文=鈴木栄一 写真=野口岳彦

「悪かった点、良かった点と両方とも次に生かせる」

8月22日、バスケットボール日本代表はアルゼンチン代表に93-108で敗れた。最終的には世界屈指の強豪に地力の違いを見せつけられてしまったが、一方で途中には20点近いリードを許したところからカムバックするなどチームの成長を感じられる一戦でもあった。

約30分の出場で15得点10リバウンド3アシストと、主力として及第点のプレーを見せたニック・ファジーカスは「ディフェンスは得点を多く与えすぎたけどオフェンスは良かった。悪かった点、良かった点と両方とも次に生かせる」と試合を総括する。

先週の強化試合、ニュージーランドとの2試合に続くハイスコアには、ファジーカスも大きな手応えを得ている。「世界トップ10のチームと渡り合うことができた。個人的にはワールドカップにおいてもオフェンスでは他の出場国に引けを取らない力を持っていると思う。オフェンスに関しては楽観的にとらえている」

ただ、一方で失点の多さには次のように危機感を募らせる。「ハイスコアリングゲームになると僕たちは勝つことが難しくなる。もっと守備をしっかりしないといけない。このような点の取り合いになるとプレーメーカーの選手たちが、途中でガス欠になってしまう時間帯もでてくる。できれば80点台に抑えるのが理想だ」

「2試合続けて相手の3ポイントシュートの確率が良いアンラッキーな面もあった。それでも本番までの残り10日で修正していかないといけない。ワールドカップはディフェンスでどれだけ相手を止められるかにかかっている」

「ファシリテーターとしてオフェンスを促す」

ファジーカス個人でいえば、長らくNBAでも活躍したトップレベルのビッグマンであるルイス・スコラらとマッチアップしても、冒頭で触れたように攻守にいつも通りのプレーを見せた。それでも、「今日は最初、シュートが当たっていなかった。誰を相手にしても1試合20得点10リバウンドを挙げる自信はある」と力強く語る本人にとっては、いつも通りの働きにすぎない。

そして日本代表の大きな鍵となる八村塁、渡邊雄太といかにうまく共存するかについても、次のような変化がある中で「アジャスメントはうまくいっている」と自信を見せる。

「塁と雄太がいることで、前に比べると自分のシュートチャンスは限られてくる。アグレッシブに攻める中でも、塁と雄太と一緒にプレーする時はファシリテーターとしてオフェンスを促進させる役割を自分は担っている。その中でもクリエイトしたり、オフェンスリバウンドからのプットバックなど自分のシュートを見つけないといけない」

「リバウンドを取るのも自分の仕事」

また、守備においてもリバウンドへの強いこだわりを見せる。「僕は1対1ではベストのディフェンダーではないかもしれない。ただ、ポジションをしっかり取って、リバウンドを取るのも自分の仕事だ」

あらためて世界の強豪を相手にしても、得点とリバウンドの両方で計算できることを示したファジーカス。24日のドイツ戦、25日のチュニジア戦では、彼が語るように攻撃に加え、リバウンドの柱として守備を立て直す働きにも期待したい。