男子バスケットボール部に勝負の季節がやってきた。関東大学リーグ戦第1節、開幕戦の相手は前年の覇者・東海大。初戦を勝利で飾り勢いに乗りたいところだったが、第1Q(クオーター)で大きくリードを奪われると、その後も相手の固いディフェンスに苦しみ…

 男子バスケットボール部に勝負の季節がやってきた。関東大学リーグ戦第1節、開幕戦の相手は前年の覇者・東海大。初戦を勝利で飾り勢いに乗りたいところだったが、第1Q(クオーター)で大きくリードを奪われると、その後も相手の固いディフェンスに苦しみ、得点を伸ばせず。ファウルやミスも相次ぎ、完敗を喫した。王者の壁は厚く、格の違いを見せつけられた一戦になった。

 開始直後にファウルを取られるなど、やや乱れた立ち上がりになり、スリーポイントシュートで先制された。その後すぐにC小室悠太郎(社3=石川・北陸学院)が相手の厳しいボールマンディフェンスをかわして得点。F津田誠人(スポ2=京都・洛南)もスリーを冷静に決めたほか、小室のスリーのこぼれ球をラインぎりぎりで拾い、セカンドショットを沈めるなどファインプレーを見せ、第1Q(クオーター)前半はほぼ互角のスコアで展開。後半は両チームともにトランジションの素早さに磨きがかかり、スピード感あふれる攻撃が繰り広げられる。早大はG土家大輝(スポ1=福岡大大濠)のドリブルを起点に、小室やG柳川幹也(スポ3=京都・洛南)が内外織り交ぜた攻撃を試みたが、相手の抜け目ないディフェンスを前に得点を伸ばせない。対照的に内外問わず着実に得点を重ねる東海大におされ、8-22と大きくリードを許して第2Qへ。第2Qはゴール下でマークを徹底し、激しいディフェンスで相手の得点を抑える。だがオフェンスでは、前線でのボールマンディフェンスを強めてきた相手に苦しみ、ボールを失う場面が目立った。全体的に攻撃を思うように展開させてもらえず、「どうしてもぶつ切りになって1対1でシュートというふうになった」(G香川泰斗副将(人4=大分舞鶴))。前半終了間際には土家の見事な速攻もあったが、点差は詰まらず19-38で試合を折り返した。


後半、レイアップシュートを放つ小室

 第3Q前半は小室が奮闘。インサイドを中心に精度の高いシュートを放って東海大を追いかける。後半からは香川を中盤の要として攻撃を繰り広げ、終盤にはF宮川丈クレイトン(商1=愛知・千種)がスリーで加点。だが東海大は内外両方から全員が得点に絡む盤石の構えで早大を寄せ付けず、第3Q終了時点で33-62に。第4Qも東海大の攻撃は加速する一方で、26点を荒稼ぎ。対する早大はG神田誠仁(社1=静岡・浜松開誠館)のスリーなどで必死に追いかけるもファウルが相次ぎ、最終ピリオドの得点はわずか9点にとどまった。42-88。前回王者にダブルスコアで格の違いを見せつけられ、苦い敗戦になった。


序盤に活躍を見せた柳川

 関東大学新人戦の東海大戦では一時2点差に迫る善戦を繰り広げていただけに、見事なスタートダッシュを決められるか期待がかかったリーグ戦初戦だったが、王者の背中はまだまだ遠かった。早大も内外を巧みに使い分けて攻撃を展開したが、見事に組織化された東海大のディフェンスには抗えず。ディフェンス面でも、「スイッチしてガードがビッグについちゃったときにやられた部分があったので、そこはもうチームでカバーするしかない」と小室が振り返ったように、高さのある相手に苦しめられた。攻守にわたって実力差を感じさせられた一戦となったが、初戦で自らの立ち位置と課題を把握できたことはこの先リーグ戦を乗り越えるにあたって、必ず良い方向に働くだろう。最終節を迎える11月には、チームの成長物語の始まりはこの一敗だったと振り返れるように、課題を克服しながら長丁場を駆け抜けていきたい。

(記事、写真 町田華子)

第95回関東大学リーグ戦
  1Q2Q3Q4Q合計
早大111442
東海大2216242688
F#8 津田誠人(スポ2=京都・洛南)
G#12 土家大輝(スポ1=福岡大大濠)
G#14 柳川幹也(スポ3=京都・洛南)
F#17 高阪俊輔(社4=東京・早実)
C#41 小室悠太郎(社3=石川・北陸学院)
◇主なスコアリーダー◇
得点  小室悠太郎:13得点
リバウンド  小室悠太郎:8リバウンド
アシスト  神田誠仁:4アシスト
コメント

G香川泰斗副将(人4=大分舞鶴)

ーーきょうの結果をどのように捉えていますか

コーチも言ってくれたんですけど、22戦ある中の1敗と考えて、明日もあるのでとりあえず1回切り替えてまず1勝を狙っていきたいなと思います。

ーーご自身のプレーを振り返っていかがですか

相手のディフェンスに面食らっちゃって、運びにミスがあったり攻める姿勢を取っていなかったところがあったりしたので、そこは課題だなと思いました。反面、ディフェンスの部分は、1対1の場面はあまりなかったんですけど、チームルールは自分なりには遂行できたかなと思ったので、今後も継続していきたいなと思います。

ーー東海大に対してどのような対策を練っていましたか

相手は体が大きくて背も高いので、できるだけマークがミスマッチにならないようにするというところですかね。

ーーオフェンス面では、内外を巧みに使った多彩な攻撃を仕掛けていたように見受けられましたが、振り返っていかがですか

実際ハーフでがっちり構えられた時は相手にディフェンス強く当たられて、セットプレーなどいつものプレーができなかった部分があって、どうしてもぶつ切りになって1対1でシュートというふうになったので、そこが課題だと思いますね。いい位置でピックするために、どれだけ体を使っていくかとか、練習中からどれだけタフにやれるかというところ、そこはリーグ戦を通して成長できたらいいなと思いますね。

ーー相手の激しいディフェンスに苦しめられたとおっしゃっていましたが、どのような点で難しさを覚えましたか

ボールを運ばせてくれなかったし、ピックアンドロールをやりたい場所でやらせてもらえなかったです。スペースができないと攻めが停滞してしまうので、そこがちょっとやりにくかったですね。

ーーきょうの試合を踏まえて今後のリーグ戦に向けてチームの課題や意気込みを教えてください

いきなり大差で負けてしまったんですけど、そこにとらわれていたらリーグ戦って長丁場なのでいい影響は出てこないと思うので、とにかく1勝するためだけに今までやってきたことを出していきたいです。ベンチからも盛り上げて、アップからもそういった雰囲気を作っていこうと思います。課題としては、小さいってところをもう1回認識しないと、きょう戦ってみて相手の選手は体大きかったですし、そんな中でプレーするにあたって、体の使い方をうまくして小さい選手でもスペースがある分よりうまくオフェンスができるようになればいいと思います。ディフェンスに関しては、きょうは相手に圧倒されてしまった部分があってチームルールの遂行はできたんですけど、ボールマンへのプレッシャーなどはまだ薄かったのでそこまで目を向けられるようにしたいです。

C小室悠太郎(社3=石川・北陸学院)

ーーきょうの結果をどのように捉えていますか

正直、次元の違いと言ったらあれなんですけど、全然違うものを感じて自分たちの関東(大学リーグ)1部での位置というものがわかったので、あと21試合そこをしっかり噛みしめて戦っていきたいと思います。

ーーご自身のプレーを振り返っていかがですか

練習試合で他のチームに通用するところが通用しなかったりして、格の違いを感じたので、このチーム相手に自分が点を取れれば、他のチームでも取れると思うので、シュートいつも打っていいよと言われている身として、どのチームでもコンスタントに点を取れるようにしないといけないなと思います。

ーー東海大に対してどのような対策を練っていましたか

スイッチでなるべく早くフェイントに入れさせないようにして、あとはもうひたすらピックとガードのミスマッチの所を早めにカバーして、リバウンドを必ず取ってロースコアの展開に持ち込もうという形になっていたんですけど、リバウンドでも見せつけられた部分もありますし、そもそものシュートやドライブ1つ取っても相手がかなり強かったなと思います。見習うところしかないです。

ーー多彩な攻撃を仕掛けていたように見受けられましたが、その中でどのような点が課題だと感じましたか

相手のディフェンスは全員共通理解がすごくて、本当に抜け目のないディフェンスをしてきたので、そこでしっかりエントリーでもらう部分だったり、スクリーン仕掛ける部分だったり、ダイブしてすぐ走ったり、ボールミートしっかりしてドライブしたりっていう基礎の部分を徹底できれば、まだ戦えた部分もあったんじゃないかなと思うので、そこをもう一度見直して、明日の試合をやっていきたいと思います。

ーーディフェンスについて特に意識したのはどのような点ですか

ずれを少なくしてリバウンドを必ず取ることですね。自分が5番(山本浩太)についたときはリバウンドやられなかったんですけど、スイッチしてガードがビッグについちゃったときにやられた部分があったので、そこはもうチームでカバーするしかないですね。

ーーきょうの試合を踏まえて、今後への意気込みをお願いします

きょうで関東のトップを知れたので、後はもう自分たちがやってきたことを精度高く必死に、メンバーが欠けている中でもやり続けて、目標のベスト8以上にとりあえず入ってインカレに繋げたいという気持ちがあります。トップを知れた分これ以上落ちることはないので、後の試合全部勝ち切って目標を達成したいと思います。