インターハイの陸上競技は8月4日(日)~8日(木)の5日間、沖縄県のタピック県総ひやごんスタジアム(沖縄県総合運動公園陸上競技場)で行われる。今大会には2人の高校記録保持者が出場するほか、6月の日本選手権で優勝、または上位入賞した選手たちが…

インターハイの陸上競技は8月4日(日)~8日(木)の5日間、沖縄県のタピック県総ひやごんスタジアム(沖縄県総合運動公園陸上競技場)で行われる。今大会には2人の高校記録保持者が出場するほか、6月の日本選手権で優勝、または上位入賞した選手たちがそろう。

■短距離・リレー

かつてないハイレベルな戦いが予想されるのが、女子100mだ。日本選手権で29年ぶりの高校生女王となった御家瀬緑(恵庭北3年/北海道)は、4月に高校歴代2位タイの11秒54をマーク。大会記録(11秒63)を塗り替える可能性は十分にある。

日本選手権では青山華依(大阪2年/大阪府)、三浦由奈(柴田3年/宮城県)、石堂陽奈(立命館慶祥2年/北海道)も決勝に進出。ここに、同選手権は100mに出場せず、200mで2位に入った景山咲穗(市立船橋3年/千葉県)、4位だった井戸アビゲイル風果(至学館3年/愛知県)が加わる。200mは景山、石堂、井戸を中心に、23秒台対決に注目したい。

400mは日本選手権2位の髙島咲季、6位の川崎夏実(ともに相洋3年/神奈川県)が53秒台の自己記録を持つ。髙島の2連覇は濃厚で、この種目初の同一校ワン・ツーが見えてきた。昨年2位の吉岡里奈(西京3年/京都府)が割って入るか。

男子4×100mRは今季40秒09の大阪(大阪府)、40秒12の中京大中京(愛知県)、40秒21の洛南(京都府)による三強対決で、39秒台突入が期待される。大阪は女子4×100mRも優勝候補の一角で、2015年の東京(東京都)に続くアベックVを狙う。4×400mRは相洋(神奈川県)が史上初の男女制覇に挑戦する。

■中・長距離、障害

男子800mには、日本選手権で1分46秒59と自身の高校記録を塗り替え、高校生として初優勝を果たしたクレイ・アーロン竜波(相洋3年/神奈川県)が登場。コンスタントに1分47秒台を出すことを目指している。クレイの2連覇が濃厚だが、南田航希(大塚3年/大阪府)ら有力選手がそろい、過去最高レベルになりそうだ。

3000mSCはフィレモン・キプラガット(倉敷3年/岡山県)が圧倒的な走力を持ち、この種目初の3連覇が有力。日本選手権の予選で8分39秒37の高校記録を樹立し、決勝で5位に入賞した三浦龍司(洛南3年/京都府)がキプラガットに果敢に挑み、さらに記録を伸ばすか注目される。

110mHでは村竹ラシッド(松戸国際3年/千葉県)が高校歴代3位タイの13秒91、藤原孝輝(洛南高2年/京都府)が同6位の13秒97を持つ。高校記録(13秒83)の更新、さらには大会史上初めて複数の選手による13秒台対決が望める。また、400mHの出口晴翔(東福岡3年/福岡県)は2連覇が懸かる。

好記録続出の女子400mHは、高校歴代10位以内のベストを持つ田和りな(東大阪大敬愛3年/大阪府)、中野菜乃(姫路商3年/兵庫県)、青木穂花(筑紫女3年/福岡県)をはじめ、58秒台が7人。4人以上が58秒台を出せば、大会史上最多となる。

800mは日本選手権の予選で高校歴代6位の2分04秒73をマーク、決勝で4位に入ったヒリアー紗璃苗(明星3年/東京都)が7月も好調を維持。目標の高校記録(2分02秒57)にどこまで近づけるか。

■跳躍

インターハイ種目に加わって3年目の女子棒高跳と三段跳が激戦になりそうだ。棒高跳は近畿大会で2年生ながら高校歴代4位タイの4m00を跳んだ古林愛理(明石商/兵庫県)、昨年2位で、7月に高校歴代9位タイの3m91と調子を上げてきた台信愛(中間3年/福岡県)を中心とした優勝争いだろう。大会初の4m台を期待したい。三段跳は中津川亜月(浜松市立3年/静岡県)がリード、13m近い跳躍が見られるかもしれない。中津川は走幅跳との二冠を狙う。

男子棒高跳は群馬県大会で高校歴代4位タイの5m30をクリアした古澤一生(前橋育英2年/群馬県)が、シニア選手と戦った日本選手権でも5m21で12位と健闘した。勝てば、10年ぶりの2年生チャンピオンとなる。

走幅跳も洛南(京都府)の藤原や田中隆太郎(摂津/大阪府)が9年ぶりの2年生優勝に挑むが、混戦模様。鳥海勇斗(東京学館船橋/千葉県)ら3年生が奮起するか。

三段跳は大阪府大会で高校歴代6位の15m80を跳んだ井村慧士(太成学院大3年/大阪府)が、高校生4人目の16m超えを目指す。

■投てき・混成

男子ハンマー投は執行大地(市尼崎3年/兵庫県)が近畿大会で高校歴代3位の67m64を投げ、高校記録(68m33)の更新が視野に入った。円盤投は藤原孝史朗(沖縄カトリック3年/沖縄県)が、南九州大会で高校歴代8位の53m57をマーク。2010年の沖縄開催時には地元選手の優勝がなかっただけに、藤原への期待が高まる。昨年3位の鴨澤青海(宇治山田商3年/三重県)らが立ちはだかるか。やり投は中村健太郎(清風南海3年/大阪府)が2連覇に挑む。

インターハイ種目になって3年目の女子ハンマー投は、昨年8位、54m30を持つ奥村梨里佳(添上3年/奈良県)、54m13の勝冶玲海(安芸3年/広島県)らを中心に、過去2年を上回るハイレベルになることは必至。七種競技は昨年6位の伊藤桃子(中京大中京3年/愛知県)ら5000点台を持つ5人に、昨年2位の堂本鈴華(大塚3年/大阪府)を加えた大激戦だろう。6人が5000点を超えれば、2016年に並んで過去最多となる。

記事提供:ベースボール・マガジン社『陸上競技マガジン』

写真提供:読売新聞社