第98回夏の甲子園大会8日目第4試合が行われ、大阪・履正社が神奈川・横浜を5-1で下した。注目のドラフト1位投手対決が試合途中から実現。履正社の寺島が9回6安打1失点の完投で、横浜・石川、藤平の強力投手陣に投げ勝った。■2度の中断挟んだ2回…
第98回夏の甲子園大会8日目第4試合が行われ、大阪・履正社が神奈川・横浜を5-1で下した。注目のドラフト1位投手対決が試合途中から実現。履正社の寺島が9回6安打1失点の完投で、横浜・石川、藤平の強力投手陣に投げ勝った。
■2度の中断挟んだ2回に履正社が5得点、横浜は2投手で11奪三振も及ばず
第98回夏の甲子園大会8日目第4試合が行われ、大阪・履正社が神奈川・横浜を5-1で下した。注目のドラフト1位投手対決が試合途中から実現。履正社の寺島が9回6安打1失点の完投で、横浜・石川、藤平の強力投手陣に投げ勝った。
初回に横浜が先制した。履正社先発の寺島から先頭の戸堀が遊撃内野安打で出塁。2番・遠藤の送りバントを捕手の井町が二塁に送球もセーフに。3番・増田が犠打を決めて、1死二、三塁とすると、4番・村田の中犠飛で1点をまず奪った。
横浜の先発、石川は後ろにドラフト1位候補右腕・藤平が控えていることもあり、初回から飛ばす。福田、北野、四川と並ぶ左打者から3者連続三振を奪う上々の滑り出しとなった。
2回の寺島は緩急自在の投球。初戦で本塁打を放った公家、藤平、徳田を打ち取り、3者凡退に仕留める。大きく試合が動いたのはその裏だ。
甲子園の上空を厚い雨雲が覆う中、履正社先頭の4番・安田がチーム初安打となる中前安打で出塁。井町が送って1死二塁。フルカウントになった時、雷鳴が響き、審判団は試合を中断。ナインをベンチに下げた。すると、雨が降り、次第に強くなった。
43分後に試合が再開。寺島は三振に倒れたが、7番・若林将が右前安打で一、三塁。そして、8番の山本が左翼スタンドに逆転の3ランを放った。
ここで再び天候が悪化し、今度も40分中断。また肩を作り直した先発の石川だったが、連続四死球で走者をためてしまった。横浜ベンチは動き、右翼を守っていたエース藤平をマウンドへ。投球練習が少ない中、2番・北野を迎えた。その初球のストレートを北野は右翼へ弾き返し、2者が生還。2度の中断を挟んだこのイニングで、履正社は5得点を挙げた。
藤平はベンチに戻ると、すぐにブルペンへ。投球練習をして、次のイニングに備えた。3回裏、藤平は4番の強打者・安田を三振に仕留めるなど3者凡退。試合も天候も落ち着き、寺島、藤平の投げ合いとなった。
履正社打線は藤平の力のある直球を狙っていたため、右腕はスライダーを多めに投げ、しのいでいく。一方の寺島はバランス良く的を絞らせないピッチングで組み立てていった。
寺島は6回、先頭の遠藤に右前安打されたが、3番・増田を二ゴロ併殺。7回に先頭の石川に四球を与えても、後続をすべて内野ゴロに切って取る安定感のあるピッチングだった。一方、藤平は8回に1死一、二塁のピンチを背負うと、打者・寺島の打球は右翼への大飛球に。右翼の石川がフェンスギリギリで好捕し、切り抜けた。
寺島は8、9回も横浜打線を抑え、5-1で勝利。大きな注目が集まった優勝候補同士の対戦を制し、3回戦進出を決めた。横浜は2投手で2桁奪三振(11)も及ばなかった。