4年に一度開催される、バスケットボールのワールドカップ。3大会ぶりの出場を果たす日本代表"AKATSUKI FIVE"で注目を集めるのは、6月のNBAドラフトで日本人初の1巡目指名されたワシントン・ウィザーズの八村…


4年に一度開催される、バスケットボールのワールドカップ。3大会ぶりの出場を果たす日本代表"AKATSUKI FIVE"で注目を集めるのは、6月のNBAドラフトで日本人初の1巡目指名されたワシントン・ウィザーズの八村塁と、昨季NBAデビューを果たしたメンフィス・グリズリーズの渡邊雄太だ。

■4連敗スタートから8連勝の大逆転でW杯出場権を獲得

中国で開催されるワールドカップへの出場権を獲得した日本だが、その道のりは険しいものだった。所属チームの都合や故障者などもあり、なかなかベストメンバーを組めず、2017年11月のアジア1次予選スタートから4連敗を喫し、いきなり崖っぷちに立たされてしまう。そして迎えた昨年6月の強豪オーストラリア戦。八村塁と、帰化申請が認められたニック・ファジーカス (川崎ブレイブサンダース)がチームに合流し、79-78の1点差で金星をあげた。続く台湾戦も八村らの活躍で快勝し、2次予選進出を決めた。そして初戦のカザフスタン戦には渡邊雄太が加わって快勝。2戦目のイラン戦は八村が25点、渡邊が18点をマークする活躍で逆転勝ちした。これで勢いにのった日本は、その後、八村と渡邊を欠いても勝ち続け、4連敗からの8連勝という劇的な形でワールドカップ出場権を勝ち取ったのだ。


八村塁(C)FIBA

■パワフルな攻守の八村と堅実なオールラウンダーの渡邊

日本代表の中心となる八村は、ベナン人の父と日本人の母を持ち、富山県で生まれた。幼少時は野球などをやっていたが、中学でバスケットボールに転向。明成高校(宮城)で全国選抜優勝大会3連覇を果たすなど実績を残し、アメリカのゴンザガ大学に進学した。大学ではNCAA(全米大学体育協会)ウエストコースト・カンファレンスの最優秀選手に選出されるなど大活躍し、NBAドラフトでウィザーズから1巡目指名されて入団。203㎝、104㎏の巨体を生かした当たり負けしないパワフルなプレーが持ち味だ。一方の渡邊は、香川県出身で小学生からバスケットボールを始め、尽誠学園高校(香川)では全国選抜優勝大会で2年連続準優勝。アメリカのジョージ・ワシントン大学に進学し、所属カンファレンスの最優秀守備選手に選ばれるなど結果を残した。そして昨季、グリズリーズと契約を結び、10月に田臥勇太(当時サンズ)以来、日本人2人目となるNBAデビュー。今年2月には日本人初となる2桁得点もマークしている。相手に食らいつく守備が堅実で、206cmの長身から放つ3ポイントシュートも的確なオールラウンダーだ。


渡邊雄太(C)FIBA

■強豪アメリカらに挑み、2次ラウンド進出を目指せ!

世界ランク48位の日本代表は、8月12日から国内でニュージーランドなどとの国際試合を戦い、中国に乗り込む。ワールドカップでは1次ラウンドで世界ランク17位のトルコ、同24位のチェコ、同1位で優勝候補筆頭のアメリカと対戦する。7月にチームの司令塔・富樫勇樹(千葉ジェッツ)が右手を骨折し全治2カ月と診断されてワールドカップ出場が絶望的となり、日本が格上チームを破って2次ラウンドに進出(上位2チーム)するには、八村と渡邊の活躍が必要不可欠。日本人NBAプレーヤーの両雄が大爆発し、来年の東京五輪へさらに期待が膨らむ結果を期待したい。

また、7月30日には「FIBAバスケットボールワールドカップ2019」に臨む男子日本代表の壮行会が行われ、日本代表候補に選出された選手たちが意気込みを語った。

八村塁
「これまでアンダーのカテゴリーでは日本代表のユニフォームは着てきましたが、やはりトップチームとなると、より日本を背負っているんだという実感がわいてきますね。今回、富樫くんはいないですが、このメンバーでプレーできるのが非常に楽しみですし、集まったメンバーで万全の準備をしたいです。いちばん年下ですが、プレーでリーダーシップを見せられたらなと思います。オフェンス、ディフェンス、リバウンドと色々なところでチームを助けていきたいです。
(対戦するアメリカについては)アメリカは別格というか、その強さは僕も身を持って体感しています。ただ体格では負けていても、ハッスルやルーズボールの部分などは負けていないと思いますし、頭を使ったプレーで良いところを見せていきたいです」

渡邊雄太
「いよいよ始まるなという感じですね。このメンバーでバスケができるのがすごく楽しみですし、本選まで1ヵ月近くありますけど、時間を有意義に使って準備していきたいです。代表では自分が中心になっていかなければという気持ちはあります。自分自身、どのポジションでもある程度ディフェンスはできる自信を持っていますし、(八村)塁だったり動けるビッグマンが増えてきているので、強豪相手にも対応できる力が今のチームにはあると思っています。
(仲の良い富樫選手については)話を聞いたときはショックでしたが、バスケットをやっている以上ケガはつきものですし、いちばん辛いのは彼なので、彼の分まで一生懸命プレーして、来年の五輪では一緒にプレーしたいなと思っています。
(海外でプレーしていることについては)僕も塁も自分が特別だとは思っていないです。ただ、向こうで得た経験は代表に還元していかなければと思っているので、そういった意味でもチームに貢献したいですね」

文=エンターバンク

放送情報

FIBAバスケットボールワールドカップ中国2019
グループE 日本 vs トルコ
放送日時:2019年9月1日(日)17:20~

グループE 日本 vs チェコ
放送日時:2019年9月3日(火)17:20~

グループE 日本 vs アメリカ
放送日時:2019年9月5日(木)21:20~

チャンネル:フジテレビNEXT ライブ・プレミアム
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。