先日行われた「ロジャーズ・カップ」(カナダ・トロント/8月5~11日/ハードコート)のセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)対 ビアンカ・アンドレスク(カナダ)の決勝戦で、なんとも心温まる出来事が起…

先日行われた「ロジャーズ・カップ」(カナダ・トロント/8月5~11日/ハードコート)のセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)対 ビアンカ・アンドレスク(カナダ)の決勝戦で、なんとも心温まる出来事が起きた。

それは第1セットの4ゲーム目が終わった直後のこと。1-3とアンドレスクにリードを許していたセレナが、背中の痛みにより棄権を決意。ベンチに座ったまま泣き崩れてしまったのだ。「テニス人生で、私は常にあなたを見てきた。だって、あなたはめちゃくちゃすごい人だから!」と19歳のアンドレスクが37歳のウイリアムズを励ました。

19歳と若いものの、キャリア当初から怪我が絶えず、今年は「BNPパリバ・オープン」優勝で初タイトルを獲得するなどの輝かしい成績の裏で、右肩の怪我との戦いを強いられてきたアンドレスク。「私も怪我に悩まされてきたわ、怪我のことならなんでもわかるの」と続けてると、ウイリアムズにも笑顔が戻った。

対戦相手が怪我で棄権という結果ながら、こんな微笑ましい話題を届けてくれた弱冠19歳のカナダの新星ビアンカ・アンドレスク。今後が気になる彼女について少し紹介しよう。

彼女がテニスを始めたのは6歳の時。2014年にフランスで行われるジュニアの国際試合Le Petiteで優勝した際に、プロを目指すことを決意している。クレーコートを得意とし、強烈なフォアハンドが武器だという。

カナダ人ではあるが、幼少期に両親の出身国であるルーマニアで暮らしたこともある彼女、ルーマニア出身のスター選手シモナ・ハレプ(ルーマニア)を尊敬しており、「彼女にプレースタイルが似ているとよく言われるの。彼女のプレーに対する信念は素晴らしい。彼女のような試合がしたいわ」と話している。

また、別のインタビューには「自分はアグレッシブなベースラインプレーヤーで、ネットにつめてから点を取るのが私のスタイル」とも語っている。

本をよく読み、瞑想をして精神統一をはかることもあるといい、精神的にも成熟した様子のアンドレスクだが、愛犬ココちゃんを抱きしめるインスタグラムの写真には、まだティーンエージャーのあどけなさがうかがえる。

ロジャーズ・カップでの疲労がひびき、現在シンシナティで開催中の「ウェスタン&サザン・オープン」には欠場しているアンドレスク。今月26日から開催される「全米オープン」での活躍に期待したい。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2019年度「ロジャーズ・カップ」でのアンドレスクとウィリアムズ

(Photo by Julian Avram/Icon Sportswire via Getty Images)