池田監督の胴上げ池田訓久監督(昭60教卒=静岡・浜松商)――選手としても監督としても全国制覇を果たしました本当にこれは不思議というかうれしいことで、35年前、私がまさに4年生だった時に、北海道の栗山町でこの大会(全日本大学選手権、全日)が行…


池田監督の胴上げ

池田訓久監督(昭60教卒=静岡・浜松商)

――選手としても監督としても全国制覇を果たしました

本当にこれは不思議というかうれしいことで、35年前、私がまさに4年生だった時に、北海道の栗山町でこの大会(全日本大学選手権、全日)が行われました。その時に主将を務めていまして、そこで下級生が本当に頑張ってくれて優勝できました。その後ずっと優勝がなかったということで。私も縁あって自分の出身の部活動である準硬式野球部で監督をすることになって、ちょうど5年目にこういうチャンスが回ってきて。まさに優勝することができたというのは、一番はやっぱり学生がしっかりやってくれたということに尽きると思います。あとはいろんな人生の大きな流れみたいなものを感じますね。

――全日での5試合を振り返っていかがですか

相手もやはり全国大会に出てくるチームなので、うちがいいと思っているピッチャーでもなかなかリーグ戦の時のように長いイニングを投げさせてくれない。要は自分の投球ができない。そうすると短いイニングでピッチャーを替えていかざるを得ないという中で、新たな戦い方というんですかね。継投をタイミングを見ながらしっかりやるという。ピッチャー陣は7人登録していて豊富にいましたので、そのピッチャーをフルに活用するということを考えながら、リーグ戦にはないかたちでのゲームづくりをしていきました。あとは打線が本当にいいかたちでつながってくれたと。やっぱり圧巻は鈴木涼馬(商4=東京・早実)。三試合連続ホームラン。ここに尽きますね。特に大阪経済大戦でのこちらの反撃ののろしとなる3ランは本当に大きかったですね。あれが切り口となってビッグイニングをつくったということがありますので。きのうも同点で勝ち越しの2ランですね。非常にいい場面で打ってくれたので、そういう意味では鈴木涼馬ですね。で、4年生、やっぱり4年生なんですよね。こういう大事な大会で活躍するのはやっぱり4年生だなと。特にきょうの竹下なんかもそうですし、キャッチャーの吉田龍平なんかもそうですし、あと加藤大(人4=大分上野丘)なんかもきのういいところで打ちました。きょうは頭にデッドボール当たっちゃってどうなるかと思いましたけど。4年生が頑張ってくれました。

――ここまでの監督としての5年間を振り返っていかがですか

最初は初めて準硬式の監督をやるという中で、今の学生気質は我々の時とは明らかに違うと思うので、その学生気質をある程度理解しなければならないなと思いながらも、やっぱり「自分はこういうふうに指導していきたい」という思いが最初の頃は強くてですね、それがなかなか結果に結び付かなかったと。で、だんだん学生とコミュニケーションを取りながら、意見交換をしてチームづくりをしていく重要性ですね。普段は学生が中心で練習をやっているわけですから、その中でしっかりコミュニケーションをとっていく、チームづくりをしていく、そして試合に臨む。これがだんだん3年目、4年目、特に去年は清瀬杯で優勝するという結果も残すことができましたし、あのあたりからそこがチームとしてきちっと機能するようになってきました。時間はかかりましたけど、自分の熱意、「何とかしたい」という思い、「勝ちたい」という思い、そしてやっぱり学生の、いま早稲田のアスリートプログラムでもうたわれている人格の投与ですね。そういうところもしっかりしていかないといけないので、人間性を高めることと合わせて野球にしっかり取り組んでもらう。それはやはりコミュニケーションを取りながらということを踏まえてですね。私はこのチームと一緒で、1年ごとに成長してきょうに至ったという感じです。


優勝を果たし、笑顔を見せる吉田龍主将

吉田龍平主将(スポ4=東京・小山台)

――優勝おめでとうございます。今のお気持ちをお願いします

いやもう本当にうれしいの一言です。

――きょうの試合を振り返っていかがですか

序盤は先制できたのですが、やはり相手も決勝まできている強いチームなので点を返されて、競った試合ではあったのですが、そこから打って点を取ることができたので、その後はピッチャーものびのびと投げられたと思うので、きょうは打ち勝つことができて良かったと思います。

――ご自身は春季リーグ戦では打率1割台でしたが、全日では毎試合のようにいい当たりがありました。振り返っていかがですか

自分自身良かった要因はわからないのですが、下の打順で楽に打たせてもらっているので、甘い球を打ちにいくという意識で打席に立てた結果です。あと宿舎のほうでもこっちに来てから毎日関(大輝、基理2=茨城・江戸川学園取手)と竹下(直輝、スポ4=東京・小山台)と毎晩素振りをしていいイメージはできていたので、そのおかげかなと思います。

――準々決勝から三戦連続で福川千明選手(スポ3=兵庫・白陵)をマウンドに送りました。状態が良かったのでしょうか

そうですね、夏のオープン戦から福川がすごく調子が良くほとんど点を取られていなくて、全日の初戦でもしっかりと1イニング投げてくれたので。状態のいいピッチャーから出していこうというのはメンバーを決める時に話していたので、それで福川に多く投げてもらうことになりました。

――ここまで主将として役10ヶ月やってこられましたが、振り返っていかがですか

もちろん楽しいことばかりではなかったですし、どちらかといえばもうやめたいなと思うような苦しいことばかりだったのですが、チームのみんな、特に4年生が支えてくれたので、全日本で優勝というところまでこられたので本当に良かったなと思います。

――最後には胴上げもできました。全日を振り返っていかがですか

まずはメンバーに入れなかった人たちが偵察であったり、全日のどこの大学よりも素晴らしい応援をしてくれて、僕たちがベストの状態で試合に入っていけるようなサポートをしてくれたので、そういった人たちに感謝したいです。メンバーはメンバーで厳しい試合を勝てたということで、負けない、絶対にいけるという雰囲気の中でこの全日は試合ができたので、本当にいいかたちで自分たちの野球ができた結果が優勝につながったと思います。

――東京六大学秋季リーグ戦(秋季リーグ戦)では各大学から『全日王者』として見られながらの戦いになります。特に全日ベスト4で終わった明大は普段以上の気合を入れて早大戦に向かってくると思います。秋季リーグ戦に向けて一言お願いします

優勝したことによってどこの大学も『打倒早稲田』というかたちでぶつかってくると思います。今週から大事な第1週が始まるので、この優勝は優勝で素晴らしい結果として喜びたいのですが、すぐに大事な(秋季)リーグ戦も始まるので、しっかりと切り替えて、もう一度秋も優勝できるように引き締めて取り組んでいきたいと思います。


優勝を果たし、男泣きする前田副将(中央)

前田直輝副将(スポ4=熊本)

――優勝おめでとうございます。今のお気持ちをお願いします

新チーム始まってから幹部三人で一番最初に立てた目標が『全日優勝』だったので、それが達成できて、いまいちまだ実感はないのですが、すごくうれしいというか充実した気持ちです。

――これまで幹部として約10ヶ月やってこられましたが、振り返っていかがですか

最初うまくいかない時期があって、その時から4年生が思っていることを話し合う場というのがどんどん増えていって、それを通して4年生の一体感が高まっていったと思います。それに下級生もちゃんと応えてくれて、4年生がうまくいかないときは下級生に助けてもらいました。今回の全日は4年生が力を出して勝てたのですごくうれしいです。幹部としてやってきて、同期だったり後輩とか、これまで早稲田の伝統をつくってきた先輩方、特に去年の先輩方は早稲田の戦い方というものを示してくれたので引き継ぎやすかったし、そういういろいろな人の支えがあってこの優勝があると思うので、すごくありがたかったです。


スタンドからチームを鼓舞した山口副将(左から4番目)

山口永路副将(社4=早稲田佐賀)

――優勝おめでとうございます。今のお気持ちをお願いします

シンプルにうれしいの一言なのですが、今まで日本一だけを目指してきて、本当に日本一になれたというのは信じられないですね。

――これまで幹部として約10ヶ月やってこられましたが、振り返っていかごですか

もともと自分の中では幹部をやるなんて思っていなかった中でいきなりやることになって、いきなり立場が変わって結構思い悩むことや苦しいことが多かったなと思うのですが、こうやってみんなで日本一という結果を残すことができて、今まで副キャプテンやってきて良かったなと思いました。最後胴上げもしてもらって、その時は本当にやってきて良かったなと思いました。

――スタンドからご覧になっていて、全日という舞台はいかがでしたか

4年目でやっと出られたということで初めての舞台だったのですが、チームも今まで見たことがないくらいの力が出た大会ですし、今までやってきたことを最後の最後で発揮できたので、準硬をやってきて一番いい時間だったなと思います。

(写真 池田有輝)