21日、大学スポーツ協会(UNIVAS)は虎ノ門ヒルズフォーラムにて企業4社とのパートナーシップ契約を締結したと発表した。今回契約を結んだのはKDDI、マイナビ、MS&ADインシュアランスグループホールディングス、KEIアドバンス。記者会見ではスポーツ庁・鈴木大地長官が「企業とのパートナーシップ契約によって、UNIVASがさらに大きな成果を挙げることを期待する」と祝辞を述べたほか、各社がスポーツ分野での取り組みや、今後提携していく上での構想についてプレゼンテーションを行った。

※発表会冒頭で「企業と共同で事業を展開し、大学スポーツの社会的価値を高めたい」と挨拶したUNIVAS・鎌田会長
※祝辞を述べるスポーツ庁・鈴木長官

「5G元年」を見据えて大学スポーツの選手育成とファン拡大を支援・KDDI

※登壇するKDDIライフデザイン事業企画本部ビジネス統括部繁田部長

「UNIVASの理念に深く共感し、パートナーシップに参加した」と語ったのは、自身も学生時代に野球部に所属していたKDDIライフデザイン事業企画本部ビジネス統括部部長・繁田氏。UNIVASは大学アスリートに対し各種サービスの提供を行っていく予定だが、使いやすく精緻なデータを提供していくことを目指し、チームや選手の情報を管理する「UNIVAS FUNDAMENTAL DATABASE」をKDDIと共同で構築する予定だ。また、将来的に次世代移動通信システム「5G」を活用し、映像配信のみならず新たなリアル観戦体験を生み出すことで、大学スポーツのファン層拡大に繋げていく。特筆すべきは、そのデータ収集方法だ。KDDIと株式会社アクロディアが提供し、センサー内蔵型ボールなどのIoTデバイスから取得したデータを活用し、選手の技術向上に役立てるスポーツIoTプラットフォーム「アスリーテック」や、KDDIのコーポレートベンチャーキャピタルが出資する株式会社ユーフォリアが運営するwebサービス「ONE TAP SPORTS」の活用を予定する。今後の構想については、「時間はかかるかもしれないが、大学スポーツをUNIVASと共に盛り上げていきたい」と語った。

また、スポーツブルを共同で運営する株式会社運動通信社とUNIVASがオフィシャルメディアアライアンス契約を締結。8月21日時点で6競技72試合の大学スポーツに関する映像を配信しており、今年度、年間600試合以上の配信を目指す。この映像配信事業のサポートに加え、インフラサポートから新規サービス開発まで幅広い連携が行われることも発表された。

蓄積された膨大な情報をもとに大学アスリートの就職を支援・マイナビ

※事業について紹介するアスリートキャリア事業室木村室長

数々の有名アスリートも所属し、就職・転職・アルバイトといった人材ビジネス領域で様々な事業を展開、豊富なノウハウを持つマイナビ。「UNIVAS設立の理念である“卓越性を有する人材”を世の中に輩出できる体制を共に築いていきたい」との思いから、今回パートナーシップ契約を結んだ。発表会では、アスリートと社会を繋ぐ「エコシステム」の構築を目指し、全アスリートを対象とした職業紹介事業、人材開発事業を展開し、彼らの“これから”を支えていくことを表明。「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念である「DigitalTransformation」の造語である、「AthleteTransformation」を標榜し、心身共に鍛え抜かれたアスリートが世の中に浸透することで、人々の生活を豊かにしていきたいと語った。

安心・安全を通じた大学スポーツ発展への貢献・MS&ADインシュアランスグループホールディングス

※安心・安全にスポーツに打ち込める環境の実現について説明する広報IR部金子部長

MS&ADインシュアランスグループホールディングスは、社会を取り巻く様々なリスクから大学アスリートを守る。中でも、「競技中の事故だけではなく、ハラスメント問題や経済面まで様々なリスクを未然に防ぐ」ことを目指していく。今後はUNIVASに集積した多様な情報を分析し、選手のけがや組織運営についてリスクを指摘する。

また、大手予備校・河合塾のグループ会社であるKEIアドバンスが、UNIVASのアカデミックパートナーとして参画することも発表。スポーツ推薦で大学に入学予定のアスリートの学習支援サービスを展開する。推薦入学と一般入学の入学時の学力の格差を是正し、彼らが学業とスポーツを両立できるような環境を整えていく。次世代を担う人材育成を目指して、進学指導の枠を超えて彼らが社会に出て活躍できるよう全力でサポートしていく予定だ。

日本版NCAAとして3月1日に産声をあげたUNIVASは、発足から174日で全国42都道府県222大学34競技団体が加盟し大きく成長しているが、まだ道は半ばだ。今回パートナーとなった企業との契約期間は5年間。今後も様々な業種の企業と提携できないか協議を進めながら、大学アスリートを強力にバックアップするプロジェクトを打ち出していく。すべては大学アスリートがさらに素晴らしいパフォーマンスを発揮し、もっと多くのファンに愛される社会のために、UNIVASは進み続ける。