剣道のインターハイは、8月3日に熊本県で開会式が行われ、6日の閉会式まで熱戦が繰り広げられる。 ■技だけではなく礼儀を競うスポーツ 剣道は「人間形成を目指す武道」だといわれる。単に相手と技を競い合うだけでなく、礼儀作法が重視されており、相手…

剣道のインターハイは、8月3日に熊本県で開会式が行われ、6日の閉会式まで熱戦が繰り広げられる。

■技だけではなく礼儀を競うスポーツ

剣道は「人間形成を目指す武道」だといわれる。単に相手と技を競い合うだけでなく、礼儀作法が重視されており、相手を敬う礼法指導が要点となっている。ルールは有効打突を決めた方が勝者となる。有効打突は、充実した気勢、適正な姿勢をもって、竹刀の打突部で打突部位(面・小手・胴)を刃筋正しく打突し、残心あるものとする。勝敗の決定は、3本勝負が原則で試合時間内に2本先取した方が勝者となる。

■剣道の強豪校・九州学院高校について

九州学院高校剣道部は、剣道を通しての「人間形成」と「日本一」を目標に、中高合わせて男子部員42名で毎日活動している。全国選抜剣道大会で7連覇、県高校総体では2019年まで男子団体部門15連覇を達成するなど、日本屈指の剣道強豪校である。米田敏郎監督は「日頃の生活態度が試合で一番苦しい時に出てくる。絶対に忘れないように」と、常日頃から部員たちに言い聞かせている。

※練習後に精神統一をする部員たち

今回お話を伺ったのは、男子団体部門(5人)に出場する2年生・3年生の選手たちと、男子個人部門に出場する3年生選手たち。

「監督からは、剣道だけではなく日頃の生活からきちんとするようにご指導いただいている」

※2年生の荒木選手。

「剣道において大事なことは技術だけでなく精神面」

※2年生の平尾選手。

「剣道は1人ではできない。相手のことを考えるだけでなく、相手の考えを読むことが勝利に繋がる」

※2年生の鈴木選手。

「昨年のインターハイ優勝は先輩たちが成し遂げたもの。連覇については考えず、あくまでも自分たちの代が優勝できるか」

※3年生の米田選手。父は米田敏郎監督

「剣道は相手ありきの競技なので、相手に勝つことだけに意識を集中させている」

※3年生の相馬選手。

「団体戦において重要なのは、出場する5人の気が相手よりも勝っていること。気持ちを一つに戦えるかどうか」

※3年生の岩間選手。

「上に行くほど、選手同士の技量の差がなくなる。最後に勝負を決めるのは、自分がやってきたことを信じられるか」

※3年生の本間選手。

「挨拶や身の回りの整理整頓をきちんとやることも、最終的には剣道の鍛錬に繋がっている」

※3年生の山平選手。

選手たちの話に共通していたのは、「相手のことを考えること」と「日頃の生活態度」だ。剣道は1人ではできない。対戦相手に感謝し、その考えを読み取って先手を打ち勝利する。互角の相手との勝敗を決するのは技量ではなく、自分がやってきたことを信じられるかどうか。そして、人間は窮地に立たされた時、日頃の生活態度や蓄積されたものが出る。だからこそ、日頃から生活に気を配ることも重要だ。そういった先人たちの教えを踏襲した“侍たち”が、まさにそこにいた。

■現代の“侍たち”の活躍に注目!

技を磨くだけではなく、礼儀作法や相手への敬意も学ぶ日本独自の競技・剣道。気と気がぶつかり合う試合は、思わず息を飲んでしまうほどの迫力がある。相手を重んじ、日頃すら鍛錬の一環として過ごす “侍たち”の姿に注目したい。