元号が令和になって初となるインターハイ「令和元年全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会」が7月28日(日)から8月2日(金)までの6日間、鹿児島県薩摩川内市にある「サンアリーナせんだい」をメイン会場とした3つの会場で行われる。 …

元号が令和になって初となるインターハイ「令和元年全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会」が7月28日(日)から8月2日(金)までの6日間、鹿児島県薩摩川内市にある「サンアリーナせんだい」をメイン会場とした3つの会場で行われる。

今年度から大会のレギュレーションが変わり、男子が53校、女子が51校で夏の頂点を争うこととなる(昨年までは男女ともに59校が出場)。

■男子

男子は昨年度のウインターカップを制した福岡第一(福岡県)が優勝候補の筆頭に挙げられている。同大会を制した主要メンバーのうち、ポイントガードの河村勇輝ら3人が残っており、高速トランジションバスケットは今年も健在だ。

その福岡第一に対抗しそうなのが、先日NBA入りを果たした八村塁の母校・明成(宮城県)と、昨年度のインターハイ王者・開志国際(新潟県)、そして東山(京都府)の3校だ。明成は八村に次ぐ選手として呼び声の高い山崎一渉に注目が集まる。しかし彼はまだ1年生。過度の注目は禁物だが、一方でそのプレッシャーをどう乗り越えるかに注目したい。開志国際と東山はそれぞれインサイドに強力な留学生を擁しており、その点では福岡第一に引けを取らない。チーム全体のバランスも整っており、十分に福岡第一とやり合える力がある。

その4校を第1シードの桜丘(愛知県)と実践学園(東京都)、東海大学付属諏訪(長野県)らが追う。昨年度は脅威的なシュート力を誇る富永啓生を擁した桜丘だが、彼が卒業した今年はチームで戦い、東海ブロック大会を制している。実践学園は関東ブロック大会を制し、東海大学付属諏訪は北信越ブロック大会こそ準優勝に終わったが、ポイントガードの黒川虎徹は今年度の注目選手の一人である。また今大会を目指してチーム作りをしてきた地元の県立川内(鹿児島県)や、復活を目指す県立能代工業(秋田県)の戦いぶりにも注目したい。

■女子

女子は全国大会で64回の優勝を誇り、昨年度のインターハイ女王でもある桜花学園(愛知県)と、近年その桜花学園と互角に渡り合っている岐阜女子(岐阜県)の一騎打ちが濃厚だろう。桜花学園はエースの平下愛佳を中心にタレントがそろっており、しかしその能力だけに頼らず、基礎を重視したチームを毎年作り上げている。岐阜女子もまた基礎を重視しながら、伝統の厳しいディフェンスと、留学生の高さをうまく利用したチームオフェンスで2大会ぶりのインターハイ制覇を目指す。

対抗を挙げるなら、昭和学院(千葉県)と大阪薫英女学院(大阪府)か。両校ともに留学生こそいないが、全体的にサイズが大きく、しかも機敏に動ける選手も多い。関東ブロック大会、近畿ブロック大会を制した勢いと、そこで出た課題を克服していれば、十分にファイナル進出もありうる。

それに続くのが京都精華学園(京都府)と精華女子(福岡県)、開志国際(新潟県)の3校。京都精華学園で注目したいのはガードの高橋未来。スピードのある突破力でどこまでチームを引っ張れるか。また精華女子も2枚看板である三浦舞華と樋口鈴乃のツーガードにも注目したい。北信越ブロック大会を制した開志国際もチーム力を上げてきている。

トーナメント表を見ると桜花学園のサイドには開志国際がいるだけで、対抗で挙げた5校のうち4校が岐阜女子のサイドに集中している。それ以外にも県立足羽(福井県)や県立湯沢湘北(秋田県)といった強豪校も同じブロックにいて、大会序盤から好ゲームが期待できそう。むろん桜花学園サイドにも東京成徳大学(東京都)や聖カタリナ学園(愛媛県)などがいて気は抜けないゲームが続く。

いずれにせよ、男女ともに夏の暑さと、連日続く厳しい対戦相手にうまく適合しなければ頂点はつかめない。出場校こそ減ったが、その分、濃密なインターハイになりそうだ。

記事提供:ベースボール・マガジン社

写真提供:読売新聞社