロン・ジェームズは同じ年にNBA入りした同期であり、終生のライバルとしてお互いを意識し、キャリアを積み重ねている。しかし、NBAチャンピオン3回、ファイナルMVP3回、13年連続プレーオフ進出のレブロンとは対照的に、アンソニーはNBAのタイトルに恵まれていない。
「もしNBAのチャンピオンリングを持っていなくても」という言葉は、32歳にしてNBAタイトルと縁のない自分の境遇を強く意識したものだろう。それだけに、メロは五輪を辞退した他のトッププレーヤーに比べ、金メダルにより大きな価値を置いているのかもしれない。
予選ラウンドでは締まりのない戦いに終始したアメリカ代表だが、彼が重鎮としてチームにいる限り、負ければ終わりの決勝トーナメントでは「チームUSA」の真価を見せてくれるに違いない。金メダルまであと3勝に迫っている。準々決勝アルゼンチン戦は現地時間17日(日本時間明日早朝)に行われる。
レブロンとともに全てのルーキー・オブ・ザ・マンスを独占し新人王争いを繰り広げた1年目。その後はNBAキャリアにおいて大きく水をあけられてしまったメロ。3個目の金メダル獲得で一つ勲章を残せるか。