文=鈴木健一郎「千葉ジェッツをより千葉ジェッツらしくしていきたい」千葉ジェッツは8月20日に行われた取締役会で、29歳の米盛勇哉を新たな代表取締役社長とすることを決めた。同日付けで米盛が新社長となり、島田慎二は代表取締役会長となっている。島…

文=鈴木健一郎

「千葉ジェッツをより千葉ジェッツらしくしていきたい」

千葉ジェッツは8月20日に行われた取締役会で、29歳の米盛勇哉を新たな代表取締役社長とすることを決めた。同日付けで米盛が新社長となり、島田慎二は代表取締役会長となっている。

島田は、今回の社長交代についてこう語る。「100年続くクラブとなることを考えた時、礎を作ることはできてもずっといることはできない。これからバスケット界が成長する中で、資金力や経営力がないと上で戦うのは難しい。自信を持ってバトンを渡せる経営者が必要だった」

米盛は1989年鹿児島県生まれ。慶応義塾大学を卒業した後、野村證券と投資ファンドに務めて今年3月に千葉ジェッツに『後継者候補』として入社した。

そこから数カ月での社長就任となったが、決断のタイミングについて島田はこう説明する。「経営者はやらないと育たない。経営者に据えて、私が支えていくのがジェッツの未来にとっては良いと判断した。ジェッツが良いうちに、勢いがあるうちに交代したいと考えていた。今はチーム力も事業規模も非常に良い状況。米盛も現場で経験を積めるし、私も支えられる」

島田が例に挙げたのは、2016年のオフに決断した大野篤史ヘッドコーチの抜擢だった。「アシスタントの経験しかない大野をヘッドコーチに据えたのと同じで、誰もが最初は経験がありません。センス、力量があるのであれば、どんどん機会を与えていくのが良いと思いました」

島田は社長としての7年半、強烈な統率力でのリーダーシップ経営で千葉ジェッツを経営面でも戦力面でも日本バスケ界のトップへと引き上げてきた。数年後に迎える1万人規模の新アリーナの完成を見据えた安定成長を目指すフェイズを担う米盛は、「組織の規模拡大に備えて組織のレベルアップ、再構築を進めていきたい。これまでの挑戦者のマインドを持ちながら、常に上を目指していく。千葉ジェッツがより千葉ジェッツらしくなる、そういったことを目指していきたい」と抱負を語った。