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18500名収容のアリーナを中心とした複合型施設に

クリッパーズが発表したのはカワイ・レナードとポール・ジョージの加入だけではなかった。2年前に噂になった自前の新アリーナ建設は着々と進められており、その計画が正式発表されるに至ったのだ。

現在使用するステイプルズ・センターはロサンゼルスのダウンタウンという最高の立地にあるが、同じNBAのライバルであるレイカーズを始め、NHLやWNBAのチームも本拠地として使い、他のイベントでの使用も多い。自分たちのホームとは言っても、使える権利は極めて限定されており、ネーミングライツ、イベントなどを開催する際の施設運営権、その他収入の権限はオーナーががっちりと握っていた。

新アリーナの場所はイングルウッド。ロサンゼルス国際空港のすぐ隣のエリアだ。1999年まではここにあったザ・フォーラムをレイカーズがホームアリーナとしていたが、ステイプルズ・センターの完成とともに移転。その20年後に、NBAチームが戻って来る発表がなされたことになる。もともとこのエリアは治安が悪いことで有名だったが、今では大幅に改善されている。イングルウッドの市長は「クリッパーズの存在が街にプライドを与えて、街を活気づかせる」と歓迎のコメントを発表している。

『クリッパーズ・アリーナ・イングルウッド』と仮の名称が付けられたこのアリーナは、試合会場だけでなくクラブオフィス、チームの練習場、ショップや駐車場を含む複合型施設となる。収容人数は18500名となる予定。

アメリカで最も華やかな都市であるロサンゼルスを本拠地とするNBAチームはレイカーズとクリッパーズ。ライバルと比べて歴史が浅いこと、優勝回数が少ないことで『格下』と見られてきたクリッパーズだが、近年の成績ではむしろ上回っている。昨シーズンも、レブロン・ジェームズを迎え入れたレイカーズは早々にプレーオフ進出をあきらめたが、西カンファレンスの最後の枠をもぎ取りプレーオフへと駒を進めたのはクリッパーズだった。

オフの動きも、アンソニー・デイビスを獲得したまではレイカーズが主役だったが、そのレイカーズ行きが濃厚と見られていたカワイ・レナードをかっさらい、さらにはポール・ジョージまで獲得することでクリッパーズがスポットライトを浴びている。

もっとも、クリッパーズが『格下』のレッテルを引きはがすには、やはりNBA優勝を果たす以外にない。マイクロソフトのCEOを務めたスティーブ・バルマーがオーナーを務めるクリッパーズは、迷走が続くレイカーズを経営面でも上回っており、今回の計画でも有能さを示している。彼は「スポーツ界で最高のホームアリーナにしたい」と意欲を語った。もっとも、新アリーナ完成の2024年まで待つつもりはない。バルマーはそう考えているはずだ。