東京パラリンピックに向け様々な競技やアスリートの魅力に迫る、MEN’S NON-NOの連載「2020年TOKYOへの道」。今回は、水泳界期待の若き美女スイマーが登場。才色兼備な20歳が描く、1年後の大舞台に向けたビジョンとは!?…

東京パラリンピックに向け様々な競技やアスリートの魅力に迫る、MEN’S NON-NOの連載「2020年TOKYOへの道」。今回は、水泳界期待の若き美女スイマーが登場。才色兼備な20歳が描く、1年後の大舞台に向けたビジョンとは!?

池愛里はパラ水泳界きってのホープとして注目される20歳。すらりとしたスタイル抜群の容姿からは一見わかりづらいが、実は彼女、9歳の頃に患ったがんの後遺症で左足の装具がなければ泳ぐことができない。

「最初は足を切断しなければいけないと言われたのですが、大好きだったスポーツをできなくなることがとにかく嫌で、『切らないでほしい』と言い張りました。幼いながらに本当に頑固だったみたいで(笑)。そんななか、両親のサポートのおかげで当時まだ普及し始めたばかりの最先端療法と出会うことができ、奇跡的に足を残すことができたんです」

そしてリハビリが彼女の人生を大きく変えた。水泳との再会だ。

「子どもの頃は水泳よりもむしろバスケに夢中でした。リハビリで泳ぎ始めたのもできるスポーツが水泳しかなかったから。でも中学2年の頃、障がい者手帳を作ったときに初めて自分がパラリンピックに出られる可能性があると知り、水泳でその舞台をめざしたいと本気で思ったんです」

数年後、17歳で目標を実現。しかしリオでは世界の厳しさを知る。

「地響きのような歓声に緊張というよりアドレナリンが出すぎて。自分の泳ぎを出せないまま大会を終えてしまいましたが、でもその経験があったからこそ東京でメダルをめざしたい気持ちがより強くなりました」

あれから3年、リオの悔しさを胸に着実にタイムを縮めている彼女。それでも今年はまた新たな壁にもぶち当たっているそうだが、持ち前の負けん気とはじけるような笑顔できっと乗り越えていってくれるはず。

「実は春に代表漏れを経験して本当に落ち込みましたが、自分を見つめ直すいいきっかけだったと思うようにしています。そこで学んだコンディショニングの重要性を教訓に、9月のジャパンパラ、来年3月の代表選考会にきちんと照準を合わせて強い気持ちで自己ベストを狙います!」

【プロフィール】

池 愛里さん
いけ・あいり●1998年9月12日生まれ、茨城県出身。小学3年時に患った滑膜肉腫の後遺症として左足にまひを残しており、そのリハビリとして取り組んだことがきっかけで本格的に水泳を始める。東京成徳大学高校1年時にアジアパラ競技大会の50m自由形で優勝し、2年後の2016年リオデジャネイロ・パラリンピックでは7種目に出場。うち400mリレーで6位に入賞。2017年より日本体育大学水泳部に所属している。