慶大ヨット部が早大としのぎを削った

8月11日から12日に、葉山海岸において早慶ヨット定期戦が開催された。試合は470級とスナイプそれぞれ7レース行われ、各レースで「W」と「ペンマーク」が刻まれた船が海上でしのぎを削った。惜しくもワセダに敗れるも、470級では強さを見せた慶大。今後の活躍に期待が深まる早慶戦となった。

8月11日、12日 @葉山海岸

470級 スターティングメンバ―

エントリー№番号 
254713柳内航平(商4・慶應)/出本稜太(法3・慶應志木)
264693高宮豪太(総3・慶應)/久保田空(法4・慶應)
274633小木曽涼(政2・慶應)/樫本達真(法4・慶應)
2254598玉山義規(環1・山口県立光)/兼子烈(政2・慶應)

スナイプ スターティングメンバ―

エントリー№番号 
2531518加藤卓(環3・宮古商)/秋田理央(政2・慶應)
2631092玉山裕登(総4・名古屋)/曽我駿亮(経4・慶應)
274633吉村彰人(政4・慶應)/門脇広大(経3・駒場東邦)
2254598横川響平(法2・慶應)/小野山裕也(総4・慶應)

試合結果 ※得点の低い方が勝利

順位大学名470級スナイプ合計
早稲田大学133106239
慶應義塾大学119146265

「自然と戦う」。慶大のヨット部主将の樫本達真(法4・慶應)はヨットの魅力についてそう語った。セーラーたちはヨットに乗り込み、そこで波や風向き、天候などすべてを複合的に考慮して自らの船を進める。重要になるのは経験と頭脳、そして船を動かすための体力。競技としてのヨットはあらゆるものを求められる。


善戦した470級

ヨットには470級とスナイプの2種類があり、470級はスピード、スナイプはタクティクスが重視される。今年の早慶戦では、470級はワセダに勝利を収めるもスナイプでは大差をつけられてしまった。合計得点で慶大はワセダに及ばず、早慶戦勝利とはならなかった。勝負の分け目となったのは1日目の最終レース。そこまでは互角の戦いを演じていたが、30℃を超える猛暑の中4レースをこなしたセーラーにとって、5レース目は精神的にも体力的にもハードなレースだった。結果、470級、スナイプの両方で負けレースとなってしまい、大きな差をつけられてしまった。「そこでワセダとの経験値の差が出てしまいました」と樫本主将もレースを終えて悔しさをにじませた。


課題を残したスナイプ陣

 他大はスポーツ推薦のセーラーが多い中、慶大は大学に入学してからヨットを始めるセーラーもいる。綿密なコミュニケーションを重ねることで、他大との経験の差を埋めてきた。今回も得た収穫を次につなげていくことは間違いないだろう。レース後、樫本主将は「下を向くことなく続けていくしかない」とすぐに先を見据えていた。「全日本インカレ総合優勝」という大きな目標達成に向けて、慶大ヨット部は帆を張って進み続ける。

(記事:菊池輝 写真:栗栖翔竜、宮崎柚子)

樫本達真主将(法4・慶應)

――1日目を終えて、2日目のレース。どのような気持ちで臨みましたか

12点差と点差は離されていたので、今日はスナイプに関しては、昨日負けレースが続いてしまったので、その中でできるだけ同点のレースを続けてもらうということ。470に関しては昨日できた勝ちゲームを続けるということを意識しました。

――2日間のレースを総括してもらってもよろしいですか

残念な結果にはなってしまいましたが、自分たちの実力を確かめるところでは次につながる戦いだったと思います。特に470に関しては、ワセダには世界選手権にも出ている選手がいる中で、互角以上に戦うことができて、練習して来たことは間違っていなかったと思いました。スナイプに関しては、今回は惨敗という形にはなってしまったんですけど、自分たちがどんなところで弱いのかというのが明らかになりましたし、ここから1ヶ月間夏合宿が続いていくので、その中で修正してインカレに臨むことができればと思います。

――ワセダとの差はスナイプにありましたか

昨日、レースごとに見てみれば、点差というのは470で稼いで、スナイプでマイナスで五分というのも多くありました。昨日の5レース目がターニングポイントだったかなと思います。昨日の最終レースで470も負けレースになってしまい、スナイプも頑張っていたんですけど、負けレースになってしまい、どちらも負けレースになってしまいました。それで12点差で2日目を迎えることになってしまい、4レース目までは2点勝ちくらいだったのでそこで耐えることができていれば、もう少しワセダにもプレッシャーをかけることができたのかなと思うと、そこの失敗は悔やまれるところです。

――昨日のレース後のミーティングでは「集中力」というのが話題になったとお聞きしました。それを踏まえ、今日のレースの入りはどうでしたか

昨日に関してはかなりハードなコンディションだったので、暑くて風も強くてなくて、風が弱いと精神力が大事になってくるので、その中でどれだけ我慢できるかというところだったんですけど、そこでワセダとの経験値の差が出てしまいました。そのようなところが昨日の反省点として出て、今日は朝から曇っていてそこまで暑くなかったので、集中力というところでは全く問題なくて、ただこれから暑くなってくるので、そこでどれだけ力を発揮できるかというところで、集中力というのは今回大きな課題になったと思います。

――ヨットの魅力はどこにありますか

人それぞれだとは思いますが、私自身魅力だと思うのは、『自然と戦う』というところです。とても特殊なスポーツだと思っていて、敵はもちろんいるんですけど、それに加えて風や波、天候などが複合してスポーツとして成り立っているので、日によって違います。「同じコンディションは一回しかない」とよく言われるんですけど、その中で工夫して速くなる方法を常日頃から考えて、ただその中でも相手もいるので、その相手と自然と戦う。さらに、自分のことも考えるので、自分自身との戦いでもあるなと思うと、すごく体力的にも精神的にも成長できた4年間だったと思います。

――今後に向けて意気込みをお願いします

今回負けてしまったんですけど、収穫もありましたし、下を向くことなく続けていくしかないと思います。今後は重要な大会が続きますが、下を向かずに11月まで自分たちに考えながら練習していくしかないなと思っています。僕たちは推薦の選手とかがいるわけではないので、塾高から上がってくる選手が主力なんですけど、その中でワセダや日大にどれだけ立ち向かえるかというところが自分たちも楽しみですし、僕たちの成長の過程が楽しみなので、そういう選手たちと戦うために何をしなくてはいけないのかというのを常に考えて、11月まで突っ走っていきたいと思います。

木崎悠太副将(経4・慶應ニューヨーク学院)

――試合を振り返って

厳しい戦いが予想されていた中で1日目から自分達の力を出し切る事ができませんでした。修正をして臨んだつもりでしたが、2日目も力が及びませんでした。

――2日目を迎えるにあたってどんな話をしましたか

ワセダの戦い方、フォーメーションが1日目で明らかになったので、その戦い方に対して具体的な対策を立てました。

――課題と収穫をそれぞれ挙げてください

課題はボートスピードがまだまだ足りていないという点です。収穫は日本を引っ張るような一流のセーラーが多くいる早稲田に対して、完全に差をつけられる事がなかったので、総合的に見てもしっかり戦えるんだということを実感できたという点ですね。

――次戦に向けて意気込みをお願いします

2日間で悔しい思いをしたというのは部員共通のことだと思うので、この悔しさをバネにして秋に向けて練習に取り組んでいきたいです。