残すは、日本一長い夏を過ごす2校。 5試合連続2桁安打でチーム打率は.361、強打の履正社(大阪)と、今大会ここまで防御率0.00、令和の怪物・奥川恭伸投手を擁する星稜(石川)。22日14:00、ともに初優勝をかけて激突する。 決勝戦L…

残すは、日本一長い夏を過ごす2校。

5試合連続2桁安打でチーム打率は.361、強打の履正社(大阪)と、今大会ここまで防御率0.00、令和の怪物・奥川恭伸投手を擁する星稜(石川)。22日14:00、ともに初優勝をかけて激突する。

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春のリベンジか、返り討ちか

履正社と星稜、両校は今春のセンバツ1回戦で対戦している。その時は奥川が9回3安打17奪三振と履正社打線を完封。3-0で勝利した。履正社の主砲・井上広大は4打数無安打2三振に終わった。あれから5ヶ月、さらに投球に磨きをかけた奥川が再び立ちはだかるのか、それとも雪辱を誓う履正社が分厚き壁を打ち砕くのか。

襲いかかる最強打線

一回戦、霞ヶ浦戦で大会最多タイ記録となる1試合5本塁打を放つなど、これまでの対戦相手に猛威を振るっている履正社打線。

この打線を牽引するのは間違いなく1番打者・桃谷惟吹。桃谷はこの夏の甲子園全5試合、第1打席の打率は驚異の10割。5試合中4試合で先制している履正社にとって、全試合で初回に安打を放つ桃谷の出塁が星稜・奥川攻略への鍵になりそうだ。

さらに高校通算48本塁打の4番打者・井上広大も忘れてはいけない。プロが注目する井上は左右どちらにも強い打球を放つ広角打者である。三回戦の高岡商戦では5打点を挙げるなど、打率.429、2本塁打、チーム最多11打点と最強打線の要だ。

ねじ伏せるか、大会No.1エース

今大会32回1/3を投げて自責点は0(失点1)。エース奥川恭伸は防御率0.00と他を圧倒してきた。最速154キロの剛球に、打者の手元で鋭く曲がるスライダー。大会前から大きな注目を集めていた奥川は、前評判と変わらぬ、いや、それ以上の力を発揮している。
圧巻だったのは三回戦の智弁和歌山戦。タイブレークにまでもつれた一戦は奥川が14回を投げ、3安打1失点。強打の相手に対し、大会最多に迫る23個もの三振を奪う熱投を見せた。すると14回ウラ、福本が劇的サヨナラ3ランを放ち決着がついた。今大会一番の名勝負、智弁和歌山との死闘を制したことで優勝候補はさらに勢いづく。
準々決勝の仙台育英戦は、打線爆発17得点で完勝。前日165球を投げたエースを休ませることに成功すると、準決勝では逆転に次ぐ逆転で勝ち上がり勢いに乗る中京学院大中京を寄せ付けず。奥川は7回10奪三振無失点、絶対的エースがチームを決勝へと導いた。

球児たちをたたえ、球児たちに感謝を。

今年の夏も日々、球児たちの情熱、意地、笑顔、涙、そして全力のプレーで見る人たちを感動させてくれた。101回目の夏に参加した高校が、3730校。ついに深紅の大優勝旗を手にする高校が決まる。どちらが勝とうが負けようが、熱い夏を戦いきった両校の選手へ拍手を送ろう。出し切れ、履正社。出し切れ、星稜。

(文:スポーツブル編成部)