河崎羽珠愛(スポ4=千葉・植草学園大付)選手が最後の全日本学生選手権(インカレ)に挑みます。過去3大会では優勝候補の一角として臨みながら、それぞれ表彰台は確保するも頂点には立てず。4度目の正直へ、最後の挑戦が始まります。今回は河崎選手に普段の練習や現在の状態について伺いました。

※この取材は8月18日に行われたものです。

「やっぱり毎日の積み重ねです」


いつも笑顔で対応してくださる河崎選手

――今日は午後オフとのことですが普段はどれくらいまで練習していますか

 7時から7時半くらいまでです。

――そんなに長い時間、身体を同じように動かすことは可能なのでしょうか

 大学生になってから、動きとかが高校生や中学生のときよりも女性らしい身体つきになって少し動きづらいところもあるので、ウォーミングアップに時間をすごく使うようになりました。

――以前はバレエのレッスンをした後練習に入るとのことでしたが

 内容は毎日ずっと一緒なんですけど、バレエのバーレッスンが始まる前の柔軟の時間をすごく長くしないといけないかなという感じです。

――授業は春の間どれくらい通ってましたね

 週3で通っていました。練習場所とキャンパスが遠いので、授業のある日はもう授業だけの日にして練習のある日は練習だけという風にしています。

――バレエ以外に新体操のためにやっているダンスはありますか

 あんまりないですね。でも春学期に授業でバレエをとったんですけど全然新体操のバレエとバレリーナのバレエと全然違うなと思って。新体操では身体を柔らかくするためのアップみたいな感じで、綺麗さも求めているんですけど、バレエの方が手の位置だとか魅せ方をすごく大事にしているなと思いましたね。楽しい授業でした。

――新体操以外で習ってみたいことは何かありますか

 ずっと踊ることが好きだったのでジャズダンスとか一般的なダンスをやってみたいなというのはありますね。手具を使わないで踊ることがあんまりないので自由に踊りたいなと思います。

――新体操の選手はすごく背筋が強い印象がありますが、それは練習の中で自然と身につくものなのでしょうか

 もともと弱い子だったらトレーニングもしっかりします。私たちは週3くらいですね。腹筋、背筋、臀部など。あとは有酸素系もかなりやっています。

――かなりしっかりトレーニングをしているようですが、時間としてはどれくらいですか

 最近だと2時間くらいですね。

――以前所属先のイオンのTwitterで幼少期は身体が硬かったという風にコメントされていましたが

 開脚も床でやってもつかなくて、長座も足に手がつかなくてそれくらいガチガチでした。やっぱり毎日の積み重ねで柔らかくなってという感じです。

――やはり身体は柔らかい方がいいんでしょうか

 身体は柔らかすぎても自由が利かなかったり、自分のやりたい難度を超えてたりしますね。

――年齢を重ねるごとに身体のケアなど変わってきているとは思いますが、今はどういうことに気をつけていますか

 今はトレーニングをしっかりして演技中とかにもけがをしないように気をつけています。あとは身体のメンテナンスをしたり、年齢的に腰とか足とかも痛くなってくるので、週に1日だけある休みで整体などに治療に行ったりしています。

――フォームローラーを持っているかと思いますがどういうところに使っていますか

 ストレッチで足の前ももとか背中に使ってほぐしています。

――筋肉はやはり柔らかい方が良いですか

 柔らかい方がけがは防げるので良いかなと思います。

――食事の面で気をつけていることはありますか

 結構高校生のときは太りがちというか、見た目では一般の方からはわからないんですけど、新体操の方から見ると膨れているような体型だったのでバランスよく野菜とかお肉、魚を食べるようにというのは意識しています。

――カロリーの細かい計算などはしていないのでしょうか

 それはしていないです。今のルールだとすごく動くので食べて動いて消費するという感じです。食べないと動けないです。

――試合の日はどうやって食事を摂っていますか

 演技と演技の間に結構時間が空くのでそこで補食をとったり、本番前にお昼ご飯を済ませることもあります。

――補食はどんな物を食べることが多いですか

 おにぎりとバナナ、あとゆでたまごを食べます。あとゼリー飲料も飲むこともあります。

――手具が場外に出た場合は予備の手具に変えて演技をすることになりますが、自分のものと比べて感覚に違いなどはありますか

 フープはテープが巻かれていないのですごく軽いなと思いますね。ボールはそこまで気にならなかったですね。クラブとリボンはあまり使ったことがないので分からないです。でもやっぱり自分が使ってきたものの方がやりやすいです。

――フープはみなさんそれぞれで飾り付けをしていますね

 色んなグラデーションにしたりとか、オーロラテープというのが流行っていて、反射してキラキラするので綺麗なんですよ。

――新体操は髪飾りはつけないのでしょうか

 あんまりつけないんですけど、今年からロシアの選手がつけるようになっていたり、おだんごじゃなくてアーティスティックスイミングみたいなおだんごというか固めてる選手も海外では出てきていますね。

――衣装は全て同じ方に作ってもらっているのでしょうか

 そうですね、コーチと作ってくださる方が話し合って作ってくださる感じなのですが、衣装が届くまで私たちはあまりどういうデザインかはわからない状態ですね。要望は最近聞いてもらえるようになっていて、例えば手具を転がす技もあるので袖がない方が良いなどお願いしています。

――メイクでこだわっていることはありますか

 結構汗っかきですぐ落ちちゃうのでアイラインはすごくこだわってますね。ウォータープルーフでも落ちてきてしまうのが悩みで色々試していますね。でも私はそんなにメイクをしているわけではなくて普通に目元とチーク、口紅くらいですかね。

――新体操の選手は美意識の強化などを理由に練習中でもメイクをする方が多いそうですが河崎選手はしていますか

 できないですね、どうしても崩れてきてしまうので。

「内心ではすごく緊張しているんですよ(笑)」

――今年の種目についてそれぞれテーマや見所を教えてください

 フープは『踊れる女性』というのをイメージしていて。あまり綺麗な動きができないタイプなので、メリハリをつけて元気よく演技することを目指しています。ボールは2年目なんですけど、特にテーマとかは決めていなくて、強さと柔らかさを強調するというのを自分の中で意識しています。クラブは『魔女のパーティー』というのをテーマにしていて、これも2年目なんですけど、昨年よりも技が増えているので私にとってはクラブが1番大変です。リボンはアナザーライフというタイトルの曲で、『次へのステップ』をイメージしていて、あまり綺麗な曲を使ってこなかったのもあってすごく新鮮な気持ちで踊れるので、1番好きな演目です。

――それぞれ曲はどういう風に選んだのでしょうか。バランスなどを考えていますか

 バランスも見ますし、先生と私で話し合って、使いたい曲を伝えてどれにするか決めるということが多いです。

――曲を決めるきっかけは他の選手が使っているのを見て、ということが多いですか

 それはないですね、たまたま曲が被っちゃったりするとしょうがないかなって思うんですけど、自分が使った曲を次の年に使っている人を見るとすごく嬉しいです。

――新体操は採点競技で曲を使うスポーツだという点で共通するフィギュアスケートよりも色々な曲を使っている印象があります

 2013年からボーカル入りの曲を1曲使えるようになって、2017年くらいからは2曲になったので結構色んな曲を使う選手が増えましたね。

――河崎選手はボーカル入りとボーカルが入っていない曲だとどちらの方が踊りやすいですか

 迷いますね。ボーカル入りは歌詞を最初に見て自分に合った内容や関連するものを選ぶことが多いので今はそっちの方が楽しいですね。

――技がたくさん詰まっていますが曲を歌いながら表現するような余裕はありますか

 試合のときは全然ないですね、考える余裕がなくてずっと無心というか練習でやってきたことは考えるんですけど、基本的なことは考えないです。練習しているときは技のことをすごく考えたりとか、曲に遅れちゃってるとかは思うんですけど、そう考えることでミスに繋がってしまうのでそういうことを考えないようにするために毎日コツコツ練習しています。

――どの演技でも共通していつも気をつけていることはありますか

 私は結構内股で外旋が効かない身体なんですけど、そこを意識しないと、手具があちこちに行ってしまうというか、バランスが崩れるのでちゃんと意識するようにしています。

――全体に関わってくるんですね

 そうですね、バランスとかピボットにも影響しますし、手具に対応することも関係あるかなと思います。

――今のトレンドとして得点源になっている技はありますか

 ピルエットは回れば回るほど加点がもらえるので、どの形でも回転数をあげるようにしたりとか、ジャンプだと開脚度を出すというか、今流行りのっていうのはなくて自分がとれるものを徹底的にやっていくというのが今のルールです。

――練習ではどれくらいの精度で演技ができているのでしょうか

 1日ずつ課題を設定してやっていて、この日は2種目を全部ノーミスでやる、この日は4種目1本ずつノーミスできるようにするという感じで。確率とかはわからないんですけど、すごく時間がかかってしまうときはかかってしまうしスパッと終わるときは短時間で終わることもあるので、気持ちの面が影響しているのかなと思います。失敗したくないとかあれを気をつけなくてはならないって思うと時間がズルズル過ぎていってしまいます。

――緊張しているときと緊張していないときではどちらの方がうまく演技できますか

 ある程度緊張している方がいいかなと思いますね。

――今もすごく緊張することはありますか

 あります。ずっと緊張しています。「全然緊張してないように見える!」っていつも言われるんですけど、内心ではすごく緊張しているんですよ(笑)

――今までで1番緊張した試合はありますか

 4月の代表選考会ですね。自分でもあんなに悪くなると思っていなくて、多分今までよりもすごく緊張の度合いが上がってしまってコントロールが効かなくなっちゃったのかなと思います。普段あんまりミスしないところでミスすることが多かったので始まった瞬間からずっとどうしようっていう感じで。初めてでしたね、あんなことは。毎年代表選考会はあるんですけどあの空気だけは毎年本当に嫌です(笑)

「後悔なく楽しんで演技したい」


インカレの目標を書いていただきました

――インカレの雰囲気についてはどういう印象を受けていますか

 学生の試合で色んな方から応援してもらえるので、私はすごく楽しく演技ができます。

――過去3大会のインカレは河崎選手にとってどういう大会でしたか

 去年の全日本インカレは、リボンで最初から結び目ができてしまってそのまま気づかずに演技をしてしまって点数があまり伸びなかった点がすごく悔いが残っています。1年2年は今のベストの力を出し切れるように考えながらの演技で、緊張はしていたんですけどとても楽しかったですね。

――インカレに向けて大事にしていることは何ですか

 学生最後のインカレなので1番は後悔しないように、毎日スッキリした気持ちで終われるようにというのを意識しています。

――最後のインカレという点ではやはり心境に違いはありますか

 あっという間だったなという感じですね、この前まで1年生だったのにって思います。長いようで短かったようなと。生活の一部でもあったので学生終わったらどうなるんだろうという感じもしています。

――最後に意気込みをお願いします

 過去3年間やりきったというところまではいけていなかったと思うので、結果とか得点とかこだわるところはあるんですけどそこにとらわれずに今自分ができることを最大限試合で発揮できるように後悔なく楽しんで演技したいなと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 青柳香穂)


新体操っぽいポーズをしてくださいという無茶振りにも快く応えていただきました

◆河崎羽珠愛(かわさき・うずめ)

1997年(平9)9月26日生まれ。千葉・植草学園大付高出身。スポーツ科学部4年。インカレの目標は「後悔しない演技をする」。有終の美を飾れるか、注目です!