第3回はラストイヤーを迎えた九州出身の3人。早大のダブルスを支える熟練のペアの古賀大貴副将(スポ4=大分舞鶴)、安上昂志(スポ4=福岡・柳川)に加え、関東学生新進選手権(新進)でベスト4に入り、全日本学生選手権でも飛躍を期す佐藤祥次(スポ4=大分舞鶴)が登場。ジュニア時代の思い出や、最後の夏に懸ける思いを伺った。

※この取材は7月28日に行われたものです。

「全部が楽しくなってきました」(古賀)


最後の春を振り返る古賀副将

――新体制最初の学生大会となりました全日本学生室内選手権(インカレインドア)の方を振り返っていかがですか

佐藤 初めてなので緊張しています(笑)。予選からだったんですけど、予選で苦しい試合があって、その中で応援の力もあって本戦に上がることはできたんですけど、本戦ですぐに負けてしまって、自分の未熟さを痛感した大会でした。

安上 ベスト4で坂井・千頭に負けて。僕ら安定性がないって言われていたんですけど、ベスト4に入れたのは良かったんですけど、そこから勝ち上がる力が必要だったなと思います。

古賀 良かったとは言えないけど、悪くもなかった大会でしたね。前の年に準優勝していて、優勝したいという思いがあったんですけど、また早稲田のカベに阻まれてしまって、悔しい思いがありますね。

――早大の同志に負けるのと他大学の選手に負けるのはどちらが悔しいものでしょうか

古賀 やっぱり負けて悔しいのは他の大学の選手ですね。ただ早稲田の選手に負けるのもまた違った悔しさがありますね。

安上 (早大の相手とやるときは)正直周りから見たら勝った相手が勝つだろうっていうのがあると思うんですよ。そこに予想通り負けるのは悔しいですね。前の年は島袋・髙村組に勝ったんですけど、そういう勝ちが欲しいですね。

古賀 でも上に行けば早稲田同士なので。負けるっていうのは特別な感情ですね。

佐藤 自分は満足しちゃうというか、自分にかべをつくってしまうんですよね。もちろん試合中は集中するんですけど、自分の実力の限界はここまでなのかなとか、ある意味納得してしまう部分があるなっていうのを藤井颯大(スポ3=京都・同志社国際)との試合で感じましたね。

――冬の期間はどういった取り組みをしていましたか

佐藤 冬に年末合宿があって、基礎的な部分の体力づくりをしていましたので

古賀 僕もそんな感じでしたね。

安上 僕はケガをしていて。インカレインドアが終わってから2、3ヶ月ぐらい休んでいたんですけど、ただ合宿は参加して、サポートをしていました・

――古賀選手と佐藤選手は関東学生新進選手権(新進)に出場なさいましたが、振り返っていかがですか

佐藤 二人とも藤井颯大に負けましたね(笑)。今までの大会でベスト8が最高だったんですけど、調子も良くてそれを超えることができたので良かったかなと思います。

古賀 優勝を狙っていて、優勝するなら藤井颯大に勝たなきゃいけないとドローが出る前からわかっていたんですけど、ベスト16で当たって、「早っ」みたいな(笑)。その前の春関で当たったときは勝っていたんですけど、それから成長していて、対策も練ってきていて、向こうのペースでずっと試合が進んでいたんで悔しい大会でしたね。

――春関の結果についてはどう捉えていますか

安上 春関でベスト4に入ったのは初めてだったので、そこは素直に嬉しいですね。2年、3年とベスト8で負けていたので。やっぱり慶大の福田・今村組に実力の差を見せつけられた準決勝になってしまったので、優勝したことなくて、狙える位置にもあったので、その部分は悔しい結果でした。

古賀 福田・今村組は強かったんですよ。ただ周りからは「満足しているように見えた」って言われて、そう見えるってことはもう少しやれることもあったのかなと。その直後に早慶戦も控えていたので、福田・今村を僕らが止められればよかったなという悔しさはあります。早慶戦でもD1で取られてしまったので。

――早慶戦の方を振り返っていかがですか

古賀 去年もD3で出て負けていたので、今年は最後の年ということもあって勝ちたいという思いが強かったので。ただ試合の直前まで出られるかわからなかったので、不安と期待の難しい心境だったんですけど、出たら自分のできることをやろうと思っていました。去年は初めてということもあって緊張していたんですけど、今年は試合も楽しめたことが、良いプレーができた要因だと思います。セカンドセットを落として1セットオールになっても焦りはなかったので、その部分は成長したのかなと思います。

安上 その頃僕調子が良くて、早慶戦に出るということになって、このまま行けば勝てるかなっていう若干の気持ちの余裕があって、それがプレー面でも良い方に作用してくれたと思います。去年1回経験していることもあって、去年は準備をしていたんですけどアップアップになってしまったんですけど、今年は落ち着いて準備もできたかなと思います。

――佐藤選手は前日に「秘密兵器」とおっしゃっていましたが出場の可能性はあったのですか

佐藤 実際出る可能性はほとんどなかったですね。自分で秘密兵器って言っていただけです。準備をしておけと言われてはいましたけど、直前まで誰が出るかわからないので。

――早慶戦後に重点的に取り組んだ点はありますか

佐藤 就活もあって、なかなか時間がなかったのが現状ですね。

古賀 チームとしては早慶戦終わってめっちゃ追い込もうっていう流れがあって、体力的にも追い込んでよかったなという実感はあります。この夏を乗り越えるためのトレーニング的な要素が多かった2ヶ月でしたね。

安上 僕と古賀は教育実習もあって、2週間ぐらい部を離れた時期もあったんですけど、シングルスが春関で全然うまくいかなくて、少し諦めムードもあったんですけど、予選で楠原くんと当たるので頑張りたいと思って、シングルスの練習を多めに取り組んでいます。春関で感じたのはネットプレーの部分の精度が課題に挙がったので、そういった部分は練習から多めに取り組んでいます。

――4年生になって心境の変化はありますか

佐藤 もう最後なので、やり切りたいですね。全ての大会が最後なので。リーグとかもどの立場になるかわからないですけど、どの立場になっても全力で自分のできることを最大限にやって、それがチームの勝利に貢献できればいいかたちで最後を迎えられるんじゃないかなと思うので、なにに対しても全力で、がむしゃらに取り組んでいこうと思うようになりました。

古賀 全部が楽しくなってきました(笑)。試合もそうなんですけど、きつい練習とかでも、最後だからかな?楽しまないと損だなって。どんなことに対しても楽しんだ方が達成感とかも違うのかなと思ったりも、最後だから考えるようになりました。50本ダッシュっていうきつい練習もそれまでは正直憂鬱だったんですけど、今は少し楽しさもあり、気持ち的にも高まると体も自然と動いてくれるので、ラストイヤーっていうのを楽しめているなと思います。

安上 今までは試合ですごく緊張するタイプだったんですけど、緊張しなくなって。なんでかはわからないんですけど、緊張しなくなりましたね。一つ一つ最後だなって思うと、楽しまないと損だなって思うと、これまで以上に楽しく思えるようになりました。

古賀 寂しさもありますね。みんなともうできないのかって思うと。

佐藤 あと3ヶ月ないので、インカレが終わると100日切ってるぐらいですね。早っ(笑)。もう一瞬じゃね。

安上 やばい(笑)。

「まさかダブルス組むことになるなんて」(安上)


早大に欠かせないペアとなった古賀(右)と安上

――みなさん九州出身ですが、最初の出会いは覚えていますか

安上 僕古賀は覚えてます。10歳のときに試合をしたんですけど、ワンセットマッチのタイブレークで6−7で俺が負けて。そのあとの九州大会の決勝でも当たって、大逆転負けしました。それが最初の出会いですね。

古賀 俺さっくんとの一番最初の試合覚えてる。小学4年生ぐらいの時に福岡のJOPのジュニアの試合で1回戦で当たったんですよ。その時僕負けて、それが初めてかなと思います。

佐藤 全然覚えてない。その時多分ロブしか打ってなかったと思う。小学生の頃ロブしか打っていないんですよ。

安上 小学生の九州大会の準々決勝で僕が勝ちました。

佐藤 その大会で初めてベスト8に入りました。小さい時から僕勝っていなくて、2人はずっと勝っていて、「すごいな〜」って思いながら見ていました。

安上 でも中学ぐらいになると、九州大会の優勝は僕らの3人のうちの誰かみたいな感じでしたね。ライバルでしたね。

――それぞれの当時の印象はいかがでしたか

佐藤 昂志はめちゃめちゃハードヒットしてくる。サーブ速いしフォア速いし。すごいの一言でしたね。

安上 本当です(笑)。スピンかけないグリップだったので、ほとんどフラットで攻めていましたね。けど気づけば苦手になっていました(笑)。

古賀 いつからおかしくなったんやろ(笑)。

安上 祥次はめちゃめちゃ粘り強い。それは今と変わらないですね。めっちゃ走るし。背が小さいからウエアがダボダボで、帽子を必ず斜めに被ってた(笑)。

一同 (笑)。

佐藤 頭小さいから、一番きつくしても浮いちゃうんですよ。だからそうなっちゃうんですよ。

古賀 変な子でしたよ(笑)。

安上 大貴は、僕ら早生まれなので1個下のグレードでも出られたんですよ。その決勝でも毎回当たっていたんですよ。「正直もうやり飽きたぐらい。めっちゃやったよね

古賀 やったね〜。十何回はやったと思います。

安上 だからまさかダブルス組むことになるなんて思っていなかったです。

古賀 思ってなかった。不思議な感じですよね。

――大学入ってから印象が変わることはありましたか

古賀 九州で合宿とかでも一緒だったので、内面的な部分も知っていたので、あまり変わらないですね。

安上 大貴は思ったより真面目だなって大学に入ってから思いました。高校の頃から真面目寄りに見えていたんですけど、一緒に過ごして真面目だなって思いましたね。祥次は不器用(笑)。真面目なんですけど、不器用。何でもかんでも自分でやっちゃおうみたいな、それがダメな方向に行くみたいな(笑)。

――古賀選手と佐藤選手は高校も同じですが高校時代を振り返っていかがですか

佐藤 めっちゃストイックでした。僕高校の時練習に身が入らないときがあって、1週間に一回は怒られてました(笑)。

古賀 キャプテンだったので、言うこともありましたね。ただちゃんと試合には勝ってくれるので、だからこそやってよって。

佐藤 言ってくれないと僕はやらない人だったので、ありがたかったですね。

古賀 絶対思ってないだろ(笑)。

佐藤 当時は「なんだコイツ」って思ってましたけど(笑)。後々になってみればありがたかったなと。

古賀 僕ら高校一緒でもう一人明大の主将(合戸廉太朗)がいて、安上だけ違ったんですけど、その4人が毎回ベスト4に上がっていたんですよね。僕ら的には誰かが安上を倒そうって言っていて。安上的にもこっちには負けられないと思っていたと思うので、いいライバル関係でしたね。楽しかったです。

安上 みんな一回ずつ九州の大会で優勝していて。祥次は九州ジュニアっていう大会で優勝していて、僕は高校総体の九州大会で優勝して、古賀はJOCっていう大会で優勝して、みんな仲良く分け合いました。

――田中優之介選手(スポ3=埼玉・秀明英光)も九州出身ですよね

佐藤 優之介は中学まで九州で、高校から埼玉ですね。

安上 九州にいた頃は僕らの方が強かったんです。負けたことあったかなぐらいです。関東行ってから強くなりました。

古賀 いなくなって強くなった。ポテンシャルはあったんですけど、そのボールが入っていなかったというだけで、入りだしたらとんでもないです。びっくりしたもんね。

佐藤 気づいたら日本代表に入ってた(笑)。

古賀 こっちに冬とかに帰ってきたときに見て、バケモンになったなと。

安上 身長も大きくなくて、ちょっと横に大きかったね。

古賀 高校で一気にいきましたね。

――プライベートで遊んだりすることはあるのですか

古賀 僕ら寮が一緒なので、あと島袋と小林。だいたい夕食とかも一緒に行ったりだとか。出かけることはあまりないですね。

佐藤 みんなで部屋でゲームとかしてることが多いですね。Switchが千頭の部屋にあるので、そこに集まって。スマブラとかマリオテニスをしていますね。

安上 プレステ4もやりますよ。島袋の部屋で。ウイイレですね。

――人生最後の夏休みですが、何かやりたいことはありますか

古賀 夏休みか〜。休みなくね?

安上 もはやインカレが夏休みらしいことだよね(笑)。

安上 僕はいきたいですけどね(笑)。海に花火に。

古賀 来週ありますよね。板橋と江戸川が。

佐藤 知ってんね。

安上 あれ、バレたね。

古賀 行かないですよ?

安上 夏祭りとか行きたい。

古賀 きょうあすであるんですよ。東伏見で。ちっちゃいやつ。

佐藤 でも、小さいこじんまりとやってるやつもまたいいですよね。

――庭球部での夏の思い出などはありますか

安上 僕はこの3人での思い出は1年の夏に3人でハンバーグ作ったことですね。僕は初めてそのときハンバーグを作ったんですけど、古賀料理長がいたので。

古賀 調理実習で経験があったので。うまかったよね。

安上 うまくできたんですよ。あれ楽しかったよね。

「後悔がないのようにやり切る」(佐藤)


初のインカレ対談となった佐藤

――最後のインカレですが、迎えるにあたっての心境としては

佐藤 インカレが始まるとあっという間に時間が過ぎてしまうと思うので、後悔がないのようにやり切るということを掲げて、この夏に臨みたいと思います。

古賀 テニス人生の集大成になる夏だと思うので、負けることよりも悔いが残って終わることの方が嫌なので、とにかく楽しむだけ楽しんで結果が出せればいいかなと思いますし、夏関、リーグはチームとしても王座に向けていい流れで行けるように、4年生としてチームを引っ張っていきたいと思います。

安上 本当に最後のテニスの全国大会なので、5歳ぐらいから始めたテニスの終止符になるわけなので、自分がテニスをする中で関わってきてくれた人たちにも感謝しないといけないと思うので、その気持ちを忘れずに最後まで精一杯戦いたいと思います。楽しみたいですね。

――コンディションの方はいかがですか

安上 僕はもう万全です。

佐藤 ここから上げていきます。

古賀 バッチリですね。あとはフィーバータイムに入るだけです。

――意識する相手はいらっしゃいますか

古賀 千頭(昇平、スポ3=愛知・誉)。僕仲良いので、いつも馬鹿にされているので(笑)。ちょっとギャフンと言わせてやりたいですね。

佐藤 藤井颯大!

安上 僕は予選決勝で楠原くん(悠介、法大)と当たるので、そこに勝ちたいです。

――インカレで注目してほしいポイントはありますか

佐藤 コートを走り回るプレーですね。

古賀 声に注目して欲しいです。岐阜で誰よりも叫ぼうと思います。「あれ、声が聞こえるぞ」と思ったら、「やっぱり古賀か」とそのくらい叫ぼうかなと思います。

安上 僕はやっぱり華麗なネットプレーと、飛び付きボレー。

古賀 ケイロル・ナバスボレーって言うんですけど。レアルマドリーのキーパー(笑)。

安上 彼ばりの飛びつきをボレーで見せたいですね。いつもウイイレでレアルを使うんですけど、その時にナバスのキーピングを見て、これは自分のボレーに使えると思って。

――インカレでの目標はありますか

佐藤 ベスト8以上。去年の16を超えたいので、そこですね。

古賀 シングルスベスト8、ダブルス優勝でお願いします。

安上 じゃあシングルスベスト4、ダブルス優勝で。

――インカレへ向けて、一言お願いします

佐藤 灼熱の岐阜の地で走り回って、後悔のないテニスをしたいと思います。

古賀 全てを出し切る。

安上 勝っても負けても、燃え尽きたいですね。

――ありがとうございました!

(取材・編集 林大貴)


九州出身の絆を感じさせる対談となりました!

◆古賀大貴(こが・だいき)(※写真中央)

1998(平10)年3月16日生まれ。173センチ。大分舞鶴高出身。スポーツ科学部4年。全日本学生ランキングダブルス9位。今季の主な成績は男子関東学生トーナメントダブルスベスト4。

◆佐藤祥次(さとう・しょうじ)(※写真右)

1997(平9)年11月16日生まれ。165センチ。大分舞鶴高出身。スポーツ科学部4年。全日本学生ランキング男子シングルス24位。今季の主な成績は関東学生新進選手権男子シングルスベスト4。

◆安上昂志(やすがみ・たかし)(※写真左)

1998(平10)年3月9日生まれ。171センチ。福岡・柳川高出身。スポーツ科学部4年。全日本学生ランキング男子シングルス26位、ダブルス9位。関東学生トーナメント男子ダブルスベスト4