選挙の開票特番こそ生放送の醍醐味といえます。当落の喜怒哀楽や、先の読めないヒリヒリした空気が全て内包されているからです…

 選挙の開票特番こそ生放送の醍醐味といえます。当落の喜怒哀楽や、先の読めないヒリヒリした空気が全て内包されているからです。いくら台本を用意しても、決してその通りにいかない。ゆえに出演者の人間性がストレートに表出するのです。

ネット上で炎上、謝罪に追い込まれる事態に…


 若槻千夏さんといえば10代からグラビアアイドルやタレントとして活躍。バラエティー番組におけるコメント力には定評があり、現在は子育て中ということもあって、ママさん視点からの的確な発言は常に共感を呼んでいました。

 しかし参院選の開票が行われた7月21日の夜、日テレ系の番組で特集された「教員時間外対応」の問題について発言したところ、ネット上で炎上、謝罪に追い込まれる事態となったのです。

 番組では小学校や中学校で教員が不足していることから、一人の教員に仕事が集中し、帰宅後の時間も削って対応するなどの現状が紹介されました。若槻さんは、小学校の先生が負担減のために勤務時間外の午後6時以降は電話に出ないなどの対策を取っている点に言及して、斬り込みました。

 「何かあったらどうするんですか。もし子どもが帰ってくるのが遅くなって心配になって、見つからない時に学校に電話をするのが親だと思います。それにも対応してくれないってことですか」

 昭和の時代だったら普通の疑問かもしれません。TBS系の名作ドラマ「3年B組金八先生」や「スクールウォーズ」に代表されるように、教師たるもの24時間いつでも体当たりで熱血指導に取り組むべし-。確かにそれが美徳とされた時代はありました。

 しかし、時代は令和です。教師の過労が問題となり、モンスターペアレンツの存在もあって、優秀な学生が教職を避ける傾向も高まっているとされます。それなりの人材が教師にならなければ、教育の現場はさらに痩せ細ってしまう。教員の「働き方改革」も大きな社会問題になっているのです。

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ノーモア炎上!ツイッター生徒から教師のココロとカラダを守れ(https://cocokara-next.com/stress/protect-the-heart-and-body-of-teachers/)

真摯に反省し、真っ正面から対応

 案の定、若槻さんの発言に、SNS上では非難の声が沸き上がりました。すると若槻さんは翌日、自身のインスタグラムにこう投稿します。

 「この度は、自分の発言により、先生や先生に関わる方々、また視聴者の皆様に大変不快な思いをさせてしまう内容に至ってしまいました。軽はずみな発言を反省しています」

 「私の発言の意図は、『先生の負担を増やしたい』『先生に過重労働をして欲しい』『先生に自分の子供の責任をおしつける』という意味では全くございません」

 「毎日ご一緒する先生方との繋がりが、子供達や保護者にとっての安心のよりどころになっている事もあり、そこをきっぱり割り切ってしまわれるというお話に対して、一個人として、悲しさを覚えてしまったのは事実です」

 「ただ、このような発言が、過重労働で大変な思いをされている先生方の心や身体の負担に繋がり、そのようなプレッシャーから先生になりたい方が減少してしまうという日本の『教師』という職業の現実問題と大変さを改めて痛感しました」

 すると、「失敗から学ぼうとする姿勢が立派」「子供を思う姿勢も伝わってきたし、先生の立場を慮るところも共感できる」などと潔い姿勢を評価する声が相次ぐ一方で「教師もプライベートを充実させて幸せになる権利があることを認めて欲しい」との意見も散見されました。

 今回の若槻さんの炎上劇を通じて、教師の時間外労働問題や業務過多があらためて広く世間にフォーカスされ、議論されたことは、十分な意義のあることだったとも言えます。

 比較的、穏やかにこの話が収束していった背景にあるのは、若槻さんが取り繕うことなく真摯に反省し、真っ正面から対応した点です。「言い訳は進歩の敵」とも言われますが、自身の非を認め、教員の大変さに思いを致したところは、炎上の「消火活動」としては一定の評価が出来るものでしょう。

 人間の本質は成功時ではなく、失敗時にこそ現れると言われます。やらかした時こそ、その場から逃げることなく素直に過ちを認め、頭を下げた上で前に進む。今回の騒動における若槻さんの立ち居振る舞いから、我々も学んでいきたいものです。

 そして日本全国の教育の現場で奮闘を続ける先生方のココロとカラダが、常に健康でありますように。先生方が元気ハツラツでなければ、子供達に生きることの喜びを伝える事なんて、できないでしょうから。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]