早稲田では、大学2年時に学年から1人の学生コーチを選出する。「選手を続けたい」。そんな思いを断ち切り、選ばれた者は強い信念を胸に、学生コーチとしてまい進していく。今回は、鈴木太郎・新人監督(スポ4=静岡)と杉浦啓斗・新人監督補佐(文構3=東京・早実)の二人の学生コーチが登場。意外と知られていない学生コーチの仕事や早稲田のあるべき姿から、まだ知られていない注目選手や甲子園での秘話、早実高の過酷なテストなどまで様々なお話を語っていただいた。

※この取材は8月3日に行われたものです。

まだ知られていない注目選手は…


笑顔で取材に応じる鈴木太新人監督(右)と杉浦新人監督補佐

 

――初めに学生コーチの仕事のご説明からお願いします

鈴木太 学生コーチの仕事は、全体の練習メニューを決めること、チームのルールを取り締まることです。自分たちが中心となり、チーム全体の運営をするという感じです。

杉浦 新人監督補佐として自分は今、40人ほどに絞られている(1軍の練習に参加する)メンバーを太郎さん(鈴木、以下略)と一緒に練習中は見ています。その他に自分は、メンバーではない60人ほどの練習メニューを考えたりしています。太郎さんの補佐をしつつ、メンバー外というと失礼なのですが、その方たちの練習を主に見ています。あとは、新人は自分が見ていますね。

――練習を組み立てる上で意識されていることなどはありますか

鈴木太 自分がやっていて思うことは、チームが目指すものがある中で、それと選手がやりたいこととのバランスが難しいということです。チームが強くなることだけに完全に寄ってしまえば、選手のことを何も考えずに練習メニューを考えることになってしまいます。ですが、逆に選手側に寄り過ぎてしまえば、チームの目指す方向とはずれてしまうので。そこのバランスというか、両者をくみ取って考えるということが難しいかなと思っています。

杉浦 同じです(笑)。選手だけですと少し楽な方向にいってしまう部分もあります。なので、そこは監督やコーチ、キャプテンの加藤さん(雅樹、社4=東京・早実)も一緒に練習メニューを話し合って決めています。

――鈴木太新人監督は、新チームが始動される時に小宮山悟監督(平2教卒=千葉・芝浦工大柏)とお話しされたとお伺いしました。どのようなお話をされましたか

鈴木太 小宮山監督は、『早稲田』とはこうあるべきというのが決まっていらっしゃって。監督が現役時代に経験されたような『早稲田』を、またもう一度ここに取り戻すということを掲げてやっていらっしゃいます。それを自分たちは選手側に伝えなければいけない立場なので、監督の考えをいかに伝えられるかということが自分たちの仕事かなと思います。

――新チームが始動する際に、新監督になった他、コーチ陣も新たな方が増えたと思います。学生コーチとして変化などは感じられましたか

鈴木太 元々は、大人の指導者の方は監督と助監督(佐藤孝治、昭60教卒=東京・早実)しかいらっしゃらなくて。今は徳武さん(定祐コーチ、昭36商卒=東京・早実)であったり、田中さん(浩康コーチ、平17社卒=京都・尽誠学園)であったり、技術的に指導できる方が増えたことで、練習メニューが豊富になり自分も決めやすくなりました。そういう部分で助かっていると感じています。

杉浦 一緒です(笑)。浩康さんは、プロでやって来た技術を教えてくださります。守備はあまり教える人がいなかったのですが、細かいところであったり、基本の基本を大事にする姿勢であったりを教えてくださります。また、バッティングに関しても教える人はなかなかいなく、選手個人が自主的により良いフォームを目指していました。ですが、プロでプレーされていた徳武さんがいらっしゃったことによって、間違えのない方向に進むだろうと思いました。(学生たちは)一生懸命やっていますね。

――先ほど、徳武コーチが、「いわゆるメンバーといわれる20人ほどには教えられるが、チーム全員に一人一人指導することはできない」とお話しされていました。そのことや、こういったことに対する学生コーチの役割というものはどこにあるとお考えですか

杉浦 徳武さんがメンバーに教えていることをかみ砕いて、下級生から4年生までのメンバーに入れていない方にアドバイスをするということが自分たちの仕事だと思います。メンバーの方に多少はアドバイスをしますが、そこは徳武さんにお任せしています。それ以外の徳武さんが見られない方は、太郎さんや自分がアドバイスをする、教えてもらったことを伝えるということをしています。

――今年はいい方向に変化したと感じられていますか

鈴木太 そうですね。前よりはいい方向に変化していると思います。

――東京六大学春季リーグ戦(春季リーグ戦)は3位という結果に終わりました。春季リーグ戦を振り返っていかがですか

鈴木太 実力的には優勝を狙える位置にいたと思います。そこで勝ち切れなかったというのは、詰められていないポイントがまだまだあったということだと思います。今後秋に向けてはあらゆる状況を予測して、それに対する準備をしっかりしていきたいと思います。

――春季リーグ戦の中で、予想外だったことはありましたか

鈴木太 予想外ということではありませんが、リーグ戦をやってみて特に思ったことは、僅差の試合が非常に多かった中で僅差の試合をどう勝ち切るかということです。簡単に逆転されてしまうなど、精神面の弱さという部分でまだまだ課題が残りました。(リードしていれば)それ以降どう踏ん張るか、逆に負けていればどう勝ち越していけるかということが夏の練習試合の期間で克服していくべき課題だと思っています。

――詰めていかなければいけない部分というのは、精神面が大きいということですね

鈴木太 そうですね。試合をやってみないとわからない部分もありますが、自分たちが納得した状態で試合に入っていかなければいけないと思います。不安な状態で入るとそれこそ簡単に隙を突かれてしまうので。『自分たちはここまで準備したんだ』という自負を持ってリーグ戦に臨むことができれば、いい結果につながるのではないかと思います。

――春は三塁コーチャーとしても出場されていました。三塁コーチャーとしてのご自身を振り返っていかがでしたか

鈴木太 自分の中では、ミスしたなと感じた部分もありました。初めての神宮での三塁コーチャーで、やはり球場の雰囲気も練習試合とは全然違いました。春の経験を生かして秋の大会(秋季リーグ戦)では得点に結び付けられるような仕事をしたいです。逆に無駄なアウトを生まないように意識してやりたいと思っています。

――今年のチームの印象をお聞かせください

鈴木太 良くも悪くもスイッチがつけば、強いチームだと思います。実力的な部分では優勝できるチームだと思いますし、監督もしっかりとやれば勝てるチームだとおっしゃっています。そこをいかに自分たちの力を発揮できるか、そこだと思います。

――今年のフレッシュチームの印象はいかがですか

杉浦 課題としては、勝った後の油断ですね。そこは自分が特に気にしている部分です。メンバーの方もそうだったのですが、勝った後ですね。「田中誠也(副将、立大4年)!」のように意気込んだ試合で、勝った後は難しいなと思います。寮内も少し浮ついてしまっているなということは少し感じました。そこは、1、2年生に対しても、メンバーに対しても思う部分ですね。

――東京六大学春季フレッシュリーグ(春季フレッシュリーグ)の法大戦のように、いい勝ち方をした後は気を付けたいところということですね

杉浦 そうですね。その後はやはりどこかに隙があると、春はすごく感じましたね。

――鈴木太新人監督から見て、そういったところは1軍メンバーの方にも感じられていましたか

鈴木太 そうですね。春のリーグ戦は初戦の東大戦からいいかたちで入ることができました。リーグ戦中に、自分と杉浦で話したのですが、東大前はいいかたちで入っていったのですが、東大の後、次の週明治の週で(試合前から)チーム全体が雰囲気として少し落ちていく部分がありました。このままいくと少しやばいかも、という話をしていて。結局明治から勝ち点を落としてしまったので、やはりチームの雰囲気は練習でしっかりつくっていかなければいけないと思いました。

――東大戦終了後は練習で雰囲気が変わったりしたのでしょうか

鈴木太 そうですね。いい試合をしただけに、少しいけるのではないかという。油断はもちろんしていなかったと思いますが、少し出てしまった部分はあったと思います。そこを引き締めるのが自分たちの仕事だと思います。

――今年の主将副将というのはどのように感じられていますか

鈴木太 3人とも最上級生になり、責任を持ってやってくれています。特に加藤はキャプテンになってチームを引っ張っていくという姿勢をすごく感じています。去年あれだけ成績も落ち込んでいたのですが、その姿勢が(春以降の)結果につながっていると思います。

――杉浦新人監督補佐にとっては早実高時代に同じポジションであったなど、付き合いの深い先輩だと思います。どのような方だと感じられていますか

杉浦 どのような方(笑)。優しいですね。それでちょっと可愛いところがあります(笑)。ちょっと生意気なこと言いましたね(笑)。だから(こういうことが言えるくらい)親しみやすいですね。話しやすいです。

――春季フレッシュリーグでは、勝負どころでのミスが響き、優勝を逃しました。春季フレッシュリーグ全体を振り返っていかがでしたか

杉浦 新人の中で、他の五大学に負けない練習はしてきました。ですが、それでも勝てませんでした。フレッシュを戦って感じたことは、どこも実力はどっこいどっこいだということです。これはメンバーにも同じことがいえると思います。その中で、どれだけ細かいミスをなくすことができるか。ミスをなくすことにつながることは、やはり日頃の安部球場での練習です。どれだけ細かいプレーを最後まで突き詰めていけるか。そこは非常に課題であると感じました。

――フレッシュリーグを通じて良かったなと感じた選手はいましたか

杉浦 まぁ、みんな良かったですけど…。原(功征、スポ1=滋賀・彦根東)、雪山(幹太、教1=東京・早実)の1年生ピッチャーには助かりましたね。あとは、山下(拓馬、法2=埼玉・早大本庄)というピッチャーも、メンバーに対してシートバッティングなどでも投げられるくらいまで、かなり成長しました。また、自分は(東)伏見キャンプからずっと今井(脩斗、スポ2=埼玉・早大本庄)を4番で使ってきました。最後、全然打てていなかったので、4番に代打を出しました。これからのためにも、と思い、あえて代打を出しました。そういう部分で、彼が今後どう成長してくれるのかなと思っています。バッティングに関してはプロにいけるくらいの打力がありますし、バッティングに対してのストイックさというのは誰よりもあると思うので。

――今井選手は春の1軍オープン戦で代打出場し、二塁打を打つなどの活躍をされていました。代打枠というのも大事になってくるところだと思います。このあたりの選手の選び方や、注目されている選手はいますか

鈴木太 監督が常におっしゃっているのが、「守れないやつはベンチには入れられない」ということですね。ベンチ入りできる野手の数も限られていますし。岡本(大輔、文構3=東京・早実)やキャッチャーの岩本(久重、スポ2=大阪桐蔭)はずっと右の代打としてやってきていて、守れることが前提になりますが、そこに新しく今井のようなホームランのあるバッターが入ってきてもおかしくないなと思います。

――どの選手にも当然期待されていると思いますが、中でもまだ知られていない注目選手はいらっしゃいますか

鈴木太 えー(笑)。知られていない…。

杉浦 今井って言っちゃったからなぁ(笑)。

鈴木太 …。そうですね、ここ最近で調子がいい選手ですと、山野(聖起、法4=岡山・金光学園)ですね。ずっと代走のスペシャリストとしてベンチ入りはしていたのですが、最近はスタメンで出ていたりなどしています。バッティングの方もだいぶ調子が良くて、長打もたまに出るようになりましたし。元々脚のある選手なので、後ろ(の回)で使うということが中心でしたが、スタメンとして入り込んできているので、そこは期待しています。

――中堅手のレギュラー争いに入ってきているということですね

鈴木太 そうですね。今のところは調子がいいので。自分は期待してみたいかなと思います。

――杉浦新人監督補佐はいかがでしょう

杉浦 見つけました(笑)。宮本(茂樹、スポ3=奈良・一条)という3年生ピッチャーです。早稲田のピッチャー陣の中で唯一のアンダースローです。自分たちの代では、早川(隆久、スポ3=千葉・木更津総合)、柴田(迅、社3=東京・早大学院)、今西(拓弥、スポ3=広島・広陵)というような本格派ピッチャーがいる中で、そういう変則ピッチャーが食い込んできてくれれば、かなりチームの投手力は上がると思います。

――宮本投手は1軍の練習に参加されていますか

杉浦 いや…。でも監督はかなり期待していますね。

鈴木太 練習で投げたりするという感じです。練習試合など(でベンチに)に入るかどうかはまだ分かりませんが、1軍のシートバッティングなどで投げることもあります。

杉浦 監督がどういった教え方をしてどういうふうに投げるようになるのかということは楽しみにしているところです。

鈴木太 良くはなってきているよね。

杉浦 結構いいですよ。ストレートとか、ズドーンってきますし。

――球威があると

杉浦 結構あると思います。楽しみにしたいですね。秘密兵器(笑)。

鈴木太 秘密兵器は言っちゃ駄目だろ(笑)。

一同 (笑)。

――安田健人・前新人監督(平31文構卒)から代替わりの際などにお話はありましたか

鈴木太 特に話したわけではありませんが、安田さんは野球部に対しての思いが強く、熱い人だったので。そこの部分は肌で感じていましたし、引き継いでいきたいなと思いました。

――飯島匠太郎主務(スポ4=千葉・市川)とは新チーム始動の際に何かお話はされましたか

鈴木太 飯島とは新チームが始まる前から新チームをどうしていこうかということは話していました。新チームが始まる前に4年生全員で集まり、新チームをどのようにしていこうかという話をしました。現在の部のルールや、1年生のルールだとか、そういったもの全部を見直そうということで、下級生も含めて話し合ったりもしました。そういう意味では、チームのルールなどはだいぶ変わったかなと思います。

――来年は杉浦新人監督補佐が新人監督となり、牛島詳一朗マネジャー(社3=大阪・早稲田摂陵)や豊嶋健太郎マネジャー(スポ3=愛知・南山)が主務になられると思います。来年の構想などは今からされていたりするのでしょうか

杉浦 もちろん今からしています。はい。

――内容は内緒ですか

杉浦 内緒…(笑)。まぁ、こういうチームにしていきたいと自分が思っているのは、寮生の人、いわゆる主力選手と密にコミュニケーションをとり、(練習)メニューを決めていきたいと思っています。細かい話し合いはたくさん寮生の間でしたいかなと思っています。

――スタッフ陣の皆さんでいつもお話しされていることなどはありますか

鈴木太 基本的には、「この選手いいね」だとか「変わってきたね」というようなことです。自分たちの役割としては、旬の選手を見つけて監督に提案することが大事なので。自分たちがいいなと思った選手については、監督にも言おうと思っています。そこでしっかり自分たちで共有をして、二人でちゃんと推薦できる選手を監督に言うようにしています。

――今月3日の夏季オープン戦では、眞子晃拓選手(教3=早稲田佐賀)や原投手や雪山投手もベンチ入りされていましたが、あれは全て学生コーチの推薦によるものでしょうか

鈴木太 いえ、そういう訳ではないです。練習をやるにあたり、メンバー練習に入る選手を自分たちが推薦をし、その中で監督がベンチ入りする選手を選抜していくというかたちです。

杉浦 (監督は)とても見られていると思います。細かいところですが、全力疾走しているか、バッティング練習などはだれがちなのですが、そこでいかに真面目にやっているかなどですね。眞子などはそこでものすごく一生懸命やっていて、それが監督に評価されていたので。

――だらけてしまうこともあるのですか

杉浦 そうですね。守備練習と思えばものすごく大事なことなのですが。

鈴木太 そこで見られているという意識を持つことができれば、練習も良くなっていくと思うので。

――学生コーチとして大切にしていることは何でしょうか

鈴木太 一番は、選手のことを考えて発言することです。基本的に、自分たちは軽はずみな発言はできないと思っています。抱えている人数も多いですし、軽はずみな発言一つしただけで、信頼を簡単に失ってしまう立場なので。選手のことをしっかりと考え、自分がその立場になったときにどのように考えるかということを考慮した上で発言をするようにしています。

杉浦 太郎さんと同じことと、今はメンバー外の人を中心に見ていると先ほどお話したのですが、現在はメンバーの数が絞られてきていて、その中で漏れてしまう人もたくさんいます。そこは、徳武さんからも、チーム全体をちゃんと見るようにとご指導いただいています。

「(4年前の夏の甲子園、早実高対東海大甲府高との対戦には)裏話があるんですよ」(鈴木太新人監督)


選手からの信頼が厚い鈴木太新人監督

 

――野球を始めたきっかけを教えてください

鈴木太 野球を始めたきっかけは、父親がずっと野球をやっていて、甲子園にも出ていたことです。自分も甲子園に出たいと思って、小学校2年生の時に近所のリトルリーグのチームで始めました。

――お父様も静岡高のご出身なのでしょうか

鈴木太 いえ、浜松商業という高校で。自分、実家は浜松なんです。

杉浦 そうなんですか〜。

鈴木太 それがきっかけですね。

杉浦 自分は兄がやっていたので、小学校のころからやっていました(笑)。野球をやっている人には、兄の影響という人は結構多いと思います。

――静岡高へは一般入試でのご入学とお伺いしました。私立の強豪校もあった中で、静岡高を選んだきっかけというのは何でしょうか

鈴木太 自分は地元が浜松なので迷ったのですが、勉強もと思って。進学校で、かつ甲子園に一番近い学校ということで、県内を見回したら静高が一番いいかなと思いまして。一応学力でもトップなので。そこは目指す価値があるなと思い、勉強して入りました。

――ご実家から通われていたのでしょうか

鈴木太 いえ、寮というか、下宿する民家のようなものを野球部用に与えてもらっていて。そこにいました。

――以前静岡高の下宿が他メディアで取りあげられていました

鈴木太 だいぶ助けてもらいましたね(笑)。かなり環境はいいです。

――鈴木太新人監督は静岡高在学中、甲子園にも出場されていました。今振り返ってみていかがですか

鈴木太 本当にいい所だな、というのが自分の印象です。2年の夏に初めて甲子園に出た時に、ボールボーイをやらせていただいたのですが、球場内に入った時のその感動が忘れられなくて。その感動と、3年夏になって(甲子園でベンチ入りして)入場行進に出た時のその歓声というのは、本当にすごいなという(笑)。そんな感じでしたね。

――今年静岡高は夏の甲子園に出場しますが、母校の試合は見られますか(※取材時は開幕前)

鈴木太 見ますね。テレビで。

――今でも静岡高に行かれたりしますか

鈴木太 たまに顔は出しますね。あまり静岡に帰る機会がなかったのですが、就職活動の時に一度静岡に帰る機会があったので、その時に顔を出したりしました。そのくらいですね。

――杉浦新人監督補佐は高校から早稲田の系属校に進学されました。早実高を選んだ理由というのは何でしょうか

杉浦 勉強も良くて、野球も強くて、かつ偉大な先輩方がたくさんいらっしゃって。伝統もあって、早稲田(大学)に行ける。それですね(笑)。

一同 (笑)。

――この年代の早実高野球部出身の方ですと、斎藤佑樹投手(平23教卒=現北海道日本ハムファイターズ)の影響とお話される方が多いのですが

杉浦 それはもうものすごくありますね。あの試合は小さかったですが、見ていました。もちろんです。

――静岡高も早実高もともに勉強の面でも野球の面でも地域屈指の名門校ですが、両立は大変でしたか

鈴木太 全くしてなかったです(笑)。正直本当にしていなくて。夏までずっと野球しかしていませんでした。夏が終わった瞬間に勉強をハードモードに切り替えて(笑)。一気に勉強して、という感じでしたね(笑)。

――その短期間で早稲田に入ってしまうのがすごいですね

鈴木太 いやぁ(笑)。そんなことないですよ(笑)。

――早実高は数Ⅲまで勉強されると聞きましたが

鈴木太 お〜(笑)。

杉浦 そうです。数Ⅲやっています! お勉強しましたよ! 一応スポーツ推薦で入ったのですが、クラス全部ごっちゃなので。スポーツクラスなどはありません。同じクラスには、高校一般(入試での入学)のものすごく頭のいい人もいれば、初等部出身にはちょっと同じ匂いを感じる人もいて(笑)。なので、頭のいい人にどれだけ教えてもらうかが大事でしたね(笑)。

鈴木太 人脈次第?(笑)。

杉浦 もうテストは本当に大変なので(笑)。勉強して。

――早実高は野球部内ですごく教え合うという話も聞きましたが

杉浦 そうですね。野球部にも結構かしこい人がいて。野球部の顧問の先生も・・・。

――和泉実・早実高野球部監督(昭59教卒)ですか

杉浦 いや、和泉監督は勉強教えないです。

一同 (笑)。

杉浦 数学の先生がいて。その方に結構お世話になりました。

――鈴木太新人監督は早稲田には大学からのご入学です。たくさんある大学の中から早稲田を選んだ理由は何でしたか

鈴木太 自分は初めから六大学で野球をやりたいと思っていて。初めは学力的にも、立教はどうかなと思っていました。自分の父親はずっとリトルリーグの監督をしていて。リトルリーグで結果を残したので、U12日本代表のコーチをしたりしたんです。その時の監督が仁志敏久さん(平6人卒=現侍ジャパンU12監督)で。仁志さんは早稲田のご出身なので、「息子が大学野球のことで迷っているのですが、どうしたらいいですか」と相談したところ、「六大学野球をやるのであれば、早慶どちらかがいいのではないでしょうか」とおっしゃったそうで。早慶戦があるからだと。そういう言葉を受けて、早稲田を目指そうと思いました。慶応という選択肢もあったのですが、何となく早稲田かなと(笑)。学部的な部分もありましたが(笑)。それで、早稲田一本で。早稲田しか受けていません。合格できました。

――早稲田の野球部に入部されたころのことは覚えていますか

鈴木太 それは、常に脚が痛かったです(笑)。

一同 (笑)。

杉浦 地獄っすね(笑)。

鈴木太 もう、筋肉痛に日々耐えながら。毎朝早く目をこすりながら来てという感じでしたね。

――朝は何時ごろに起床されていましたか

鈴木太 4時半くらいですね。

――大変ですね

鈴木太 いや、でも今となってはいい思い出です(笑)。

杉浦 本当にそうです(笑)。

――鈴木太新人監督は、上京して驚いたことはありましたか

鈴木太 何だろう。あれだな、どこにでも電車で行けるということはすごいなと思いました。静岡は車が普通で。基本的に地方は車ですね。地方にもバスはありますが、電車で行けるのはすごいなと。なので、乗り換えなどもめちゃめちゃ難しくて。

杉浦 乗り換え難しいっすよね。

鈴木太 難しいね。

――杉浦新人監督補佐は東京のご出身ですが

一同 (笑)。

杉浦 さっき迷いました。

――東京に出てきてからも静岡弁が出たりしますか

鈴木太 いや、あんまり出ないですよ。

杉浦 出ないんじゃないですか。たまーに何か。

鈴木太 ちょっと特徴ある。

杉浦 ちょっとだけ、出る。

鈴木太 この間言われたのが、方言かは分かりませんが、俺、『もったない』っていうじゃん。

杉浦 あー。

鈴木太 もったいないのことを『もったない』って言うんですよ。それをよく言われますね。加藤とかに(笑)。「またもったないって言ってたよ」って(笑)。

一同 (笑)。

 (※後日調べたところ、『もったない』は浜松地方の方言だそうです)

――静岡の好きなところ何ですか

鈴木太 好きなところ…。浜松は風が強いですが、静岡は基本的に暖かいので。冬とかでも快適に過ごせますね。それは良かったです。

――杉浦新人監督補佐は生まれた時から東京ですか

杉浦 はい。いや、一応生まれは北海道で。

一同 (笑)。

杉浦 記憶はないです。3歳までだったので。

――行ってみたいところ、住んでみたいところはありますか

鈴木太 静岡だよ、静岡(笑)。

一同 (笑)。

杉浦 東京で大丈夫です(笑)。

一同 (笑)。

鈴木太 おかしいな(笑)。

――杉浦さんはなぜ文化構想学部を選ばれたのでしょうか

杉浦 そんなこと聞きます?(笑)。

一同 (笑)。

杉浦 まぁ、社学(社会科学部)とか商学部に出しましたが、通らなかったですね。

一同 (笑)。

杉浦 でも、今はいいと思っています。授業が面白いので。

――ゼミでは何をされていますか

鈴木太 ゼミでは、スポーツ社会学という分野を扱っています。基本的には部活動の研究ですね。体罰問題や、ブラック部活などが最近話題に上がる中で、今後どうしていけば良いかについてなどをやっています。分かりにくいですね(笑)。

――ブラックとは少しずれますが、先日話題になった大船渡高(岩手県)の佐々木朗希投手の登板問題についてはどうお考えでしょうか

鈴木太 あの件があってからゼミがなかったので、まだその話はしていませんが、結構取り上げられていた問題ですね。自分としては、選手の将来を考えれば仕方ないような気がしますね。一ファンとしては投げてもらいたいですが(笑)。将来があるので、本人が納得できていればいいと思います。

――杉浦新人監督補佐は地中海に関するゼミだとお伺いしましたが

杉浦 地中化文化論ゼミ。

鈴木太 何してんの(笑)。

杉浦 幅広く学んでいます。

鈴木太 いやいやいやいや(笑)。

杉浦 本当です(笑)。何でもできるんですよ。ヨーロッパのことなんでも扱えるんです。文化のことが主かな。

鈴木太 めっちゃ勉強している風に言うじゃん(笑)。

杉浦 してますよ(笑)。幅広く勉強させていただいています。

――何か地中海文化に関するおもしろい話はありますか

杉浦 えー…(笑)。

鈴木太 野球部続いているんでしょ?

杉浦 野球部続いていますね。重田さん(慎太郎、文構4=佐賀西)とか、岡本、村田(大誠、文構3=福井・高志)と一緒で。

鈴木太 うるさいやつら(笑)。

杉浦 暑苦しいですよ~(笑)。

一同 (笑)。

鈴木太 メンツがうるさい(笑)。

一同 (笑)。

杉浦 うるさいですよ(笑)。

――直近ですとゼミで何を発表されましたか

鈴木太 めっちゃ掘るじゃん(笑)。

杉浦 発表ですか。何でも触れていいので、自分はヒトラーの演説についてです。すごいらしくて。めちゃくちゃ人を魅了する演説をするらしくて。自分は話すのが下手くそというか、話したいことがありすぎて選べないということに、この職に就いて多くの人の前で話すようになってから気付きました。そのために、スピーチ術などを学びたいと思っていて、それでヒトラーを。あまり良くないのですが(笑)。学ぶところはあるのではないかと思って(笑)。

――人生で最も印象に残っている試合は何ですか

鈴木太 高校最後の負けた試合ですかね。自分は甲子園の1回戦で東海大甲府に負けてしまいました。惜しい試合だったのですが、負けてしまって。その試合が一番印象に残っていますね。

――静岡高に勝った東海大甲府高が、次の試合で杉浦新人監督補佐が在籍していた早実高に負けたのでしたね

鈴木太 そうですね。あれには裏話があって。自分の中学の同期で早実に行った菊地(恒太氏)というやつがいて。東海大甲府と自分たちが対戦して、その後に早実が東海大甲府と戦うことになったので、東海大甲府のデータを渡したんです。

杉浦 あれ太郎さんだったんですか。

鈴木太 それで勝ってくれたので、早実の勝ちに自分も貢献できて良かったです(笑)。感謝してもらえれば(笑)。

――菊地氏は早実高の最終試合となった仙台育英高(宮城県)戦で当時エースの佐藤世那投手(横浜球友クラブ)から試合終盤に安打を打っていましたね

鈴木太 センター前ですね。あれは感動しました。

杉浦 自分泣きましたね。

鈴木太 あれは感動しましたね。

杉浦 自分は二つあるのですがいいですか。一つ目は高校最後の試合です。一応背番号のいいもの(2)をもらっていたのですが、最後出ることができなくて。その悔しさで大学でも野球をやろうと決めました。もう一つは、2年秋の自分の引退試合です。あれの最後、太郎さんと安田さんに代打として出させていただいて。自分は結構涙もろいのですが、人生最後の打席だと思うと、涙が止まらなくて。

鈴木太 見えてなかったね(笑)。

杉浦 見えなかったですね(笑)。

――相手投手はどなたでしたか

杉浦 ピッチャーは法政の鈴木昭汰(3年)ですね。人生最後の打席なのだと思って入りました。ベンチやスタンドもみんなが必死で声を出してくれている姿だとか、上級生もみんなが本当に…。あの一打席というのは今でも夢に出てきますし、それは本当に一番印象に残っていることです。

――その引退試合の後の集合写真で、泣き顔ではなく笑顔で映っていらっしゃったのが印象的でした。いろいろな思いがあったと思いますが

杉浦 当然ありましたね。選手をやめるという悲しさと、これからみんなのために頑張ろうという思いです。引退をこんな花道で、優勝もしてくれましたし、こういうかたちで迎えられたことは幸せだと思います。他の選手のみんなは引退試合というものがなくて終わるじゃないですか。そういう人たちと比べれば、自分は最高の気持ちで終えられたなというすがすがしい気持ちもありました。

――話は変わりますが、座右の銘は何でしょうか

鈴木太 座右の銘は、『実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな』です。上の立場になるほどいろんなことに感謝して、謙虚に行動することが大事だということです。これは徳武さんからいただき、普段大事にしている言葉ですね。

杉浦 座右の銘というか、『土台』というのはいつも意識していることですね。この立場になった上で、偉くなってはいけないですし、みんなを明るく照らす、ではないですけど、そういったことは意識してやっています。みんなの『土台』となってうまくなってもらうことだったり、そういうことは常に意識してやっています。

――最近はまっていることは何ですか

鈴木太 はまっていることは、最近ではないのですが、バスケが大好きで、オフの日は一日バスケをしています。バスケのことなら自分に聞いてください。

一同 (笑)。

鈴木太 いやもう、バスケ大好きですね。

――どなたとやられるのでしょうか

鈴木太 スポ科(スポーツ科学部)の授業で。東伏見であるので。スポ科で有名になっているかも、というほど潜っています(笑)。

一同 あ、潜っているんですね(笑)。

鈴木太 潜っているんですよ~(笑)。いい運動ですね(笑)。

杉浦 はまっていること…。あ、ちょっと知的な感じで(笑)。毎日そこ(寮の共同スペース)に新聞がたくさんあるので、朝日新聞の一面と『天声人語』を読んでいます。

鈴木太 意識高いね(笑)。

杉浦 意識高い系のことを始めてみようかなと。この間の春リーグが終わったあたりから新聞を部屋に持ち帰って読むようにしています。

――何かきっかけはあったのでしょうか

杉浦 きっかけは親に言われたことですね。親が結構そういうことにうるさくて。野球ばっかりしているなよと言われますね。

鈴木太 ちゃんとやるところが真面目ですよね(笑)。

杉浦 真面目なんですよ(笑)。

――最近気になったニュースは何ですか

杉浦 やはり、日韓関係ですね。今度高麗遠征があるので。

「こいつらのためだったら」(杉浦新人監督補佐)


昨年の東京六大学秋季フレッシュトーナメント法大戦、9回に現役最後の打席に立つ杉浦新人監督補佐

 

――早稲田では、2年生の時に学生コーチを学年から選出しなければいけないとお聞きしました。お二人は立候補でしたか

鈴木太 いえ、完全に推薦でしたね。

杉浦 推薦で、最終的には自分で決断しました。

鈴木太 そうですね、もちろん最終的には自分で決めました。

――殺伐とした雰囲気になるのでしょうか

鈴木太 そうですね。

杉浦 はい。

鈴木太 だいぶシビアですね。

――推薦された時はどのように感じられましたか

鈴木太 素直にそこはうれしいなと思いました。学生コーチをやるつもりはありませんでしたが、学生コーチはおまえしかいないと言ってもらえることは本当に素直にうれしくて。だからこそ迷ったというか。初めは本当にやるつもりはなかったので。ですが、みんなの言葉があって、迷って、結局やるという決断に至っているので。周りの期待というのはすごく感じましたね。

杉浦 本当にやるつもりはありませんでした。瀧澤(虎太朗、スポ3=山梨学院)とか吉澤(一翔、スポ3=大阪桐蔭)が中心となって、個人面談というかたちでみんなと話した上で、投票しようということになりました。その投票でだいぶ(票が)入っていて。一切そんなことを思っていなかったのですが、いざふたを開けてみると、「え」となって。そのころ、サマーリーグが終わったところで、まぐれかもしれませんが自分は1本ホームランを打ったんです。それでバッティングに自信が芽生えて、「よっしゃー、ここからメンバー目指そう」と思い、まずは秋のフレッシュトーナメントにスタメンで出られるようにやっていこうという時に票がすごく入っていたので、結構複雑でしたね。

――最終的に決めるのはいつですか

鈴木太 自分たちはリーグ戦が始まってから本格的に決め始めました。それでリーグ戦が終わる少し前に決め終わりましたね。

杉浦 そうですね。

――まだ選手を続けたいという気持ちはありましたか

鈴木太 もちろんです。ずっと選手をずっと続けたいと思っていたので。

杉浦 それしかないです。

鈴木太 でも本当にやらなければな、と。

――そういった葛藤の中で、どのように決心されましたか

鈴木太 一応自分の中でやろうと思ったのですが、最終的には親に相談しました。すると、「いいんじゃないか」と。「自分で決めたことだからしっかりやりなさい」と言われて、「はい、がんばります」といった感じですね。

杉浦 自分は、ほとんど自分と中島(活大、商3=香川・高松北)にほとんど(の票が)入っていて。ずっと二人で毎日話していました。夜になれば親と電話をしたりして。自分で選手をやめるという決断をすることは結構勇気のいることなので。その時に親に言われたのが、「選手でいると自分の結果などに一喜一憂したりしてしまう」と。高校の時からそうだったのですが、自分はピッチャーとして高校に入り、キャッチャーにコンバートして。毎日結果に苦しみ悩んでいました。高校は終わりはいい終わり方をできず、また大学で一から野球をやり始めました。そこでも結果が出ない、結果が出るといったことに左右されていました。「そういうのはもうやめにして、チームに尽くしたら」と親に言われたので、それで結構心が変わりました。同期はいいやつも多くて、練習もたくさんして、自分は結構好きです。なので「こいつらのためだったら」と思って、決断することができました。

――学生コーチになられる際、髙橋広監督(商52教卒、当時、現神戸医療福祉大監督)から何かお話はありましたか

鈴木太 いや、監督から特に言われることはなく。そこは選手で反して決めろということだったので、選手だけで決めました。

杉浦 そうですね。

『正しい早稲田』とは

――以前、小宮山監督から『正しい早稲田』についてのお話しがあったと伺いました。お二人は『正しい早稲田』とは何であるとお考えですか

鈴木太 難しいですが、周りから見て、「さすが早稲田だな」というチームですね。曖昧な表現になってしまいますが。ユニホームの着こなしからグラウンドでの行動、練習の態度までそういう部分で「さすが早稲田だな」と思われる姿が『正しい早稲田』だなと思います。どこにでもいるようなチームでいてはいけない、学生野球のリーディングチームでなければいけないと思っているので。普通の考えとは違った基準でやっていかなければいけないなということは思っています。

杉浦 監督が言っているのは、規律を守るなど、そういうびしっとしている姿ですね。やはり早稲田で一番大事なことは『一球入魂』の精神です。和泉監督からもずっと早稲田の精神はそこにあると教わってきました。そこに集中するという気持ちと、小宮山監督の掲げる『隙のない野球』。常に隙のない。慶応はエンジョイベースボールという感じでやっているのですが、早稲田は厳しさであったりそういう部分に価値を持って、自信を持って頑張れるというか。勝つことはもちろんですが、この先社会人になったりしても、役に立つのは早稲田の野球で学んだこと。これが大事であるとOBの方はよくおっしゃるので、厳しさだったりそういうものが早稲田の野球だと思います。

――学生コーチは首脳陣の方々と選手の橋渡し役だと思います。気を付けていることなどはありますか

鈴木太 立場をはき違えないこと。自分は中間の立場なので。監督が言ってないようなことを選手に言ってはいけないですし、反対に選手が簡単に話したことまで監督にすべてを伝えるわけにはいかないので。そこの関係性を良好に保つことは大事にしなければいけないことだと思います。

杉浦 さっきも言ったように、メンバーだけでやるのが野球ではなく、チームでやるのが野球なので。メンバー外の人もメンバーの人ともささいなコミュニケーションを大事にすること。全員のことを均等に見てあげて、全員とコミュニケーションをとるみたいな。そういうことは、意識しています。

――鈴木太新人監督にとっては、秋が早稲田の部員として過ごす、学生コーチとして過ごす最後のシーズンになります。やっていきたいことはありますか

鈴木太 特に何か変える必要はないと思っていて、問題なのはその内容というか、質であり雰囲気だと思っています。やることは変えませんが、チームが「これはいける」という確信を持ってリーグ戦に臨んでいけるようなそういう持っていき方ができれば。それはキャプテン、副キャプテンと相談ですが。そこですね。選手にいかに確信をもってリーグ戦に臨ませるか。そこだと思いますね。

――杉浦新人監督補佐は、この秋が終われば最上級生となります。この秋をどのように過ごしていきたいですか

杉浦 自分はいつも神宮では、徳武さんと一緒に(早大)応援席とは反対側の、ベンチが見える場所で試合を見ているのですが、そこで太郎さんの三塁コーチャーの判断だとか、監督がどこでどういう選手を使う、どういう投手交代をするなどというような技術面は勉強していきます。

――あらためて今の早稲田の課題は何だとお考えですか

鈴木太 本当に技術ではなく、最後に勝ち切る、絶対に勝つという気持ちだと思います。リーグ戦に入ってみないと分かりませんが、それがまだ足りないと思っています。なので、もっとあおっていきます。

杉浦 やはり、隙のない。監督がいつも言っているのですが、ミスをなくすというのは、日常生活やグラウンドでの隙をなくす、これに尽きることだと思います。そこを頑張っていきたいです。

――これから強化していくべき点は何だとお考えですか

鈴木太 もちろん技術的にも、守備も走塁も、本当に細かいところを詰める。ある程度かたちはできてきているので、あとは細かいところを詰めるということですね。技術的にはそれで。精神的には、もっと練習にプレッシャーというか緊張感を持たせる。緊張感を持ってやるということが試合につながると思うので。そこの技術と、精神面の両面で強化していくべきだと思います。

杉浦 技術に関しては太郎さんと同じで。本当に一球に懸ける集中力を磨いていければ。そうすれば、今の代は絶対に他の五大学に負けない力があると思うので。そこをやっていきたいです。『一球入魂』の精神で。

――新人監督、新人監督補佐として下級生にこの秋期待したいことは何でしょうか

鈴木太 一番は、チームに活気をもたらしてほしいですね。新人の良さというのは、フレッシュさ、元気なところなので。それが新人だからこそある部分なのかなと思います。その影響で、上も活気を持って取り組むだとか。チーム全体を良くしていけるような影響を与えてほしいと思います。

杉浦 自分は新人を率いるので、優勝しかないです。日々の細かい練習でいろんなプレーだとか一球に対する思いなどを自分が隙なく教えていき、秋は春に負けた慶応と明治には絶対に勝ちたいと思っています。

――最後に来季に向けての意気込みをお願いします

鈴木太 本当に、しょっぱな法政、その次明治と、強豪に初めから当たるのですが、しょっぱなから全力で勝ちにいって。早慶戦のころには、優勝決定戦に、もしくは優勝が決まっているくらいの勢いでやりたいと思っています。

杉浦 太郎さんをサポートしながら、今の1年生から4年生の全体を見て、メンバーも新人もダブル優勝を絶対にしたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 金澤麻由)


選手と監督の橋渡し役となる学生コーチの存在も、チームには必要不可欠です!

 

◆鈴木太郎(すずき・たろう)(※写真右)
1997(平9)年12月10日生まれ。静岡高出身。スポーツ科学部4年。新人監督。浜松出身の鈴木新人監督。好きな食べ物はうなぎだそうです。しかし、意外にも嫌いな食べ物は生の海鮮系なんだとか。静岡県といえば、生しらす、まぐろなど新鮮な魚介類が何といっても魅力。太郎さん、こんなおいしいものが食べられないのは『もったない』ですよ!

◆杉浦啓斗(すぎうら・けいと)
1998(平9)年5月5日生まれ。東京・早実高出身。文化構想学部3年。新人監督補佐。愛称はすぎちゃん。明るく少し天然な杉浦新人監督補佐。好きな食べ物は「きれいなラーメン」だそう。得意科目はスペイン語。第二外国語として2年間たくさん勉強してきました。簡単な会話程度ならバッチリです!