65㎏未満級ベスト8入りを果たした関野靖国神社相撲場で行われた東日本体学生相撲個人重別選手権大会。この日は65㎏未満級から無差別級まで、8名の慶大選手が土俵に上がった。それぞれが白熱した戦いを繰り広げ、65kg未満級から関野大輔(商4)と橋…


65㎏未満級ベスト8入りを果たした関野

靖国神社相撲場で行われた東日本体学生相撲個人重別選手権大会。この日は65㎏未満級から無差別級まで、8名の慶大選手が土俵に上がった。それぞれが白熱した戦いを繰り広げ、65kg未満級から関野大輔(商4)と橋本有人(経1)、75kg未満級から胡華興(薬4)、計3名が9月の全国学生相撲個人体重別選手権大会出場を決めた。

 

第46回東日本学生相撲個人体重別選手権大会

7月21日(日)9:00~ @靖国神社相撲場

◇慶大出場選手◇

橋本有人(経1・慶應義塾)

石井良(経4・慶應義塾)

関野大輔(商4・慶應義塾)

胡華興(薬4・慶應義塾)

渡辺雅治(理4・渋谷教育学園幕張)

中村一稀(経4・慶應義塾)

長谷川貴規(総2・木造)

長谷川大起(総4・木造)

◇65kg未満級◇

<予選1回戦>

関野●(浴びせ倒し)○木村(新潟大)

<予選2回戦>

橋本●(寄り倒し)○香西(日大)

石井●(引き落とし)○久保田(東農大)

関野○(押し出し)●赤石(東北大)

<順位決定戦1回戦>

橋本○(寄り切り)●赤石(東北大)

石井●(足取り)○福島(日体大)

<順位決定戦2回戦>

橋本○(寄り倒し)●石井(立大)

<優秀8選手トーナメント1回戦>

関野●(渡し込み)○髙木(日体大)

 


順位決定戦から全国大会出場を勝ち取った橋本

大会最軽量である65㎏未満級のトーナメントから予選が始まった。

先陣を切って登場したのは関野大輔(商4・慶應義塾)。「緊張していて体も動かなかった」と振り返る予選1回戦を浴びせ倒しで勝利すると、2回戦目は低い体勢から冷静に前へ詰めていき押し出しに成功する。優秀8選手トーナメントではまわしを取られて敗戦するも、ベスト8でラストイヤーの全国大会出場を決めた。

同じく4年目の東日本体重別大会に挑む石井良(経4・慶應義塾)は初戦、勢いよく飛びしたところを相手にかわされ引き落としに終わる。上位3名が全国大会出場権を得る順位決定戦に望みをかけるも、今度は一瞬の隙を突かれて足を取られてしまった。悔しい結果に終わったが、石井らしい躍動感ある相撲を披露した。

3人目は今年の4月から相撲を始めたと言う橋本有人(経1・慶應義塾)。「絶対に初勝利はこの大会で」と強い意気込みを持って臨んだ大会だったが、初戦は寄り倒され敗北を喫する。しかし、「1回負けたことで逆に緊張せずにその後の試合に臨めた」と話すよう、順位決定戦では冷静に土俵上の主導権を握り、2連勝を挙げた。見事な逆転劇を見せ、全国大会出場権を勝ち取った。

◇75kg未満級◇

<予選2回戦>

胡○(押し出し)●前之園(日大)

渡辺●(上手投げ)○勝山(早大)

<予選3回戦>

胡●(寄り切り)○三苫(日体大)


得意の突き相撲で相手を圧倒する胡

75kg未満級には胡華興(薬4・慶應義塾)と渡辺雅治(理4・渋谷教育学園幕張)が出場した。初めに土俵に上がった胡は得意の突き相撲を披露し初戦を突破。続く2戦目も激しい突っ張りで攻めるものの「最後に土俵際で甘さが出た」と話すよう、あと一歩のところでまわしを取られて惜しくも勝利を逃した。初戦突破の時点で全国大会出場は確定していたものの、「優勝を目指していたので、残念だ」と悔しさを滲ませた。

一方、渡辺は初戦立ち合いから互いに一歩も譲らず、長い組み合いを続けたが、ついに耐えきれず土俵際でまわしを取られてしまった。予選敗退に終わるも、引けを取らない奮闘ぶりを見せた。

 

◇85kg未満級◇

<予選2回戦>

中村一●(寄り切り)○古田(日体大)


土俵際まで寄り切られる中村一

85kg未満級には2回戦から中村一稀(経4・慶應義塾)が出場。鋭い立ち会いで果敢に攻 めたものの、相手に変化をつけてかわされ、寄り切りで敗れた。

 

 

◇135kg未満級◇

<予選1回戦>

長谷川貴○(押し出し)●田太(早大)

<予選2回戦>

長谷川貴●(寄り切り)○春山(日大)


長谷川貴は惜しくも2回戦に沈んだ

135kg未満級では長谷川貴規(総2・木造)が熱戦を繰り広げた。1回戦では得意の素早い立ち会いと激しい突っ張りで相手の上体を封じ、一気に土俵際まで追い込むと、最後は自身も前方に倒れ込みながら相手を押し出し、勝利を収めた。2回戦では上背のある相手に対して、終始攻めの押し相撲を展開。突っ張りをかわされ土俵際で体勢を崩してからも踏ん張ったが、最後は押し出され、3回戦進出とはならなかった。

 

 

◇無差別級◇

<予選2回戦>

長谷川大●(寄り切り)○デルゲルバヤル(日体大)

長谷川大●(押し出し)○榎波(日大)


耐久戦を繰り広げた長谷川大

無差別級に2回戦から登場したのは主将の長谷川大起(総4・木造)。「立ち会いに課題を持って臨んだ」という言葉通り、激しくぶつかる相撲を見せる。相手と組み合ったまま膠着しても果敢にまわしを狙い、攻めの姿勢を貫いた。本戦、順位決定戦ともに勝ち星を挙げることは出来なかったが、二番とも内容のある取り組みで、今後の大会に向け手応えが感じられた。

軽量級から3名の慶大選手が全国大会出場を決めた今大会。体重別で区切られた大会は年間を通してこの東日本大会と9月の全国大会のみということもあり、取り組みからこの大会にかける軽量級選手たちの強い思いが伝わってくるようだった。また、激戦の重量級でも強敵相手にそれぞれが自分の戦い方を貫き、長谷川大主将も「全員が自分の相撲を取ってくれました」と今大会を振り返った。

そして、相撲部の次なる目標は8月の全日本大学選抜相撲十和田大会での勝利だ。金沢大会、東日本体重別大会と7月の大会で得られた収穫を生かして、十和田大会ではより大きな実りとなることを期待したい。

(記事・写真:堀口綾乃、栗栖翔竜)

◇選手コメント◇

長谷川大起(総4・木造)

――金沢大会(全日本大学選抜相撲金沢大会)から1週間という短い期間でしたがコンディションなどはいかがでしたか

準備期間としては確かに短かったですが、個人戦ということで各部員が一人一人の調整を

してきました。

――ご自身の取り組みを振り返って

リーグ戦、インカレにつながる大会になりました。色々と試す事が出来たので、収穫は多

かったですね。

――軽量級からは3名の選手が全国大会(全国学生相撲個人体重別選手権大会)に進出しまし

たね

全員が自分の相撲を取ってくれました。全国に進んだ3人にはおめでとうと言いたいです し、1ヶ月後の大会に向けてしっかり稽古に励んでほしいです。

――来月の団体戦、全日本大学選抜相撲十和田大会に向けて意気込みを

次の大会までは3週間空くので、ここで1回リセットして調整します。怪我をしていた選手も戻ってきますし、リーグ戦前最後のいい練習の場だと思ってしっかり頑張りたいです。

 

関野大輔(商4・慶應義塾)

――この大会を終えての感想を

とりあえず全国大会に出場できるということは一つ安心できるのですが、決勝トーナメントで1回も勝てなかったことが悔しかったので、全国に向けて稽古をしていきたいと思います。

 

――予選1回戦を振り返って

緊張していて体も動かなかったのですが何とかなって。運が良かったのかなと思います。

 

――2回戦目はどのように臨みましたか

2回戦目はもう周りの声もよく聞こえて、試合に集中できたかなと思います。

 

――この大会に向けてはどのような準備をされてきましたか

極力いつも通りの稽古をして、家では自分のできる腕立てとかをしました。あとは、食事制限を頑張りました。去年は75kg未満級で出たのですが、今年は10kgほど落として、65kg未満級で出ました。落ちたのが1週間前ぐらいだったので大変ではありました。

 

――この結果について

最後の1年なのでとりあえず満足のいく結果は出たのかなと思います。

 

――全国大会に向けて

できれば他の大学の軽量級とも出稽古という形で練習していければなと思います。

 

胡華興(薬4・慶應義塾)

――この大会を終えて

非常に悔しかったです。準々決勝は自分よりも格上の相手ということは知っていて、途中まで自分の相撲でいけたんですけど、詰めきれなかったことが悔しいなと感じています。

 

――初戦の取り組みを振り返って

最初はあまり意識をせずに、いつも通りの相撲で勝てた、という感じです。

 

――2戦目を振り返って

自分はずっと突き相撲をやってきたので、それだけで試合を決めにいくということを意識して試合に臨みました。実際途中までは自分のペースで突いていけていたのですが、最後に土俵際で甘さが出たというか。土俵際まで行って、自分も距離を詰めて押し切ろうとした瞬間にまわしを取られてしまったので、警戒が足りなかったというか、反省しています。

 

――金沢大会から短いスパンで迎えた今大会ですが、どのような準備をされてきましたか

稽古の強度についてはあまり意識しなかったのですが、自分の突き相撲をより洗練させるために、形を意識した練習をしてきました。

 

――今大会の結果については

正直優勝を目指していたので、残念だとは思っています。でも、全国大会は出場できるということなので、そこで同じ相手に当たればリベンジをしたいし、全国大会でも優勝を目指していきたいです。

 

――全国大会に向けて、この夏に取り組んでいきたいことは

研究室に入っていて、今両立が難しくなっているところなので、稽古には行けなくても自分で時間を見つけてトレーニングをしたり、そういったところでなるべく格上の相手と距離を詰められるように、夏は上手く時間を使いながら稽古と自主トレーニングをやっていきたいです。

 

 

橋本有人(経1・慶應義塾)

――今大会を終えて

結果的に全国大会出場という目標を達成することができて嬉しいです。

 

――出場を決めた瞬間を振り返って

正直実感は沸かなかったんですけど。1回負けたときに心が折れかけたのですが、もう一回気持ちを立て直してからは勝てると思っていたので、やってやったなと思います。

 

――予選2回戦の反省点は

立ち合いから強く当たれてはいたのですが、その後に落ち着いて相手を見ることができなくて、相手に背中を向けてしまったりしていたので、稽古と同じように相手を見て相撲を取ろうと思いました。

 

――敗戦からどのように切り替えて順位決定戦に臨みましたか

1試合目で負けたら次はないと思っていたので。自分は体重が軽くてなかなか試合がないので、また1年後まで試合がなくなると思うと悔しかったのですが、敗者復活戦があるということでもう一回気持ちを立て直すことができました。最初は緊張していたのですが、1回負けたことで逆に緊張せずにその後の試合に臨めたので、気持ちの切り替えはできたかなと思います。

 

――順位決定戦ではどのような相撲を取ろうと臨みましたか

稽古でやってきたことを出すだけだと思っていました。稽古では最初の立ち合いでぶつかって押すという相撲しかやっていなくて、引いたり投げたりする技はあまりやっていなかったので。相手を見たときに力で負けないという自信があったので、正攻法で押すことを意識して臨みました。

 

――この大会に向けてどのような準備をされてきましたか

自分は大学から相撲を始めて、人一倍稽古をしないとだめだと思っていたので、下半身をちゃんと作ることと、頭からぶつかることに怖さがあったので、立ち合いは毎回意識しながら稽古をしていました。

 

――今大会の結果について

この試合が終われば次の大会はいつかわからないほど軽量級は試合が少ないので、この大会にかける思いは強かったです。まずは勝つという経験が大事だと思っていました。高校時代はボクシング部に入っていたのですが、初勝利までがすごく遠い道のりだったので、相撲を始めて絶対に初勝利はこの大会で取りたいなと思っていました。それを目標にしてきた結果、最初は負けましたが、後から切り替えて全国大会出場という最高の結果で終わることができたので、結果オーライですね。

 

――全国大会に向けて

1カ月しか時間がないので、また体を作っていきたいです。全国大会は勢いで負けてしまうこともあるかもしれないので、強い立ち合いができるようにすることと、前に出る力をつけていきたいです。あとは、相手をしっかりと見て落ち着いた相撲が取れるようにしたいです。今日は試合を重ねていくごとに相手のことを見られるようになっていたので、それを9月でもできるようにたくさん相撲を取って、勝負勘を養っていきたいです。