“令和の怪物”が全国デビューだ。26日、U18ワールドカップ壮行試合が行われ、高校日本代表と大学日本代表が学生野球の聖地…
“令和の怪物”が全国デビューだ。
26日、U18ワールドカップ壮行試合が行われ、高校日本代表と大学日本代表が学生野球の聖地・明治神宮球場で激突した。夏の甲子園閉幕から1週間、平日にもかかわらず球場には2万8000人を超える観衆が詰めかけた。注目は先発の佐々木(大船渡)。プロ野球の本拠地では初登板ということもあり、試合開始前から球場は異様な雰囲気に包まれていく。1回を投げ2奪三振三者凡退、中でも最速156kmを計測した瞬間は、プロ野球のスカウトたちをはじめスタンドからどよめきが起こった。今春の東京六大学野球リーグで通算100安打を達成した3番・柳町(慶大)もまったく手が出ず、打席でお手上げといった表情を見せた。

一方、大学代表の先発・森下(明大)も「先発としてチームの流れを引きつける投球をしようと思った」と、佐々木に負けない好投を見せた。“大学世界一”を達成したエースは、初回は最速151kmで三者凡退。2回は不運な失点こそあったが、9月14日に開幕する東京六大学野球秋季リーグに向けて、調子は上がっているようだ。

試合は一進一退の攻防が続いた。6回には1点を追う大学日本代表が、U18代表3番手・西(創志学園)から4番・牧(中大)が先頭ソロ本塁打をレフトスタンドに叩き込み同点。今春の東都大学野球リーグ首位打者は、ここでも勝負強さを見せつけた。

試合で一番の盛り上がりを見せたのは、4-4と同点の場面で飯塚(習志野)が登板した8回。この日はスタンドからU18日本代表を“美爆音”で知られる習志野と拓大紅陵の合同ブラスバンドが応援しており、仲間の活躍に大声援を送った。「飯塚が投げてるんだから絶対負けない」という大応援団の言葉通り、彼が8回に2奪三振の好投を見せた直後、9回に山瀬(明石商)のスクイズでU18日本代表が勝ち越し。試合は9回裏の土壇場に大学代表が追いついたため、5-5の引き分けとなったが、日米大学野球選手権大会を制した大学代表を相手に、U18日本代表が最後まで食らいついた。

夏の甲子園は終わったが、学生野球の本番はこれからだ。U18日本代表は30日から韓国で行われるU18ワールドカップを控えており、その後は9月28日に茨城で開幕する国民体育大会に出場予定の選手たちもいる。一方、大学は9月9日から東都大学野球秋季リーグ、14日から東京六大学野球秋季リーグが開幕とスケジュールが目白押し。さらに大学4年生、高校3年の選手たちを運命のドラフト会議が待っており、11月にはそれぞれの“集大成”となる明治神宮野球大会が開催される。
今回の壮行試合は高校野球、大学野球それぞれの良さが凝縮された一戦となった。こうした機会をきっかけに、大学野球のリーグ戦や大会により多くの観客が関心を持ち、球場に足を運んでくれることを願いたい。高校時代から名を馳せて大学でも引き続き活躍する選手もいれば、甲子園への出場経験はなくても大学で大きく飛躍する選手もいる。夏の甲子園で燃え尽き症候群になっている方は、スターの卵を是非見つけに行ってみてほしい。