FINAワールドカップ東京大会2日目は、早大勢からは4人が出場した。その中で幌村尚(スポ3=兵庫・西脇工)が男子200メートルバタフライで決勝に進出すると、今季のベストタイムをマークし優勝。復調をうかがわせる泳ぎを見せた。★復調見せた!幌…

 FINAワールドカップ東京大会2日目は、早大勢からは4人が出場した。その中で幌村尚(スポ3=兵庫・西脇工)が男子200メートルバタフライで決勝に進出すると、今季のベストタイムをマークし優勝。復調をうかがわせる泳ぎを見せた。

★復調見せた!幌村が200バタでV


表彰式後、笑顔で写真撮影に応じる幌村

 幌村が男子50メートル背泳ぎと男子200メートルバタフライに出場し、男子200メートルバタフライでは決勝に進出。夕方の決勝では後半からの追い上げが光り、見事金メダルを勝ち取った。タイムはシーズンベストの1分55秒25をマーク。一カ月後に控える日本学生選手権(インカレ)での活躍を予感させる泳ぎを見せた。
 泳ぎを崩してしまい、春の大会では世界選手権の代表を逃した幌村。徐々に調子を取り戻しつつある中で、今大会に臨んだ。最後の折り返し時点までは2位をキープすると、日本選手権では失速したラスト50メートルで追い上げ、首位に立つ。そのまま後続の追従を許さず、1位でフィニッシュ。今年の派遣標準記録を上回る好タイムで、優勝をつかんだ。
 肩の痛みが完全には癒えていない中でも、納得のいくタイムが出せたという今大会。ここまでの道のりは険しかった。初優勝した昨年の日本選手権後は思うようにタイムが伸ばせず、「水泳が嫌になったことも結構あった」と振り返る。順調に成績を残してきた幌村が、初めて味わった大きな挫折だった。しかし、周りの人からの支えや励ましのおかげで乗り越えてきたという。けがと向き合い、つかみ取った金メダル。一回り大きく成長した幌村のインカレ、そして2020年の活躍に期待したい。

(記事 西山綾乃、写真 林夏帆)

結果

◇決勝

男子200メートルバタフライ

幌村尚 1分55秒25【1位】

◇タイム決勝

男子1500メートル自由形

古畑海生 15分39秒67【11位】

女子400メートル個人メドレー

佐々木杏奈 4分53秒52【15位】

◇予選

男子50メートル背泳ぎ

幌村尚 26秒85【30位】

男子200メートルバタフライ

幌村尚 1分57秒27【1位】

女子100メートル平泳ぎ

浅羽栞 1分10秒23【18位】


コメント

決勝進出者

幌村尚(スポ3=兵庫・西脇工)※囲み取材より抜粋

――レース後には安堵の表情も見られましたが、1分55秒25というタイムについてはいかがですか

ここ最近で一番いいタイムを出して、派遣記録を突破したので、すごく安心できたかなと思います。

――肩のけがなどで苦しい時期もあったと思いますが、ここまで復調してきた要因は何だと考えられますか

いろいろな人の支えもあって、自分自身が大きく成長できた時期だったのではないかなと思います。

――先日の世界選手権では、この種目で瀬戸大也選手(平29スポ卒=現ANA)が銀メダルを獲得しました。それについてはどのように感じられましたか

本当は自分もあの舞台で泳ぎたくて、でも日本選手権ではいい泳ぎができなくて、結局テレビで見るかたちになったのはすごく悔しかったです。ですが、瀬戸選手が世界の舞台でメダルを取っているのを見て、自分ももっと頑張らないといけないなと思いました。

――この結果を受けて、来年の東京五輪に向けてはいかがですか

まだこのタイムでは世界と戦えなくて、代表権も危ないと思うので、これからもっと練習して自己ベストも更新できるように一歩一歩頑張っていきたいと思います。

タイム決勝後

古畑海生(スポ2=兵庫・市川)

――今のレースを振り返っていかがですか

前半の500メートルくらいはいい感じで自分の中で泳げていましたが、800メートルを過ぎたあたりから少し苦しくなって、あまり粘れていなかったのが良くないと思いました。

――タイムが15分39秒台と先週と同じくらいでしたが、いかがでしたか

狙っていたタイムは15分30秒前後くらいだったので、少し悔しいです。

――泳いでみて感覚はいかがでしたか

先週よりは良くなっていましたが、疲労がある中でももう少しいいタイムが狙えたかなと思います。

――先ほどの質問で800メートル時点で苦しくなったとおっしゃっていましたが、原因は何だと考えられますか

いつもより気持ちキックを強く打っていたので。そこが後半ばてた原因になったのではないかなと思います。

――隣のレーンと競っていた印象がありましたが、いかがでしたか

隣の0コースと2コースの人には勝ちたいなと思っていましたが、後半ですごく離されてしまったので、そこがすごく残念でした。

――今後のレースプランをお聞きしてもよろしいでしょうか

今シーズンずっと最後まで粘れていないことが多かったので、インカレまでにそこを修正して粘れるようにしたいです。

――インカレに向けて強化したいことはありますか

身体的な部分もですが、やはり精神的な部分で足りないことが多いと思うので、インカレに向けて合わせていきたいです。

――どういうところが精神的な部分で足りないと思われますか

隣に追いつかれたときにもう少し精神的に強くなれば諦めずに付いていけると思うので、そこを強化したいです。

佐々木杏奈(スポ1=神奈川・日大藤沢)

――どのような位置付けでこの大会には臨まれましたか

7月の大会に全く出ずに、ここでどれくらい力が戻っているかというのを試すためのレースとして(臨みました)。インカレ(日本学生選手権)に向けて少しでも勢いのあるレースができるようにというのを、モチベーションにやってきました。

――今のレースで良かった点はありますか

タイム的には全くいいところがないといっても過言ではないくらい、なかなか最近はいいレースができていませんが、オープン(ジャパンオープン)が終わってから自分の気持ちがうまくつくれなくて、ただ練習を頑張って、レースになると不安になってしまうというのがあったので、このレースではそういう不安を少しでもなくして今までやってきた自分を信じながら、レースを楽しむという点では、今年度に入って初めて少し楽しめながらできたレースだったかなと思います。

――インカレに向けて、強化していきたいポイントはありますか

「頑張っているのに何でタイムが出ないんだろう」と自分でも思うし、周りの人にも「頑張っているから大丈夫だよ」と言ってもらえている部分があるので、そうやって見てくれている人の期待に応えられるようなレースがしたいというのと、インカレは個人レースではなくチームのために戦うものだと思うので、少しでも貢献できるように頑張っていきたいと思います。

予選後

幌村尚(スポ3=兵庫・西脇工)※囲み取材より抜粋

――男子200メートルバタフライ予選を泳いでみていかがですか

2バタ(男子200メートルバタフライ)を泳ぐのは3週間ぶりぐらいで、残す大会はインカレ(日本学生選手権)ぐらいしかなく、インカレ前最後の2バタでした。予選は結構気持ち良く泳げて、練習もいい感じのものを積めているので、決勝(進出)は多分大丈夫だと思います。ユニバ(ユニバーシアード)よりは速いタイムで泳ぎたいと思います。

――ユニバーシアードはいかがでしたか

順位とタイムは狙っていたものとは違いましたが、今シーズンで一番速いタイムを出せて、タイムはまだまだですが頑張るきっかけとなる試合だったと思います。

――肩を含め、動きに問題はありませんか

だいぶ気にならなくなっていて、あとは泳ぎを改善するだけかなと思います。

――世界選手権は見ていていかがでしたか

世界で戦う人はすごいなと思いました。自分もあの舞台で戦いたいと思います。自分はまだまだかなと。

浅羽栞(スポ1=東京・八王子学園八王子)

――きょうのレースを振り返っていかがですか

昨日からあまりうまく泳げなくて、その中でもタイムを落としてしまったのは良くなかったかなと思います。

――きょうはどのようなレースプランで臨まれましたか

この後のインカレにつなげられるような何かを得られたらいいなと思って泳ぎました。

――レースの前半と後半の具体的なプランはありましたか

なるべく後半のタイムを落とさないように泳ごうと思っていました。

――今回のタイムをどのように受け止めていますか

良いときは200メートルでこのくらいで入れるんですけど、まだまだスピードが足りないかなと思っています。

――きょう泳いでみた時の感覚はいかがでしたか

感覚はいまいちうまくつかめなかったんですけれど、何か悪い時にこそキックをもう少し強化していかなければいけないなと思いました。

――今後のレースプランは考えられていますか

200メートル(平泳ぎ)をメインにしているので、200メートルで派遣記録を突破できるような前半につなげられるようにしたいと思います。

――インカレに向けて強化したいポイントはありますか

もう少しスピードを付けて、200の中で前半から攻めていけるようなレースができればいいなと思います。