いよいよ8月29日(木)からTリーグの2シーズン目が開幕する。昨シーズンと比べチーム内の顔ぶれが変わり、それに伴い各チームの勢力図も変化。今回は男子の各チームの新戦力を含めた注目選手とともに、それぞれの戦力分析を行なっていく。



張本智和をはじめ、水谷隼、丹羽孝希の日本トップ3が所属する木下。盤石の体制だ

 Tリーグの初代王者である木下マイスター東京は、今シーズンも優勝候補筆頭だ。全日本選手権10回の優勝を誇る水谷隼と、今や日本のエースである世界ランク日本人最高位の張本智和のダブルエースは残留。そこにさらなる戦力として、琉球アスティーダから世界ランキング10位の丹羽孝希が加入した。これで世界ランク日本人男子トップ3が所属することになり、昨シーズン以上の圧倒的な成績での2連覇が期待される。

 しかし、昨シーズンはシングルスで層の厚さを見せたものの、ダブルスでは思うように勝ち星を積み重ねられなかった印象だ。さまざまなペアを試したが、最後まで固定できないままシーズンは閉幕。Tリーグではダブルスが第1マッチとなるため、その勝敗は試合の行方を大きく左右する。木下にとって、絶対的な組み合わせを探せるかどうかがカギとなりそうだ。

【木下マイスター東京】(◯は新加入選手)
水谷隼
大島祐哉
張本智和
ホウ・エイチョウ(中国)
田添健汰
田添響
丹羽孝希 ◯
宇田幸矢 ◯

 昨シーズン、惜しくも優勝を逃したものの、ダブルスの勝率が最も高かったのが岡山リベッツだ。とくに上田仁と森薗政崇のペアは勝率が8割を超え、シーズンを通して無類の強さを誇っていた。第1マッチのダブルスで勝利し、主導権を握ったうえで試合を優位に運んでいくのが、岡山の基本的なスタイルと言える。

 だが、今シーズンはダブルスだけではない。シングルスでも勝てる可能性を秘めたチームに仕上がった。中軸を担うのは、台湾から参戦しているリン・ユンジュ。彼は7月に開催された「T2ダイヤモンド・マレーシア」で、初戦で水谷を破り、準決勝で中国の馬龍(マ・ロン)、決勝で樊振東(ファン・ジェンドン)から金星を挙げて優勝。8月20日から行なわれた「ITTFワールドツアー・チェコオープン」でも、準決勝でドイツのティモ・ボルをフルセットの末に破るなど、世界トップランカーを次々と撃破し、優勝を飾った。その勢いのまま、上田&森薗のエースペアとともにシーズンを戦い抜けば、昨シーズンあと一歩届かなかった栄冠に手が届くかもしれない。
【岡山リベッツ】(◯は新加入選手)
上田仁
森薗政崇
吉村和弘
吉田雅己
町飛鳥

 ◯
三部航平
リン・ユンジュ(台湾)
柏竹琉
横山友一
有田洋巳

 昨シーズン3位に終わったT.T彩たまは、4チームの中で最も大型の補強を敢行したチームと言える。とくに注目度が高いのは、木下から移籍してきた松平健太だ。昨シーズンは木下の分厚い選手層の中で出場機会に恵まれずに埋もれていた松平。新天地では、キャプテンの吉村真晴が抜けた、その穴埋め以上の活躍が期待される。かつては世界ランク9位となり、「天才」と謳われていたイケメンTリーガーが、新天地で再び輝きを放つのか、初戦から目が離せない。

 また、昨シーズン主力として活躍し、ダブルス含め全30試合で15勝を挙げたウォン・チュンティンが残留したこともチームにとって大きい。それに加え、イングランドからリアム・ピッチフォード、同じくヨーロッパ勢としてスウェーデンからトルルス・モーレゴードが参戦を表明。ピッチフォードは過去に水谷や張本、さらには馬龍も破ったことがある実力者だ。昨シーズンに引き続き、国際色豊かなメンバー構成で初のリーグ優勝を狙っていく。
【T.T彩たま】(◯は新加入選手)
神巧也
岸川聖也
ウォン・チュンティン(香港)
平野友樹
松平健太

 ◯
戸上隼輔
リアム・ピッチフォード(イングランド) ◯
トルルス・モーレゴード(スウェーデン) ◯
松山祐季 ◯
髙見真己 ◯

 昨シーズンはリーグ最少の6勝、勝ち点18に終わり、4位に沈んだ琉球アスティーダ。エースとして活躍した丹羽が抜けたのは大きな痛手だが、T.T彩たまから吉村真晴を獲得できたことは、優勝を目指すうえで明るい兆しとなった。

 さらに、韓国のベテランカットマン、チュ・セヒョクが参戦を発表。世界選手権個人で銀メダル、オリンピックで団体銀メダルなど、数多くの世界大会でメダルを獲得している韓国のレジェンドだ。韓国代表から引退し、第一線からは身を引いたものの、その実力は健在。世界最高峰と言われるカットマンがいかに実力を発揮できるか。それによってチームの成績は左右される。

 また、中国出身でカタールに国籍を移したリ・ピンも注目選手のひとり。2009年の世界選手権ミックスダブルスで優勝しており、ダブルスの強化が課題だった琉球アスティーダにとっては大きな補強となった。全体的にベテランが多い印象だが、長年の戦いで培った豊富な経験を生かし、虎視眈々と下剋上を狙う。
【琉球アスティーダ】(◯は新加入選手)
ジュアン・ジーユアン(台湾)
チェン・ジエンアン(台湾)
有延大夢
ジャン・ホンジェ(台湾)
村松雄斗
チュ・セヒョク(韓国)

 ◯
リ・ピン(カタール) ◯
木造勇人 ◯
吉村真晴 ◯

 8月29日に行なわれる男子開幕戦は、木下マイスター東京vs岡山リベッツという昨シーズンの王者と2位の因縁の対決だ。

 3月に行なわれたプレーオフ・ファイナルでは、木下が3-1で勝利。第1マッチのダブルスでは岡山の上田&森薗ペアに敗北を喫したものの、続くシングルスで3連勝。木下が選手層の厚さを見せつける形となった。

 個々の戦力で勝る木下は、岡山に対し、プレーオフを合わせて5勝3敗と勝ち越してはいるものの、ダブルスでは全敗。木下にとっては、第1マッチのダブルスで敗れたとしても、続くシングルスの水谷、張本、丹羽という日本最強3選手で勝負をかける算段だ。岡山としては、第1マッチで勝って流れをつかみ、エースのリン・ユンジュ、昨シーズン張本を2度破った吉村和弘らへバトンをつないで、昨シーズンのファイナルのリベンジを果たしたいところだ。

 木下が下馬評どおりの実力を発揮し、スタートダッシュを切るのか、それとも岡山が待ったをかけるのか。開幕戦の舞台は東京・アリーナ立川立飛。その初戦、一球目から目が離せない。