J1リーグ第18節。清水エスパルスがホームにヴィッセル神戸を迎えた。ともにシーズン途中で監督が交代、新監督が就任し…
J1リーグ第18節。清水エスパルスがホームにヴィッセル神戸を迎えた。ともにシーズン途中で監督が交代、新監督が就任してからは調子を取り戻している。注目のひとつは、6試合連続ゴール中の清水ドウグラスと、2試合連続で先制点を決め得点ランキングトップに並ぶ神戸ダビド・ビジャのストライカー対決だった。
清水はヘナト・アウグストを中心に、神戸の攻撃の起点であるアンドレス・イニエスタを潰しにかかる。神戸は、それでもイニエスタを軸にボールを回しチャンスを作り出すという展開で試合は進んだ。
試合が動いたのは前半26分。清水はイニエスタからビジャへの縦パスをカットすると、カウンターを仕掛ける。ドウグラスは宮大樹を剥がすと、山口蛍のスライディングをかわし、さらに寄せてきたダンクレーの股を抜く。最後はフリーの北川航也がゴールに押し込み、清水が先制した。
しかし、その3分後、神戸にスーパーゴールが生まれる。古橋享梧のロングフィードに、ビジャが一瞬の動きで裏を突き、飛び込んできたGKをあざ笑うかのようなダブルタッチでゴールを決め、同点にして前半を折り返した。

得点ランキングでトップに立つダビド・ビジャ(ヴィッセル神戸)
後半になると、神戸はビジャが前線で孤立。ゴール前に迫るシーンが減り、清水が主導権を握る。すると後半24分、ドウグラスにビックチャンスが巡ってくる。左サイドの深い位置でスローインを獲得すると、二見宏志のロングスローをドウグラスが頭で押し込み、勝ち越しに成。その後、神戸はウェリントンの高さを活かして清水ゴールを襲うが、試合はそのまま清水が逃げ切った。
ストライカー対決は1ゴール、1アシストのドウグラスに軍配が上がった。それでも、この試合で3試合連続ゴールを決めたビジャは、通算10得点となり、得点ランキングトップに躍り出た。
このところ、ルーカス・ポドルスキに始まり、イニエスタ、フェルナンド・トーレスと、欧州強豪国の代表を引退したスーパースターがJリーグにやってきている。しかし当然ながら、全盛期に比べればさまざまな点で見劣りをするのもたしかだ。とくに試合終盤になると運動量が落ち、キレもなくなる。そんななか、上記の3人よりも年齢が高く、今年で38歳になるビジャは、コンスタントにゴールを重ねている。
もちろん、肉体的な衰えはあるのだろうが、得点感覚はまったく衰えていない。常に相手の最終ラインぎりぎりで駆け引きをし、裏に飛び出すタイミングは、次元が違いすぎると言っていいほどだ。
174㎝と小柄で、ヘディングやポストプレーは得意ではないが、だからといって動き回るわけでもない。瞬間的な動きで相手のマークを外し、ゴール前で勝負する。しかも、ビジャのシュートは、この試合のダブルタッチのゴールや、前半22分にルーレットでDFをかわしてシュートしたシーンなど、思わず「うまい」と唸ってしまうものが多い。ここまでおよそ50本のシュートを打ち、30本以上が枠内シュート。まさに「ストライカーのお手本」と言っていいだろう
日本の蒸し暑い夏を乗り越えれば、得点王の可能性は十分にある。神戸戦といえば、イニエスタ見たさでチケットが完売になっているが、ビジャのゴール前での一瞬の動きとシュートも、まさにお金を払って見る価値があるものだ。