「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/8月26日~男子9月8日・女子7日/ハードコート)の大会2日目、男子シングルス1回戦。ニック・キリオス(オーストラリア)がスティーブ・ジョンソン(アメ…

「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/8月26日~男子9月8日・女子7日/ハードコート)の大会2日目、男子シングルス1回戦。ニック・キリオス(オーストラリア)がスティーブ・ジョンソン(アメリカ)を6-3、 7-6 (1)、 6-4のストレートで破り、2回戦へとコマを進めた。キリオスは先日の「ATP1000 シンシナティ」2回戦、カレン・ハチャノフ(ロシア)と対戦した際に、主審ファーガス・マーフィーに対し執拗に抗議をし、暴言やラケット破壊など、数々のスポーツマンらしからぬ行為により、11万3000ドル(約1,190万円)の罰金を受けている。その後初めての試合という事もあり、固唾をのんで見守る試合となった。

そんな中、この試合で、またしてもキリオスは、卑猥な言葉を吐いたとして、コードバイオレーションの警告を与えられた。プレー中に会場内を移動した観客に対し、何もアクションを起こさなかった主審に腹をたてたことが原因とみられる。

警告では収まらず、抗議を続けるキリオスに対し、ジョンソンは苛立ちをつのらせ、「テニスがしたいのか?それとも、くだらない茶番を繰り広げたいのか?」とキリオスに言い放ったものの、主審への抗議に夢中のキリオスには聞こえなかったようだと、豪スポーツメディアYahoo Sport Australiaは伝えている。

実のところ、この試合は夜の11時を過ぎて始まった。観客が試合中に動いていたのは、恐らく家路に急いでのことだったのだろう。米スポーツメディアESPNのリポーターによると、実際のところ多くの人たちが、試合中に座席を離れ動いていたという。

その後もキリオスの虫の居どころはすぐには収まらず、審判に対し「ちゃんと仕事をしてくれよ!」と声を荒げたが、しばらくして気持ちを落ち着かせたキリオスは、その後タイブレークにまでもつれた第2セットをものにすると、そのまま第3セットもジョンソンを圧倒した。キリオスは「(タイブレークは)とてもクリーンなテニスができた。重要なセットだったから、もしも、とれていなかったら、試合の流れは大きく変わっていたと思う」と語っている。

午前1時12分に終了した試合後のインタビューでは、「こんな時間まで観戦してくれてありがとう」と観客に感謝を述べ、「今夜はこれからパブに行って何か食べたい。明日は休みだから、2回戦の対戦相手のことは考えずに、カフェでコーヒーでも飲んでゆっくりしようと思う」とキリオスらしいコメントをした。

キリオスは2回戦、ワイルドカードで本戦出場を決めた、世界ランキング104位のアントワン・ホアン(フランス)と対戦する。2回戦以降も"寸劇"ではなく、クリーンなテニスで観客を魅了してほしい。

(テニスデイリー編集部)

※為替レートは2019年8月28日時点

※写真は2019年「全米オープン」でのキリオス

(Photo by TPN/Getty Images)