7月5日から13日にかけてイタリア・ナポリでユニバーシアード競技大会が行われた。学生を対象として2年ごとに行われる大会だ。男子バレーボール日本代表を率いるのは早大の松井泰二監督(平3人卒=千葉・八千代)。そして村山豪(スポ3=東京・駿台学…

 7月5日から13日にかけてイタリア・ナポリでユニバーシアード競技大会が行われた。学生を対象として2年ごとに行われる大会だ。男子バレーボール日本代表を率いるのは早大の松井泰二監督(平3人卒=千葉・八千代)。そして村山豪(スポ3=東京・駿台学園)、宮浦健人(スポ3=熊本・鎮西)が参戦。普段は早大を支えている村本勇貴氏もトレーナーとして加わった。初戦から世界の強豪と健闘し続けた日本代表。20チーム中5位で戦いを終えた。

 昨年早大を卒業した小林光輝(平30スポ卒=現ジェイテクトSTINGS)をキャプテンとして迎えた松井ジャパン。初陣の相手はメキシコ。スターティングメンバーに名を連ねた村山、宮浦は、それぞれ得意の速攻やクロスで確実に得点を積み重ねた。攻守に渡り相手に付け入る隙を与えなかった日本は初戦を物にした。続くスイス戦では高さのあるブロックに苦しめられ第1セットは失ったものの、その後は本来の実力を発揮し2連勝を飾る。勢いそのままに迎えた3戦目は、同じく2連勝の開催国イタリアとの対戦に。村山がサーブで崩し宮浦がスパイクで得点を奪うなど早大コンビの活躍が見られたが、強豪相手に力の差を見せつけられ今大会初黒星を喫した。勝てばベスト8が決まる予選グループ戦の最終戦。アルゼンチンと対戦した日本は、セッターの小林がサービスエースやブロックポイントなど自らも得点を奪う活躍でストレート勝ちに貢献。日本は、早大勢の活躍も光り予選D組を3勝1敗の2位でクオーターファイナルラウンドに駒を進めた。


集合写真

 前回大会の結果を超えるためには負けられないクオーターファイナルラウンド。ベスト4を懸けて予選を全勝で勝ち上がったロシアと対峙した。宮浦のスパイクが序盤から決まりリードを奪ったが、自陣のミスで逆転されるとロシアのブロックに苦戦し第1セット、第2セットを連取される。後が無くなった第3セットでは村山の速攻が機能しこのセットは奪い返したが、ロシアを最後まで攻略することができず敗戦。ベスト4の道が絶たれた。5~8位に決定したチームで行われるセミファイナルラウンドに進んだ日本は、チャイニーズタイペイと対戦した。ベスト8に残ったアジア勢はこの二ヶ国だけということもあり、アジア最上位を決めるという意味でも序盤から白熱した試合が展開された。第1セットは村山のブロックでジュースに持ち込むと、サイドアウトを繰り返すなかで集中力を切らさなかった日本が競り合いを制しこのセットを手にした。その後は第3セットこそ失ったが、リードされた場面でも着実にブレイクを重ね勝利しアジア最上位を確定させた。5位決定戦はチェコとの一戦。勝利で大会を終わらせたい日本は、これまでの6試合と同様のスターティングメンバーで試合に挑んだ。小林のサーブで始まった第1セットは、序盤から主導権を握り先取。その後も、村山、宮浦が強力な攻撃陣の一角として得点を重ねただけでなく、小林がレシーブでも存在感を発揮するなど守備でも随所に好プレーが見られた。終始相手を圧倒した日本は、ストレートでチェコに勝利。今大会を5位で終えた。

 


世界と戦った早大メンバー。左から宮浦、村山、小林、松井監督、村本氏

 日本代表はアジアの国では最上位の5位であった。すべての試合にスタメンとして出場した村山と宮浦。世界と戦ったこの大会は大きな財産になったことだろう。惜しくも東日本大学選手権では頂に立つことが叶わなかった早大だがこの3年生コンビの成長はリスタートを切った早大にとってどのようなスパイスになるのか。9月に開幕する秋季関東大学リーグ戦に期待したい。

(記事 萩原怜那、友野開登 写真 選手提供)