15日に行われたIFSCクライミング世界選手権2019のリード男子決勝は、チェコのアダム・オンドラがこの種目3度目の世界王者に輝き、アレクサンダー・メゴス(ドイツ)が2位、ヤコブ・シューベルト(オーストリア)が3位と、リードのスペシャリスト3人が2大会連続での表彰台に上がった。また日本の楢崎智亜は4位、原田海は7位に入り、いずれも世界選手権リードでの自己最高位を更新した。以下、決勝を戦った選手たちのコメント一覧。

優勝:アダム・オンドラ(チェコ)
「決勝はすごく良い戦いだった。自分にとってもアレックス、ヤコブにとってもタフな内容だったと思う。今夜はアレックスが最も強かったと思うけど、彼がミスを犯してくれてラッキーだったしその結果優勝できた。ボルダリング決勝後はかなりプレッシャーがあったが優勝できて嬉しい。正直、勝てると思っていなかった。リードに向けて準備をしないといけないのはわかっていたが、予選は(ボルダリングの)悪い流れのままで自信は全くなかった。疲れていたし、指の痛みもあった。だけど疲れていないと自分自身を騙して挑んだんだ。今日の優勝がコンバインドに向けてメンタル的にも良い影響が出ると思う。また明日(16日)がレストデイということも指皮にとっては助かる。コンバインドではスピードでもベストを尽くすが、リード、ボルダリングにフォーカスしていこうと思っている」

「(ボルダリング決勝について)個人的には残念な結果だったけど、本当にハードな課題だった。第1課題は完登できるチャンスがあったが、その他の3つの課題は自分に合っていなかった。メンタル的にも良い状態ではなかった。全てのクライマーに得意不得意があり、今回は自分のスタイルに合わなかった。散々な結果の後にリードの予選に挑むのは本当に大変だった。ものすごい大きなプレッシャーを感じていた。でも登り進めていって自信を取り戻していった。それを思うとリードでの優勝はおとぎ話のようなもの。コンバインドへの自信も取り戻している」
3位:ヤコブ・シューベルト(オーストリア)
「わずかな差の接戦で自分にも優勝の可能性があり、結果には満足している。今リードの中で強い2人のクライマー、アダムとアレックスと争って表彰台に登れたのはうれしい。既にコンバインド予選に出場する20人には入れたと思っているので、(明後日の)スピードはそこまで重要視していない。コンバインドは予選からなにが起こるかわからない。指皮の問題もあるし、メンタルゲームになると思う。だけどボルダリングとリードでは、単種目の時のようなパフォーマンスを出せればいい。これまでの4日間がハードなクライミングだったので、(コンバインド予選のある)月曜日までにどれだけリカバリーできるかがカギとなると思う。レストデイは、ホテルでしっかり休んでストレスを溜めないようにしたい」
4位:楢崎智亜
「ルート的に分が悪かった。持久力のあるアダムでさえキツかったと言っていた。予想では、よりボルダーチックのパワフルなルートになると思っていたが細かいホールドが続いてキツかった。落ちたところは前腕がかなりキツくて、ヒールをするか、膝を入れるか迷っているうちに限界がきてしまった。リード4位は去年より高い成績だがなんとも言えない。やはり上の3人が固いなと感じた。ただ、世界選手権のリードで決勝まで来れたのは初めてで、予選から大きなミスもなく、そこはコンバインドに向けた安心材料だと思う。これでスピードは最下位でもコンバインドに進めると思うので攻めることができる状況だが、どちらかというと感触を確かめるラウンドにしようと思っている。調子が良ければもしかしたら自己ベストも狙うかもしれない」
7位:原田海
「出し切れなかった部分があるので悔しい。疲労感的にはもう少しいけたが、ムーブの読みを間違えてしまった。決勝はオブザベーション能力も必要なのでそこも実力のうち。2種目終えて成績的にはあまり良くなかったが、一つの大会としては得るものが多かったので良かったと思う」

CREDITS

取材・文

篠幸彦、編集部 /

写真

窪田亮