文=丸山素行 写真=野口岳彦

海外組が加わって『日本のドリームチーム』が完成

バスケットボール男子日本代表は8月22日から25日までの4日間で、アルゼンチン、ドイツ、チュニジアとの国際強化試合に臨む。先週行われたニュージーランドとのテストマッチは1勝1敗に終わり、オフェンスでは八村塁への依存、ディフェンスでは相手のトランジションへの対応が課題として浮き彫りとなった。ワールドカップ開幕は目前に迫っており、急ピッチでチームの完成度を高めなければならない。現在地を知る意味でも重要な場となる、さいたまスーパーアリーナでの強化試合に臨む選手たちを紹介する。

3 PG 安藤誓哉(アルバルク東京)

アルバルク東京を2連覇に導いたポイントガードは、ジョーンズカップで結果を出して代表候補に滑り込み、富樫勇樹の離脱した穴を埋める存在になろうとしている。ピック&ロールから最善の選択肢を選んで攻撃をクリエイトし、ゲームコントロールをしつつ自分で決めるシュート力もあるのが強み。安藤がペリメーターから決めれば、相手は八村とファジーカスのインサイドばかりを警戒してはいられず、日本のオフェンスの幅はより広がるはずだ。

4 C  太田敦也(三遠ネオフェニックス)

身体を張り、泥臭い仕事に徹するビッグマン。国際経験豊富な大ベテランだが偉ぶるところは一切なく、ボックスアウトにスクリーンとスタッツには表れない献身的なプレーのできる仕事人であり、自分よりも周囲を立ててチームの雰囲気を盛り立てるムードメーカーでもある。温和な性格だが、内に秘めた闘志、勝ちたいと思う気持ちは強く、その背中で若手を引っ張っていく。

6 SG 比江島慎(宇都宮ブレックス)

日本代表のオフェンスを引っ張るエーススコアラー。プルアップやドライブ、パスなど攻撃面でのスキルがどれも高く、それらを組み合わせて勝負どころで決めに行くメンタルの強さが光る。八村やファジーカスとシュート力の高い選手が加わったことで、ディフェンスに今まで以上に注力する姿勢を見せるが、それでもここ一本で比江島のオフェンス能力が生きる場面は出てくるはずだ。

7 PG 篠山竜青(川崎ブレイブサンダース)

激しいプレッシャーディフェンスを持ち味とし、的確な指示出しで攻守を引き締める司令塔。ニュージーランド戦ではケガのため代表から外れた富樫に代わり先発ポイントガードを務め、指揮官フリオ・ラマスからの信頼を感じさせた。川崎で長く一緒にプレーするファジーカスとの相性は抜群。ハーフコートオフェンスでアドバンテージが取れるかどうかは篠山のゲームコントロール能力にかかっている。

8 PF 八村塁(ウィザーズ)

NBA1巡目指名を受けた日本の至宝。高さと強さ、スピードにシュート力と、すべての要素が今もハイペースで成長しており、攻守において他を圧倒する存在になりつつある。ニュージーランド戦ではいきなり35得点を挙げて、そのポテンシャルを証明。八村が加わったことで日本はアジアを勝ち抜くに至った。あとはチームとして八村をどう生かし、その能力を引き出すかで、世界で戦えるかどうかが決まる。

9 PG ベンドラメ礼生(サンロッカーズ渋谷)

コントロールよりも自らがアタックするアグレッシブさが売りのコンボガード。ニュージーランド戦では、スクリーンから一瞬の隙を突いて3ポイントシュートを沈めるなど、オフェンス力が魅力。所属するSR渋谷で昨シーズンはシューティングガードを務めたが、代表ではポイントガードに専念。ボールプッシュから自分がファーストオプションでアタックすることを意識し、違いを示したい。

10 PF 竹内公輔(宇都宮ブレックス)

双子の弟である譲次とともに日本のインサイドを長らく支え続けるビッグマン。自ら1on1を仕掛けることは少ないがポジショ二ングに優れ、ガードとのコンビネーションやインサイド陣との連携から決定機を作り出す。八村やファジーカスのバックアップとなることが予想されるが、経験を生かしてインサイドの組織的なプレーを忠実に遂行することで、悪い流れからチームを救う働きが期待される。

12 SF 渡邊雄太(グリズリーズ)

206cmの長身に加えてウイングスパンも長く、軽快なフットワークと組み合わせることで驚異的なディフェンス能力を見せるエースキラー。世界を相手にしても個で打開できる能力を備えながら、常にチームファーストを意識してプレーできる『3&D』(3ポイントシュートとディフェンスを持ち味とする選手)。日本が目指すトランジションバスケットを完成させるには不可欠な戦力であり、リーダーシップにも期待したい。

13 SG 安藤周人(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)

ピュアシューターがいない現メンバーの中で3ポイントシュートを得意とする貴重な戦力。名古屋Dでエースへと成長し、ジョーンズカップで結果を残して代表入りと、今まさに勢いに乗っている。ジョーンズカップではクラッチシューターぶりを見せるなど、勝負どころでも臆さない強心臓ぶりが魅力。代表歴が浅い中でチームにどう合わせ、3ポイントシュートだけでない多彩なオフェンス能力を発揮するかに注目したい。

15 PF 竹内譲次(アルバルク東京)

八村とファジーカスに引けを取らないインサイドの3番手。ディフェンスではベテランらしい冷静沈着な対応を見せるが、オフェンスでは八村に触発されてアグレッシブさが増した。トランジションでしっかり走り、3ポイントシュートでディフェンスを広げ、強気なアタックでファウルをもぎ取る。チームの躍進に合わせて自らもレベルアップすることで、日本を支え続けている。

18 SF 馬場雄大(アルバルク東京)

日本人離れした身体能力でコートを駆け回るスラッシャー。スピードと跳躍力は世界を相手にしても引けを取らず、果敢なディフェンスから一気にトランジションに持ち込む豪快なプレーは日本が誇る武器の一つとなった。シックスマンでの起用が多かったが、ここに来て安定感も備えて先発の有力候補に浮上している。代表の主力に定着するだけで満足せず、存在感を強めている。

22 C ニック・ファジーカス(川崎ブレイブサンダース)

地道な練習を積み重ねて築いたシュート精度に絶対の自信を持ち、さらにはペリメーター周辺でも確率を落とさないシュートレンジの広さ、多彩なシュートバリエーションとディフェンスとの巧みな駆け引きも光る点取り屋。パスセンスに長け、リバウンドも強い。川崎で長くプレーしてBリーグ最強の外国籍選手だった彼が加わって、インサイドの攻守が安定したことで、日本代表は爆発的な成長を遂げるに至った。

24 SG 田中大貴(アルバルク東京)

攻守すべてにおいて高いレベルのプレーができる日本トップクラスの2ウェイプレーヤーは、日本代表をさらなる高みへ引き上げるために自らポイントガードでのプレーを志願。ポイントガードとしては経験不足かもしれないが、ピック&ロールから次のプレーを判断して遂行するハンドラーとしての能力はA東京で証明済み。ディフェンスと高さも含め、192cmの彼が1番ポジションでチームにもたらすプラスは計り知れない。

32 C シェーファー・アヴィ幸樹(滋賀レイクスターズ)

バスケを始めたのが遅く、スキルや経験では他の選手に差を付けられているが、それを補うだけの高さとフィジカル、そして試合のたびに成長の証を残す勝負強さが魅力。2年前のU19ワールドカップでは八村をサポートしてチームの躍進に貢献し、そこから急成長を続けてきた。リムプロテクターとしての才能はすでに開花。日本の将来を背負うビッグマンとして注目される。