バドミントン競技は熊本県八代市を中心に熱戦が繰り広げられる。7月31日(水)に開会式が行なわれ、翌8月1日(木)、2日(金)に団体戦を行ない、3日(土)から個人戦がスタートする。 【男子団体】 春の選抜で3冠を果たした絶対的なエース・奈…

バドミントン競技は熊本県八代市を中心に熱戦が繰り広げられる。7月31日(水)に開会式が行なわれ、翌8月1日(木)、2日(金)に団体戦を行ない、3日(土)から個人戦がスタートする。

【男子団体】

春の選抜で3冠を果たした絶対的なエース・奈良岡功大を擁する浪岡(青森県)が優勝候補の筆頭で、第1シードに。単複で勝ち星が計算できるのは、チームの大きな強みとなっている。男子は、この浪岡を中心とした戦いになるだろう。

その浪岡の対抗馬となりそうなのが、ドローの四つ角にいる聖ウルスラ学院英智(宮城県)、埼玉栄(埼玉県)、東大阪大柏原(大阪府)。選抜準優勝の聖ウルスラは、春に続き6月の東北大会で浪岡に敗れたものの、スコアは2-3。力は接近している。

また、序盤戦の注目カードとなりそうなのは、順当にいけば3回戦で対戦する埼玉栄とふたば未来(福島県)の一戦。春も3回戦で当たり、このときは埼玉栄が勝利しているが、ふたば未来も全中3冠世代が加入し、戦力がアップしている。この勝負が、トーナメント全体の流れも左右する可能性も大きい。

昨年準優勝、地元の八代東(熊本県)も春8強から虎視眈々と頂点をねらう。

【女子団体】

女子は、埼玉栄(埼玉県)、ふたば未来(福島県)、青森山田(青森県)の3チームを中心に実力が拮抗。優勝争いは混戦となりそうだ。

春の王者・埼玉栄は、全日本ジュニア複優勝の鈴木陽向/大澤佳歩、同単3位の宮崎淳美と単複のエースを軸に、春夏連覇をめざす。

一方、選抜の決勝で埼玉栄に敗れたふたば未来学園は、選抜複2位の内山智尋/廣上瑠依、同単3位の木村百伽らジュニアナショナルメンバーが5人と実力者をそろえる。夏は3連覇中と、春からの伸び率には定評があり、春のリベンジにも燃えているはずだ。順当に勝ち上がれば埼玉栄と準決勝で対戦する青森山田も選抜複優勝の大竹望月/髙橋美優を中心に、激戦を勝ち上がる力がある。

これら3校に、選抜3位の聖ウルスラ(宮城県)、地元・熊本の八代白百合学園がどう絡んでいくかが見どころになりそうだ。

【男子個人】

単複ともに、春3冠を達成した奈良岡功大(浪岡/青森県)のプレーに注目が集まる。ただし、夏は春以上に過酷なコンディションになる。消耗の激しい団体戦後、いかに個人戦の序盤を乗り切るかが3冠へのカギになりそうだ。

その奈良岡を止めにかかるのは、シングルスでは選抜で決勝を争った秦野陸、川本拓真といった埼玉栄勢か。順当に勝ち上がれば、川本が準々決勝で、また第2シードの秦野は決勝で奈良岡に挑む。

地元の声援を背に、池端元哉(熊本学園大府/熊本県)、野田統馬(八代東/熊本県)がどのように勝ち上がるか、また1年生ながら選抜3位に入った稲光翔太郎(ふたば未来/福島県)がどんなプレーを見せるかなども見どころだ。

ダブルスは春を制した奈良岡と武藤映樹のペアが第1シードに座るが、単以上の激戦が予想される。中島巧/杉本一樹(瓊浦/長崎県)、小川航汰/樋口凌馬(日章学園/宮崎県)、野田統馬/浦隆斗(八代東/熊本県)といった力のある九州勢が、四つ角シードから頂点をめざす。

全日本ジュニアを制した藤澤佳史/熊谷翔(聖ウルスラ/宮城県)、同準優勝の河村翼/川本(埼玉栄/埼玉県)も実力ペア。両者は同じヤマに入り、順当にいけば4回戦で対戦する。

【女子個人】

注目を集めるのは、春の選抜で1年生女王となった郡司莉子(八代白百合/熊本県)。地元開催のインターハイで、春夏連覇をかけた戦いとなり、プレッシャーも大きいはずだが、郡司らしい力強いプレーに期待したい。

一方、郡司と同じ2年生で、ライバルでもある髙橋美優(青森山田/青森県)は逆のヤマに。順当にいけば、準々決勝で昨年選抜準優勝の小方里羽(諫早商/長崎県)と対戦が予想され、厳しいヤマとなっている。

第2シード、選抜2位の栗原あかり(西武台千葉/千葉県)は、準々決勝で内山智尋(ふたば未来/福島県)との対戦が予想される。そのほか、選抜3位の木村百伽(ふたば未来)、全日本ジュニア3位の宮崎淳美(埼玉栄/埼玉県)も頂点を狙える力がある。

ダブルスは攻撃的なプレーが光る選抜Vの大竹望月/髙橋美優(青森山田)が優勝候補の筆頭。そのほか、第2シードの内山智尋/廣上瑠衣(ふたば未来)、第3シードの栗原あかり/杉山未来(西武台千葉)、第4シードの鈴木陽向/大澤佳歩(埼玉栄)と四つ角に座るシード勢も安定している。

ただし、過酷な連戦が続くだけに、勢いのあるフレッシュな力が台頭する可能性も十分ある。

記事提供:ベースボール・マガジン社『バドミントンマガジン』

写真提供:読売新聞社