JR東日本カップ2019 第93回関東大学リーグ戦 第9節
早大1-0
0-2
順大
【得点】
(早大)29’加藤 拓己
(順大)59’オウンゴール、84’大森 真吾

 約2カ月間の中断期間を経て再開した関東大学リーグ戦(リーグ戦)。この日は順大と対戦した。立ち上がりから主導権を握り、29分にFW加藤拓己(スポ2=山梨学院)がリーグ戦3試合連続となるゴールを挙げ先制するも、後半は一転して順大ペース。セットプレーからのオウンゴールと終盤の失点で逆転を許し、1−2で敗北。3連戦の初戦を白星で飾ることはできなかった。


先制点を決める加藤

 4—2—3—1の布陣でキックオフを迎えた早大。U22日本代表FW旗手怜央(4年)とパートナーのFW浮田健誠(4年)に対し、最後方で数的優位を確保した。前線は、今季の軸の一つである加藤とFW杉田将宏(スポ2=名古屋グランパスU18)の1トップ1シャドーに加え、精力的に走り回れるMF神山皓亮(商4=栃木・真岡)とMF藤沢和也(商4=東京・早実)をサイドに配置。立ち上がりから強度の高いハイプレスを敢行し、ショートカウンターを仕掛けることで試合の主導権をものにした。前線のプレッシングがかいくぐられても、高いポジションを保つ最終ラインと中盤3列目のMF鍬先祐弥(スポ3=東福岡)が鋭い出足でボールをカットし、順大の攻撃の芽を摘む。また神山が幾度となく鋭い突破を繰り返したことで、左サイドの優位性も確保。多彩な攻撃を繰り広げ、順大ゴールに迫っていく。すると29分、早大が試合を動かす。この日公式戦デビューを飾ったDF西田翔央(商1=東福岡)からのロブパスに加藤が素早く反応し、相手DFより一歩前に抜け出す。迷いなく右足を一閃し、ゴール左隅に突き刺した。
 その後も左サイドの神山を中心にチャンスを創出し、終始早大ペースで試合を進めていく。43分にはペナルティエリア内に侵入した杉田が細かいステップから狙いすましたシュートを放ち、ゴールを脅かした。しかし前半終了間際、加藤が脚を痛め、そのまま前半限りで交代。前線の基点を失い、不穏な空気が漂った。


試合終了後、肩を落とす選手たち

 外池大亮監督(平9社卒=東京・早実)はハーフタイムに「最初の10分間で相手の変化を見極めて、それに対応していこう」と声をかけ、選手たちをピッチに送り出した。前半の戦い方を継続し、徐々に順大の変化に対応することを求めた。しかし中盤の枚数を増やして数的優位を取り戻した順大に対して、早大はハイプレスが機能しなくなり、徐々に重心が後ろに傾いてく。後方からのビルドアップに活路を見出そうにも順大の高い位置からのプレッシングに苦しみ、前半と真逆の立場を強いられた。すると58分、中盤左サイドのFKからオウンゴールで失点を喫し、試合を振り出しに戻される。
 後半の早い時間帯で同点に追いつき攻勢を強める順大に気圧され、さらに後手を踏む早大。「前からプレスに行かなければ、という思いが強すぎてギャップを生んでしまった」(外池監督)。相手エースの旗手をケアしきれず、何度もDFラインの背後を突かれる。69分、裏のスペースに旗手が抜け出し、あわや1対1の状況をつくられるがDF陣が素早く帰陣し、ことなきを得る。1分後には右サイド深くに侵入した旗手からの折り返しを受けたMF長倉幹樹(2年)にシュートを打たれる。早大も75分にスピードのあるFW西堂久俊(スポ1=千葉・市船橋)を投入するが、流れを引き寄せられない。すると84分、耐え続けていた守備がついに決壊してしまう。長倉のロングパスにMF大森真吾(1年)が反応しループシュート。一度はGK笠原駿之介(法4=埼玉・早稲田本庄)が弾くも、こぼれ球を詰められ逆転を許してしまう。結局これが決勝点となってタイムアップ。リーグ戦3連勝を飾ることはできず、リーグ戦では3試合ぶりの敗戦を喫した。

 試合後、外池監督が「ほぼパーフェクトな展開だった」と言うように、前半は終始ペースを握った。前線4選手の連動したハイプレスで相手のビルドアップを封じ、ハーフコートゲームを実現。「これまでやってきたことは間違っていない」(外池監督)という感触を確かにさせる出来だった。しかし後半は順大の変化に対応しきれず、押し込まれた末に逆転を許し敗北。各局面で後手を踏み、試合展開、対戦相手ともに昨年12月の全日本大学選手権準々決勝(●1−2)を彷彿とさせる敗戦となった。前半に見せた『理想』とするサッカーと、後半に見せつけられた『現実』。両方と真摯に向き合って取り組んでいった先に、上位進出の糸口が見えてくるはずだ。


スターティングイレブン

 

(記事 森迫雄介、写真 石井尚紀、堤春嘉、大山遼佳)


早大メンバー
ポジション背番号名前学部学年前所属
GK笠原 駿之介法4埼玉・早大本庄
DF44西田 翔央商1東福岡
DF杉山 耕二スポ3三菱養和SCユース
DF◎3大桃 海斗スポ4新潟・帝京長岡
MF牧野 潤スポ4JFAアカデミー福島
MF34山下 雄大スポ1柏レイソルU18
→59分栗島 健太社4千葉・流通経大柏
MF鍬先 裕弥スポ3東福岡
MF42藤沢 和也商4東京・早実
MF39杉田 将宏スポ2名古屋グランパスU18
→75分33西堂 久俊スポ1千葉・市船橋
MF22神山 皓亮商4栃木・真岡
FW38加藤 拓己スポ2山梨学院
→HT38清水 駿政経3京都橘
◎=キャプテン
監督:外池大亮(平9社卒=東京・早実)
関東大学リーグ戦1部 順位表
順位大学名勝点試合数得点失点得失差
明大2422+17
駒大191314-1
順大1811+4
立正大1721+12
筑波大171512+3
桐蔭横浜大1514+6
法大1410+3
中大1111-2
早大14 -6
10専修大1226-14
11東洋大13-8
12流通経大22-14
※第9節終了時点
コメント

外池大亮監督(平9社卒=東京・早実)

――早慶戦以来の公式戦となりましたが、どのような準備を重ねてきましたか

この3連戦は我々にとって大きなチャンスですし、どうやって乗り切るかというのを大きなテーマに据えていました。そのためにどういう課題に取り組むか、夏場の3連戦という状況下でいかにタフなゲームができるかということをトレーニングにおいても意識していました。

――メンバー選考で何か考えていたことは

きょうの場合は、相手の強力な2トップが縦関係で来るからセンターバックとボランチでそれを見て、逆にもう一人のボランチがチャンスをつくる状況が生まれると思ったので、そこに山下を置いて左サイドから攻めることをテーマにしていました。あとは前線の4人(杉田、神山、藤沢、加藤)がしっかり前からプレッシャーをかけることで、ミドルカウンターというよりはショートカウンターを仕掛けられるようにすることと、相手の最終ラインからのビルドアップの特徴を消すことを狙いにしていたので、前半はほぼパーフェクトな展開でした。

――完璧な前半から一転、後半は立場が真逆の展開を強いられました

順大さんは必ずハーフタイムで修正できるチームだと思っていましたし、そういうことが予想されるよと(声かけはしていました)。まず自分たちが主導権を握られるように、もう一回前からプレスをかけることを、最初の10分間は徹底してやり続けようと。その10分間で相手の変化を見極めて、それに対応していこうと言って送り出しました。しかし最初の10分でなかなか前からプレッシャーをかけられず、後方に下がってしまって相手にボールを持たれている時間が長引いてしまったこと、相手が4―1―4―1に変化したことでうまくはめられない状況が続いてしまった中で不運なかたちで失点してしまい、より後ろ向きの空気になってしまったなと思っています。

――対戦相手も試合展開も、昨年の全日本大学選手権(●1−2)を彷彿させるような試合でした

そうですね、フラッシュバックしました。けれど(順大が)そう来ることは分かってはいたので、(原因は)自分たちが自分たちの理想像を追いすぎたことというか。1点リードしていましたし、うまくいかないなと思った時にはもう少し構えていいのかなと思いましたけれど、学生たちも「前から行かなければ」という思いが強すぎて、それが中央のギャップをつくってしまったと思います。ピッチ内でのコントロールと、グループとしての連携ができていなかったというのが、前半と後半の大きな違いですね。

――DFラインの裏を突かれる場面も目立ちましたが、それもそれぞれのイメージのズレが招いたということですか

DFラインの裏を使われたのも、プレスが甘くなって剥がされてはいけない場所で剥がされたからですし、そういう場面によって相手がスムーズに前進できたシーンが多かった。そうなるとこっちとしても対応や予測がしづらい状況になり、スペースに走られる可能性は高まるので、それを防ぐためにもう少しリトリートするとか、そういったところは全体としてできてもよかったかなと。

――加藤選手という絶対的な収めどころが前半限りでいなくなってしまったのも大きかったのでは

それは当然外で見ている以上に中の選手が感じていることでしょうし、(交代で入った)清水に期待していたことではあるんですけれど、そこは相手に楽だと感じられてしまったというのが現実だと思います。

――リーグ再開初戦は黒星スタートとなりましたが、これからも連戦が続きます。どういう修正を施していきたいですか

やってきたことや積み重ねてきたことは変えられないし、全然間違っているとは思っていないので、自分たちから崩れていかないように、半信半疑にならないように整えていかなければいけないと思いますし、もう一回体と心をリフレッシュして臨みます。

DF西田翔央(商1=東福岡)

――初スタメンでした。試合を振り返っていかがでしたか

前半はチームとしても個人としても、走れて声も出ていい内容でしたが、後半は相手が戦術を変えたりしてきた中でそれに対して対応できなかったのが負けた要因かなと思っています。監督もハーフタイムに後半は相手が変わると言っていたのですが、自分たちで対応できなかったのは悔しいです。

――アシストの場面は振り返っていかがですか

自分が本職はセンターバックなのですが、監督が自分を評価してくれて多くの上級生がいる中でサイドバックをやらせてもらいました。それに責任をもって、ピッチに立つ誰よりも責任をもとうという気持ちがああいう結果につながったのだと思います。個人的には良かったです。

――後半はDFラインの裏を取られてしまう場面も増えました

フォワードとディフェンスで前から奪うのか、後ろで対応するのか、など意思疎通ができていなくて間延びしてしまいました。そこの間で走られてしまうことが多かったですね。

――ご自身のプレーを振り返っていかがでしたか

前半は合格点をあげたいですが、後半は足も声も止まってしまって相手に付け込まれる隙を与えてしまったという点では及第点にはいかなかったかなと思います。課題が残る試合でした。

――次戦への意気込みをお願いします

また自分を使ってくださるのであれば、全力で走ってチームのために体を張って勝利に貢献します。

FW加藤拓己(スポ2=山梨学院)

――2ヶ月ぶりのリーグ戦でしたがいかがでしたか

結果としては勝てなかったですけど、順位的にも相手の方が上でしたしそれに対してこういうサッカーが出来たというのはすごく大きなことだったと思います。多分見ていた方も分かったと思いますが確実に進化しているし、もちろん成長過程の中で結果を残していかないといけないんですけど、それが結局まだ勝ち切れないというのは僕たちの弱みなので、早慶戦だったりアミノ(バイタルカップ)とは違う難しさがあるので、そこはもっともっと、また3日後試合がありますけどそこに向けてもう一回チームで準備していきたいなと思います。

――ご自身のゴールを振り返っていただけますか

相手の選手が結構ロングボールに対してなかなか競りにいかないで一回見るというシーンが多かったので、多分あそこのシーンでも見るんだろうなと思いながらバウンドさせた所で前で、というのはありました。本当にあのペナルティーエリアに入ってからシュートを打つというのは自分自身課題としてありましたし、最近はあそこに入ってからパスしてしまうというシーンが多くて、スタッフの方にも結構そういうところに関しては言われていて、意識していた部分は強かったのであそこで思いっきりシュートをふかさずに打てて良かったなと思います。

――前半での交代でしたが、その点に関してはどのように思われますか

けがというか体の状態を踏まえてのことだったので、僕自身90分戦えなかったというのは本当に不甲斐ないですし、いくらけがとはいえ90分ピッチに立っていなければ意味はないし、結局それでチームが負けてしまっているので。そこはもう一回明々後日の試合に向けて、今よりもベストな状態で臨めるように準備したいなと思います。

――後半ベンチから見ていて感じることはありましたか

中で、相手ももちろん変えてきますしそこにもっと対応していかなきゃいけないという部分もありますし、それをもっともっと選手が主導してやっていかなきゃいけないと思います。もちろん自分が中にいなかったので状況は分からないですけど、結果として2失点して逆転されてしまったという部分で、やっぱりまだまだ弱みはあるなと思うので。ただ逆にそれを改善すれば強みになっていくと思うので、そこに向けて明日あさってとミーティングも踏まえてしっかり練習の中で確認して、次の桐蔭(横浜大)戦で本当に今回の課題を修正できればなと思います。

――連戦が続きますが、ご自身のマネジメントについて、そしてチームとしてどのように戦っていこうと考えていますか

自分としては90分間しっかりと出られる体を作るということと、チームとしては、この前ミーティングで外池さん(外池大亮監督、平9社卒=東京・早実)から、世間で今サッカーも含めスポーツにおいて勝利だけを求めるのはどうなんだ、というような議論があるという話もあったんですけど、もちろんやるからには勝利を目指さないといけないですし、勝つことに意味があるので、チームとして全員がそこに向けてもっともっと集中してやっていきたいなと思います。