日本一を目指す戦いが始まる。初戦がいよいよ明日に迫った全日本大学選手権。今回は大会を前に準硬式野球出身の坂本工宜投手(読売ジャイアンツ)の特別インタビューをお届けする。坂本投手は2016年ドラフト会議で読売ジャイアンツから育成ドラフト4巡目でプロ入りを果たし、2019年3月には支配下登録を勝ち取った。坂本投手の準硬式野球時代を振り返り、その魅力を語ってくださったインタビューをお楽しみください。

――野球を始めたきっかけは何でしょうか。

 「祖父が野球中継を見ていて、それを僕も観ていたので、野球をやろうという流れになりました」

――準硬式野球部に入部したきっかけは何でしょうか。

 「投手をしたかったので、準硬式野球を選びました。高校時代は外野手で、投手は小学校からやっていなかったですが、投手をやりたかったので、比較的コンバートしやすい準硬式野球の道に進みました。試合に出やすい環境という話を聞いたのも理由の一つですが、やはり投手をしたかったのが1番の理由です」

――高校時代は試合に出られなかったのですか。

 「公式戦に出場したことは1度もないですし、ベンチにも入ったことも1度もないので、全く試合に出ていなかったです」

――硬式野球という選択はなかったのですか。

 「そうですね。投手をやりたかったので、あまり硬式野球はという選択肢はなかったです」

――準硬式野球の特徴は何でしょうか。

 「学生主体でやるのが準硬式野球の魅力です。それこそサインを出すのも学生だったので、学生で自ら自分たちに足りない練習を考えて取り組んでいくのが、準硬式野球の魅力だと思います」

――準硬式野球時代にはどのようなことを自ら考えて練習されていましたか。

 「投手になってからは決められた練習をやっていました。個別の時間で自分の個人的な能力を上げるために、必要な練習をする時間を取っていかないとうまくはなっていかないので、個人練習の時間は大切にしていました」

――チームでの練習時間も限られていたのでしょうか。

 「授業の5、6限の時間に練習はありましたけれど、平日だと授業もあるので、授業があって練習に来ることができない人もいますし、全員集まるとなると土日だけでした」

――アルバイトはなさっていましたか。

 「球場のお立ち台を設置するなど、裏方のアルバイトをしていました」

――具体的に投手転向した経緯などはありますか。

 「自分から投手をやりたいということを言いました。当時の4回生の主将の方も『投手をやってくれへんか』と言ってくださっていたので、ちょうどタイミングが重なった時に投手になりました」

――準硬式野球では野手から投手に転向される方も多いでしょうか。

 「よくいます。肩が強いので外野手から、投手になることはよくあります」

(写真:インタビューに受け答えする坂本投手)

――いつごろプロ入りを意識され始めましたか。

 「関西選抜で台湾遠征に行った時に、向こうは準硬式野球がないので、硬式で試合をしました。その時に硬式のボールに対して違和感もなく、むしろ投げやすさを感じていました。球速も140キロは越えていたので、そこで手応えをつかめたのはきっかけになりました」

――スカウトの方が試合を観に来られていることはありましたか。

 「来ていたと思います(笑)」

――プロになって準硬式野球の経験が生かされていることはありますか。

  「ないです(笑)。 プロは全体練習の時間はありますけれど、個人の時間がもちろん多い中で、どのような考え方でどのような練習をするのかというのは大切なことだと思います。そのような習慣は準硬式野球時代からできていたので、プロに入ってからもそのような時間の使い方はうまくできていると思います」

――中々目立つ存在でない準硬式野球で頑張れた原動力は何でしたか。

 「最初からプロを目指していたわけではないですけれど、やはり高校時代は試合には出ていなかったので、投手になって大学ではいい成績を残したいという思いが強かったと思います」

――全国大会での思い出はありますか。

 「特にないです(笑)」

――準硬式野球のレベルは高いと思われますか。

 「高いところは高いと思います。全国大会ではいいチームがたくさん出ているなと感じました」

――プロになって準硬式野球なりのプライドなどはありますか。

 「最初の頃は所詮準硬式野球だろうという目は少なからず感じていたので、なめられたくないという思いはありました」

――同じ準硬式野球出身の鶴田圭祐投手(東北楽天ゴールデンイーグルス)とは仲が良いのですか。

 「同い年ですし、同じ時期に同期入団で入ったので、準硬式野球出身でもプロの世界で活躍できることを証明できるように、2人で切磋琢磨していけたらと思います」

――育成から支配下登録された時の心境はいかがでしたか。

 「一つはそこを目指してやっていたので、うれしかったです。ただ支配下をゴールとしてやっていたわけではないので、やはり1軍で通用するようにということを見据えて、その通過点で支配下というのはありました。1軍で活躍という目標は今も変わらずもっています」

――春先はイチロー選手と対戦する機会もありましたが。

 「テレビでしか見たことがなかった偉大な方だったので、まさか対戦できるとは思いませんでした。同じグラウンドに立って、勝負できることを考えたことがなかったので、とても貴重な経験になりました」

――準硬式野球時代の仲間とは今も仲が良いですか。

 「今も仲は良いです。準硬式野球時代はグラウンド上では仲良いが良いというよりは時には厳しい声も遠慮なく僕らの代はやっていました。ただグラウンドを離れたら仲良くしていました。そのようなメリハリをしっかりつけられたから、良かったと思います」

――学業との両立はいかがでしたか。

 「できていたと思います。とりあえずテストに関しては、情報を集めることをしていました(笑)」

――全国大会へ挑む大学生へメッセージをお願いします。

 「学生としては最後の大会になる人もいると思うので、思い切り楽しんでもらえればいいです」

――最後に準硬式野球の魅力は何でしょうか。

 「僕や鶴田ように準硬式野球からプロにいく例はあまりないですが、野球や準硬式に限らず自分のやるべきことを続けていれば、道は開けてくると思います。僕は準硬式野球をやっていてそのように感じましたし、想像していないことがきっと起こると思います」

――ありがとうございました。

[大西健太]