文=佐保めぐみ 写真=FIBA.com

「細かいところが一歩及ばず、その積み重ねだった」

バスケットボールU19日本代表は、初のメダル獲得を目標に大会に挑んだワールドカップをベスト8で大会を終えた。

日本よりも高さとパワーを兼ね備えたチームを相手に苦戦が続いたが、それでも世界の8強は誇れる成果。その大会で、日本を何度も救う働きを見せたのが日本のエース、東藤なな子だった。今大会すべての試合に先発出場した東藤は、チームでトップとなる平均12.3得点と4.9リバウンドの活躍を見せた。

「結果としてはメダルに届かなかったんですけど、チームで毎試合ごとに課題を見つけて、それを克服しながらやりました。チームとしても一つずつレベルアップをしたと思います」と東藤が言うように、試合内容を見るとリバウンドであったり、インサイドのディフェンスのカバーなど、前の試合でできなかったことを次の試合で修正している姿があった。

接戦には持ち込んでも勝ちきれない試合を続けてしまったことに「ルーズボールやディフェンスの一歩、本当に細かいところが一歩及ばず、その積み重ねだった」と、東藤は敗因を語った。

「見つかった課題を自分のレベルアップに繋げたい」

それでも「自分の得意とするドライブが世界を相手にどこまで通用するかが分かったので、すごく収穫のある大会でした」との言葉通り、悪い流れを断ち切るドライブは、試合全体に影響を与える力があった。

「自分の役割はドライブで点を取ることと、しっかりディフェンスをすることだと決めていた」と言う東藤は、身長174cmの身体で180cm台後半のサイズが当たり前の世界のインサイドに割って入り、そのままシュートを狙った。何度か止められればフィニッシュまで行くことをあきらめ、パスを回してもおかしくない。それでも「スピードだけは負けないと思っていて、スピードを生かしたドライブには自信がありました」と、臆すことなく攻め続けた。

この攻め気の強さ、それを継続できるメンタルの持ちようは日本人選手にはなかなかないもの。本人は、昨シーズンのNBA優勝の立役者、カワイ・レナードにプレースタイルが似ていると周囲に言われたことがあり、そこからレナードのプレーを意識してみるようになったそうだ。「確かに似ていると思いました」と話す東藤だが、「ディフェンスも頑張る選手なので、目標にしています」と、あくまで攻守両面で貢献できる2ウェイプレーヤーとしての面に注目している。

当然ながら、結果は別としてワールドカップの舞台で7試合を戦った経験は貴重なもの。このレベルで通用する部分、通用しない部分が明確になったことが、東藤にとっては新たなモチベーションとなる。「相手のブロックがすごかったので、自分がドライブに行くだけではなくてパスもさばいて、ディフェンスを見てもっとボールを回せる選手になりたい。課題がたくさん見つかったので、それを自分のレベルアップに繋げて、世界で戦えるように練習を頑張りたいです」

大会前に「チームの要になりたい」と抱負を語った東藤は、試合を重ねるごとに成長し、実際にエースとしての重責を果たしてチームを牽引した。この経験を生かした成果を見せる舞台は、トヨタ紡織サンシャインラビッツの一員として戦うWリーグか、はたまたA代表か。強気、全力のプレーがどのようにレベルアップしていくのか、東藤の今後に注目したい。