文=鈴木栄一 写真=鈴木栄一、野口岳彦

「自分がプレーで『できるんだ』と見せる」

7月30日、バスケットボール男子代表は9月のワールドカップに向けた16名の候補選手を発表した。富樫勇樹の故障離脱という残念なニュースはあったにせよ、日本バスケ界史上最高の呼び声高いメンバーが揃っているのは間違いない。その中でも大黒柱として期待されるのが八村塁だ。

八村自身もこの期待を大いに自覚している。「年下になりますけど、その中でもリーダーシップをプレーで見せていきたい。僕の持ち味を出してオフェンス、ディフェンスにリバウンドといろいろなところでチームを助けていきたいです」

こう意識するのはNCAAの強豪ゴンザガ大学でエースとして、全米ランキング1位のチームを牽引。今年のNBAドラフト全体9位指名など、これまで日本人選手が誰も成し遂げてこなかった道のりを開拓してきたことに手応えを得ているからだ。

「今まで先輩たちがしてこなかった経験を持っていると思います。そういうところでも日本のバスケットのためにやるのが僕の責任。自分がプレーで世界の強豪相手にもできるんだと見せることで、他の選手たちもついてきてくれるようにしていきたいです」と、背中で引っ張るリーダーとしての意欲を見せる。

今年のNBAドラフトからの取り上げられ方が示すように、八村の知名度は世界規模であり、ワールドカップでもアメリカを筆頭として国際メディアからも大きな脚光を浴びるだろう。

だが、八村は己だけでなく、日本がチームとして世界の注目を集められる力を持っていると信じている。その一つの理由として今夏、NBAサマーリーグで八村、渡邊雄太、馬場雄大、比江島慎がプレーした点に言及する。「サマーリーグでは4名の日本人選手がプレーしました。今までは毎年1人いるか、いないか。そこはもっと注目してほしい。そういうところでも今、日本バスケ界が一番来ている時だと思います」

「ハッスルのところ、ルーズボールでは絶対負けない」

「富樫君がケガをしてしまったので残念ですけど、このメンバーで揃ってやることは楽しみで、ワールドカップに出ることは目標でした」と語り、本大会で結果を出すための鍵となるポイントをこう語る。「日本は体格では負けていると思いますが、その中でもハッスルのところとか、ルーズボールでは絶対負けない。リバウンドで身長が小さくても取れるようにしなきゃいけない。他にも頭を使った良いプレーができればと思います」

頭を使ったプレーは、相互理解を高めしっかり意思の疎通が取れることでより効力を発揮する。個々のスキルアップに加え、今回が代表では初の揃い踏みとなる八村、渡邊、ニック・ファジーカスのコンビネーションをワールドカップ本番までにどこまで高められるのか。8月中旬に行われる一連の国際強化試合では、このような部分でも注目したい。

それと同時に、大黒柱としての自覚と責任を持った八村が、どのようなリーダーシップを発揮するか。もとより本人に遠慮するつもりはない。力強くチームを引っ張る八村の姿に期待したい。