文=鈴木健一郎 写真=バスケット・カウント編集部「高いレベルで練習できているのがうれしい」ワールドカップに向けて始動したバスケットボール日本代表は、名古屋で第4次強化合宿を行っている。ここから八村塁と渡邊雄太の『海外組』が合流し、チーム作り…

文=鈴木健一郎 写真=バスケット・カウント編集部

「高いレベルで練習できているのがうれしい」

ワールドカップに向けて始動したバスケットボール日本代表は、名古屋で第4次強化合宿を行っている。ここから八村塁と渡邊雄太の『海外組』が合流し、チーム作りは本格化した。

今日、メディア向けに公開された練習では、どのメニューでも積極的に声を出し、チームを盛り上げようとする八村の姿が見られた。八村はまだ21歳と代表候補16選手の中でも3番目に若いが、声を出して練習の雰囲気を盛り上げ、チームを引っ張る姿勢を見せている。

「ずっと練習があまりできていなかったので、またコートに戻ることができてうれしいですし、こういうすごいメンバーで毎日切磋琢磨して、高いレベルで練習できているのがうれしいです」

「今はニック(ファジーカス)とか雄太さんだけじゃなく、お互いに話し合ってコミュニケーションを結構取っています。ニックもずっとプロでやってきている先輩なので、相手がどんな感じなのか、どう考えてくるかを聞いて、僕がどれだけアグレッシブに行かないといけないかとか、このチームのために、ということを言われました」

「今回は歴代でも一番良い選手が集まっていると思う」

もちろん、プレーでチームを引っ張る覚悟もできている。5対5の練習でも、八村の動きはやはり群を抜いており、ドライブでゴール下に飛び込む迫力は他のチームメートを圧倒するもの。相手は八村のドライブを最大限に警戒しているにもかかわらず、ヌッと上体を入れてそのままリングにダイブし、高確率でシュートを沈めていく八村のプレー一つひとつが、「これがNBAか」と報道陣をうならせるに十分なものだった。

8月の国際親善試合、そしてワールドカップと続く強豪国との対戦に向けて、八村はこう語る。「今は始まったばかりですが、チームもすごく良い状態というか、激しく毎日やっています。そういう国とどう戦うか楽しみです。今回は歴代でも一番良い選手が集まっているんじゃないかと僕は思うし、そう言われてもいるので、世界とどれだけ戦えるか楽しみにしています」

アジア予選でも見せたとおり、世界を相手に回してもインサイドで戦うことのできる八村は、日本代表にとって強力な武器となる。ファジーカスと渡邊も含めた『ビッグ3』の揃い踏みが大きな可能性を秘めているのは間違いない。ただ、強力な選手が揃っても、チームとして噛み合うための連携の構築は欠かせない。そのための重要な練習で、当然のようにリーダーシップを取る八村の姿は頼もしい限りだ。