昨季はまさかの結果に終わった、早大男子軟式庭球部。「インカレ奪還」を目標にここまでを走り抜けてきた。インカレを目前にした今、4年生たちの思いを聞く。※この取材は7月30日に行われたものです。――ここまで前期を振り返って、どうですか内本 春…

 昨季はまさかの結果に終わった、早大男子軟式庭球部。「インカレ奪還」を目標にここまでを走り抜けてきた。インカレを目前にした今、4年生たちの思いを聞く。

※この取材は7月30日に行われたものです。

――ここまで前期を振り返って、どうですか

内本 春リーグ、東カレでは負けちゃったんですけど、この1年間インカレ奪還というのを目標にやってきて、その目標に向かってみんなちゃんと取り組んでくれているので、今は良い状況だと思います。

 高地合宿から、チームの雰囲気は4年目で1番で良いんじゃないかなというのは感じていて、4年生が人数多いんですけど主将主務中心に引っ張ってくれて、1年生もすごい仕事が大変ななか頑張ってくれているので、チームのまとまりはあるかなという感じはしています。

――ここまで団体戦を戦ってきて、船水選手や安藤選手の抜けた穴というのは、どうですか

内本 まあ確かに技術的にはもちろん去年の方が、レギュラーメンバーは強かったかもしれないですけど、その分、いつも言っているんですけど選手と応援の温度差だったり、選手だけが戦っているというのが去年の方があったんじゃないかなと。もちろん苦しくなった分しっかりまとまりがあって、みんなで戦おうという気持ちができているから、それはそれでプラスの方向にとらえていますね。

 僕はめちゃくちゃ感じていますね。去年長尾・松本と、船水・上松、安藤・内田で出てて、船水・上松と内本・上松比べても差はないですし、勝ってくれるという感じはあるんですけど、優作さんから僕に変わったことが不安、申し訳なさしかないんで、そこはできるだけカバーできるようにインカレでは頑張りたいなと思っているんですけど。(笑)

――内本選手は、主将としてどういったチーム作りを目指してきましたか

内本 まずやっぱりチームとしてまとまりというか、協調性が無かったら勝てないと思うので、そこでみんな同じ目標に向かって取りくめるチームを作ろうというのと、夏の大会とか暑いですし、ソフトテニスという競技はどれだけ練習しても試合自体はすぐ終わってしまうので、その試合の一瞬で力を出せるような取り組みというか、勢いのあるチーム作りをしようとやってきました。

――因選手は、去年の対談で、今後を期待する選手として全員から名前が上がりましたが

 (笑)。その記事は読ませてもらって、優作さんとかにも理玖と頑張れと言ってもらって。正直苦しい部分もありますけど、個人的に主務の川村とかはプライベートとかも仲良くしていて、主務のすごい苦しいところが見えたりとか、主将の真面目に部活に取り組む姿に驚いたりして、ほかの4年生も頑張らないといけないなと思って、少しでもチームの士気を上げられように頑張っています。

――いまの4年生の雰囲気はどうですか

内本 もともとみんな優しくて言い合いとかなかったんですけど、東カレで負けて、一度ミーティングしようってなって、その時に僕が後輩よりかは4年生に厳しく言っちゃうんですけど、そこで本音をぶつけることで、取り組みは変わったかなと、ほかの4年生も練習でも頑張ってくれているので、あのミーティングは良かったかなと思います。

 うっちーも言うように、優しい人が多くて、なかなか強く意見を言ったりする人はあまりいないですけど、その分、多分きっと後輩からは慕われている学年じゃないかと思っているんで、そこでチームのまとまりは作りやすくなっていると思うので、そこは長所としてのこしつつメリハリつけてインカレまでもう少しですけど、練習の雰囲気は4年生が作っていくと思うので頑張っていきたいですね。

――今後、期待している選手とかいますか

内本 前衛が強いのが二人いるというのもあるんですけど、僕は水木、山根とか。とくに山根には頑張ってほしいかなと思います。技術はあるんですけど、上手いんですけど、ペアリングとか納得いくようなペアではないかもしれないので、来年からは内田とか上松とかとチームを引っ張っていくような存在になってくれたらと思います。

 高倉、水木ですかね。和毅は1年生のころリーグでシングルス頑張ってくれて、水木もこないだ頑張ってくれて、王座の時もあの二人が頑張ってくれて。シングルスって結構ひとりで苦しいと思うんですけど、あいつらの団体のシングルス本当に盛り上がって、次出るダブルスとかすごく元気づけられる試合してくれるので、今後どっちがシングルスでダブルになるか分からないですけど、切磋琢磨して頑張ってほしいなと思います。

――普段の皆さんはどういった感じなんですか

内本 まあでも、プライベートではみんな仲ええよな。4年生とかでご飯行ったり、練習以外で遊んだりというのはプライベートの時間けっこう多いので、そこの部分でも部活の話とかできたり、本音を言い合える仲だと思うので、そういう面ではプライベートの時間もいいかなと思います。逆に言うと緩くなってしまう部分もあるので、自分たちで締めていければと思います。

 僕はあんまり遊ばないですね。(笑)家でけっこう一人でいますね。でもさっきも言ったように川村とかとは仲良くて、1年生のころから遊んだりしているので。それで主務の仕事がすごい大変だなってわかって、こんなに頑張ってくれている主務がいて、キャプテンがいて、やっぱインカレとれば、主務主将が持ち上げられるし、達成感もあると思うので、あれだけ頑張ってくれているのなら勝ちたいなという気持ちはそこから芽生えているので、そんな感じですかね。(笑)

――内本選手は、川村主務には何か思っていることありますか

内本練習も時々入れないくらい仕事して、いつも大変というのは見ればわかるんですけど、僕も虎大とは飲みに行ったりして、チーム状況については話し合ったりするんですけど本当にチームのことを強く考えてくれているので、僕も川村のために優勝したいなという気持ちがあります。

――試合会場とかで船水選手や、安藤選手に声はかけてもらったりするんですか

内本 船水さんはいつも来てもらっているんで、逆にそこは気を遣って何も言わないという風にしてもらっているのかもしれないですけど。でも多分あの人たちも、思ってくれていることはあると思うので。去年負けて悔しい思いしているので、その分先輩たちの分も頑張ろうと思います。

 安藤さんは会場で会ったりとか話しかけに来てくださって、結構フラットな感じで。テニスのことをそんなに話したりするわけではないんですけど懐かしいなとか思ったり、逆に悔しい思い出がフラッシュバックして気が引き締まる思いはします。船水さんは結構練習来てくださって、僕はプレー面を教えてもらったりしているところがあるので感謝しています。

――ここからインカレに関連したお話をお聞きしていこうと思います。まずお互いのペアについての印象はどうですか

内本 まあ本当に頼りになりますね。上松も3年生で僕たちが抜けたときに引っ張っていく立場なので、プレー面以外でもしっかりしてほしいとうのは伝えていて、試合の時のガッツだったりとか、まだもうちょっと頑張ってほしいなという気持ちはありますね。頑張れるというのは分かっているので。

 試合でいつも助けられているので僕も内田には感謝しかなくて、普段から頑張ってくれているので不満とかはないですけど、まあ内田も上級生になるんで、誰がキャプテンでどうなるかはわからないですけど引っ張っていかなきゃならない存在になると思うので今まで以上に苦しくなると思いますけど、あいつならできると思うので、これからも頑張ってほしいなと思いますね。

「インカレ奪還を目指して、この1年間やってきた」(内本)


熱い思いを語る内本

――長尾・松本ペアに対してはどういう印象がありますか

内本 長尾・松本が負けてしまえば仕方ないなというのがチーム内にあると思うんですけど、そこは頼りすぎても背負っているものを長尾・松本も感じてプレッシャーになってしまうと思うので、そこはなんとか僕と因で勝って、少しでも助けていきたいです。

 僕は秋リーグから4番目で団体戦出させてもらって、5番目に長尾・松本が入って。そうすると安心感があって、2-1で回ってきても最悪5番勝負でも大丈夫という気持ちで気楽に試合できたりとか、1-2で回ったきたときは苦しいですけど回せば何とかなるという風に、後ろに彼らがいるということでポジティブに試合ができるということで感謝しているんですけど、頼りすぎてはいけないと思っていて、インカレはきつい試合になると思うので、誰が何番で出るか分からないですけど一次戦で決着つけたいなと思います。

――去年のインカレを振り返って、どうですか

内本 その時は茫然としていて、まさか負けるとはというのがあったんですけど、負けてから気づくことが多くて、4年生が悔しがっている姿を見て僕のなかに絶対奪還しようという気持ちが芽生えました。先輩たちの分も僕らが奪還して喜べたらいいなと思っています。

 正直本当に負けると思っていなくて、連覇がかかっていてて、失礼かもしれないですけど、らしくないプレートとかが結構あって。それが4年生で出るインカレの重みなんだなというのを肌で感じて、言葉に詰まるくらい僕らも悔しくて、その時僕らがでたらどうなるんだろうとか想像してこのままじゃだめだと思ってそこから意識を変えて練習してきました。今年の僕があるのは、去年の負けがあるからというのはあるので、そこは絶対奪還して恩返しじゃないですけど、感謝の気持ちを伝えたいです。

「恩返しを」(因)


昨年のインカレを振り返る因

――インカレ奪還へのカギとなるものや、マークしている大学とかはありますか

内本 去年負けた日体とは準決勝で当たる予定だったと思うんでですけど、勢いがあるチームなので、チーム一丸となって勢いに負けずに向かっていく気持ちで日体を倒して、決勝で多分明治が上がってくると思うので、春リークも東カレも負けているのでそこでなんとかリベンジできたらなと思いますね。

 僕自身はどこの大学がというよりも、自分自身がしっかりしないとだめだなと思っていて、何番に出るかはわからないですけど、1番に出る可能性は高いと思うので、1番で勝てるかどうかは結構流れも変わってくると思いますし1番目勝てれば内本とかが後ろにいて安心できるので僕が一発目で出れば、絶対に勝ってあとに回したいなと思います。

――インカレ目前にして現在の仕上がり具合はどうですか

内本 インカレ前ということでピリピリしてうまくいかないことも多いかと思うんですけど、試合前に良くても試合でも良いとは限らないので、そこはプラスに考えて試合に向けてしっかり調整していきたいなと思います。

 あんまり試合前に調子よくても逆に不安になってたりするんで、ただモチベーションは上がってきていますし、これから事前合宿入るので、始まれば選手も応援もみんなでモチベーションあげて、良い雰囲気で練習できるので事前合宿が楽しみではあります。

――最後にインカレへの意気込みをお願いします。

内本 去年悔しい思いをして、1年間インカレ奪還しようという思いで取り組んできて、どこのチームよりも日本一にふさわしい取り組みをしてきたと思いますし、インカレ奪還という思いはどこよりも強いと思うので、その思いをぶつけて絶対に奪還しようと思います。

 僕は今年が初めてのインカレになるんですけど、ますは楽しんで、でも気持ちだけは絶対に負けないで優勝して終わりたいなと思っています。

――ありがとうございました!

(取材・編集 河合智史)


チーム一丸となってインカレ奪還へ

◆因京将(ちなみ・きょうすけ)(※写真左)

1997年(平9)12月26日生まれ。身長180センチ。石川・能登高出身。スポーツ科学部4年。

◆内本隆文(うちもと・たかふみ)(※写真右)

1998年(平10)2月18日生まれ。身長171センチ。大阪・上宮高出身。スポーツ科学部4年。