「全仏オープン」の放映権は現在、フランスの国営放送局 France Televisions と有料テレビ局 Eurosport が保有しているが、この度2021年から2023年までの契約が更改…

「全仏オープン」の放映権は現在、フランスの国営放送局 France Televisions と有料テレビ局 Eurosport が保有しているが、この度2021年から2023年までの契約が更改され、放映権の大部分は依然として France Televisionsが保有するものの 、残りはアマゾン社が獲得することとなった。現在「全仏オープン」が放映権で得られる収入は2,400万ユーロ(約28億円)だが、「ウィンブルドン」と「全米オープン」はそれぞれ約7,000万ユーロ(約83億円)。「全仏オープン」は、両社の契約料は公開してはいないものの、今回の契約更改により収入全体は25パーセント増加したと発表している。

「全仏オープン」でアマゾン社は、2020年に開閉式ルーフが完成するセンターコート「コート フィリップ・シャトリエ」で、初日の夜に行われるセッションの配信権と、今年オープンした「コート シモーヌ・マチュー」で行われる全試合の独占配信権を得た。

France Televisionsは当初、30年もパートナー関係にあった「全仏オープン」が契約を変えようとしたことにショックを受けたようだが、最終的には「この素晴らしい「全仏オープン」というイベントを公共放送で放映し続けられることを嬉しく思います」とコメントしている。

アメリカのアマゾン社がフランスのスポーツ・イベントの放映権を獲得するのはこれが初めて。しかし同社は既にイギリスには進出しており、「全米オープン」、そしてATP及びWTAの大会をイギリス国内で配信する権利を有している。

アマゾン社は既に2023年までATPの大会を配信する権利を保持していたが、2020年からの4年間はWTAの試合(1年目は少なくとも49大会)もイギリスとアイルランドで配信する権利を得た。その中には「BNPパリバ・オープン」、「マイアミ・オープン」、「ムトゥア マドリード・オープン」、「チャイナ・オープン」、「WTAファイナルズ」といった大きな大会が含まれている。

アマゾン社が「全米オープン」のイギリスでの独占配信権を獲得したのは2018年のことで、その金額は約4,000万ドル(約42億円)と言われている。契約期間は2018年から5年間。ちなみにアマゾン・プライムのイギリスでの年会費は2018年4月当時で79ポンド(約10,120円)。アマゾン社がイギリスでATPの大会を配信する契約は、5年間で5,000万ポンド(約64億円)に上る。

アマゾン・プライムはテニス以外にも、アメリカンフットボールを世界に配信するなど、ライブスポーツのコンテンツ拡大に精力的だ。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「全仏オープン」、センターコートのフィリップ・シャトリエ・コート

(Photo by Cameron Spencer/Getty Images)