全米OPシリーズ最も躍進した若手選手、メドベージェフとアンドレスクが受賞

先日 US Open Series Breakout Performer—全米オープン・シリーズ・ブレークアウト・パフォーマーの表彰が行われ、全米オープン・シリーズで最も活躍した若手選手として、女子はビアンカ・アンドレスク（カナダ）、男子はダニール・メドベージェフ（ロシア）が受賞した。全米オープン・シリーズとは、7月20日開幕の「ATP250 アトランタ」を皮切りに、男子は「ATP500 ワシントンD.C.」、「ATP1000 トロント」、「ATP1000 シンシナティ」、「ATP250 ウィンストンセーラム」、女子は「シティ・オープン」、「ロジャーズ・カップ」、「ウェスタン＆サザン・オープン」の、「全米オープン」（アメリカ・ニューヨーク／8月26日～男子9月8日・女子7日／ハードコート）までに北米で行われる、一連の大会を総称したものだ。

今回の賞は、その5週間に渡り北米で行われる全米オープン・シリーズで、最も活躍した若手選手に送られるもので、テニスメディア関係者と、ツイッターからのファン投票によって選ばれた。

19歳のアンドレスクは、「ロジャーズ・カップ」で優勝。メドベージェフは、「ATP500 ワシントンD.C.」と「ATP1000 モントリオール」の2大会で準優勝、続く「ATP1000 シンシナティ」で優勝と、3週に続けて決勝まで進むという快進撃を見せての受賞となった。

現在23歳のメドベージェフ、全米オープン・シリーズでの活躍で、10位だった世界ランキングを5位へと押し上げており、試合成績、ランキング順位上昇が表す受賞となった。メドベージェフは、「すでに10位にいたとはいえ、それでも本当に"ブレーク"した期間だったと思う」と語り、

「（全米オープン・シリーズまでは）マスターズ1000大会で、決勝まで進んだことはなかったし、2大会以上続けて決勝まで進んだことも、フューチャーズやチャレンジャー大会ですらなかった。世界ランキング5位になるなんて、多くの選手が経験することではない。重要なターニングポイントになったと思うし、大きな前進だと思う」と続けた。

アンドレスクは、母国カナダで開催された「ロジャーズ・カップ」を優勝。大会50年振りのカナダ人優勝者となり、受賞した。

今年3月、女子テニスではグランドスラムに次ぐ大きな大会とされる、プレミア・マンダトリーの「BNPパリバ・オープン」でWTAツアー初優勝したアンドレスク。全米オープン・シリーズで彼女が優勝した「ロジャーズ・カップ」も、プレミア・マンダトリーに次ぐプレミア5の大会とあって、現在若手一番の注目株選手と言っても過言ではない選手だ。

「私は、テニス界に貢献できると信じているし、少しずつだけれど、実現もしていると思うわ」と語るアンドレスク。長く肩の怪我に悩まされた後の復帰戦だっただけに、「ロジャーズ・カップ」の結果については、「ものすごく驚いたわ！」とコメントしており、想像すらしていなかったようだ。

「タイトル獲得はもちろん予想していなかったけれど、私は常に初心を忘れないようにしているし、"ロジャーズ・カップ"の時も、そう心がけた。今は身体の調子がいいことが、とにかくうれしいの」と怪我なくテニスができることへの喜びを語った。

現在開催中の「全米オープン」（アメリカ・ニューヨーク／8月26日～男子9月8日・女子7日／ハードコート）初戦、アンドレスクはケイティ・ボリネッツ（アメリカ）に6-2、6-4のストレートで勝利。2回戦では、キルステン・フリプケンス（ベルギー）と対戦する。大会前には「多くの人に期待をされていると思うし、自分自身も期待している」と力強く語った。

メドベージェフは「全米オープン」初戦、プラジュネシュ・グネスワラン（インド）に6-4、6-1、6-2のストレートで快勝。2回戦では、ウーゴ・デリエン（ボリビア）と対戦する。試合前の記者会見では、「自分を優勝候補だとは思わない」と控えめなコメントをしている。

大会前の意気込みは対照的な2人だが、両者とも優勝を狙える実力を兼ね備えていることは確かだ。元世界ランキング1位のアンディ・ロディック（アメリカ）もアンドレスクを優勝候補として挙げている。両者ともに、「全米オープン」でも、勢いを失わずに躍進し続けることを期待したい。

（テニスデイリー編集部）

※写真は（左）「ロジャーズ・カップ」でのアンドレスク(Photo by Julian Avram/Icon Sportswire via Getty Images)と、（右）「ATP 1000シンシナティ」でのメドベージェフ(Photo by Adam Lacy/Icon Sportswire via Getty Images)