文=鈴木健一郎 写真=野口岳彦

「ドイツは日本なんかに負けたくないはず」

バスケットボール日本代表は、86-83で強豪ドイツを撃破した。テストマッチとはいえ、勝つ経験は決して小さくない。善戦の末に敗戦を繰り返すようなチームは、それがクセになる。最後の最後で接戦を勝ちきる力は、強いチームなら必ず備えているものだ。

田中大貴は「勝ちにこだわってやっているので、一つ勝って結果を出せたのは良いこと」と勝利を喜びつつも、「ただドイツもここには調整をしにやって来ているわけで、ワールドカップ本番になったらまた違う」と気を引き締めた。

それは他の選手も総じて同じで、篠山竜青は「ドイツがどれだけの力で来たのか分からないが、勝てたことは自信になる。ただ、今日勝てたからと言って調子に乗ってはいけない」と言うし、渡邊雄太も「世界との距離も詰まってきているが、ドイツが何パーセントの力か分からない。これから調子を上げる」と、勝ったことで気の緩みが出ないよう心掛けていた。

ただ、そこでニュアンスの異なる発言をしたのが八村塁だ。31分の出場で31得点の大暴れ、アップセットの主役となった。会見場で篠山、渡邊と並んだ八村は「2人がドイツがどれだけ本気でとか言っているけど、僕からしたら僕らも100パーセントの力じゃないし、修正するところはある。ドイツは日本なんかに負けたくないはずで、そこで勝てたことはデカい」と言い切った。

勝つことの意義を過小評価してはいけない。コートだけでなく会見の席でも、八村のパフォーマンスは自信に満ちていた。