世界シングルス・ランキング8位のケビン・アンダーソン、12位のジョン・イズナー、17位のミロシュ・ラオニッチ、27位のデニス・シャポバロフらが、今年の9月にジュネーブで行われる第3回レーバーカ…

世界シングルス・ランキング8位のケビン・アンダーソン、12位のジョン・イズナー、17位のミロシュ・ラオニッチ、27位のデニス・シャポバロフらが、今年の9月にジュネーブで行われる第3回レーバーカップの、世界選抜選手として出場することが決定した。

欧州選抜チームと世界選抜チームの対抗戦であるレーバーカップ、各チームの出場選手は6名ずつで、3名はランキングから順当に選ばれ、残り3名は"Captain’s picksーキャプテンズ・ピック"と称され、チームのキャプテンにその選出は委ねられている。初年度から今大会までの3年間は、ビヨン・ボルグが欧州選抜チームのキャプテンを務め、対する世界選抜チームはジョン・マッケンローが指揮を執る。現在、世界選抜チームのメンバーは前述の4選手が決定しており、マッケンローは残りの参加選手2名を、全米オープンが始まる前に決定しなくてはならない。

「アンダーソンとイズナーは、2018年度大会で大いに活躍してくれて、勝利の一歩手前まで導いてくれた大切な選手たちだ。そして、ラオニッチは欧州選抜チームの選手全員に勝ったことがあるビッグサーバーとして心強い。」「私の最初のキャプテンズ・ピックはシャポバロフ。彼はぐんぐんと伸びている成長株だ。プラハでのレーバーカップ初大会に出場して以来、2年間経験を積んで一皮むけているはずだ。」「もちろん欧州選抜チームは、あり得ないほどの強さだ。しかし我々も負け戦のためにジュネーブに向かうわけではない。過去2大会も勝利目前まで相手を追い詰めてきた。三度目の正直は起こると信じている。」と、マッケンローは持ち前の勝気さで語った。

アンダーソンは昨年、ウィンブルドン決勝進出などを経て、7月に自己最高位5位をマーク。2018年は他にも、錦織圭を下してのATP500 ウィーン優勝や、ATPファイナルズでの準決勝進出などを経験した、彼にとっては濃い内容の年となった。昨年度レーバーカップにおける、アンダーソンの活躍は目を見張るものがあった。ジャック・ソックとペアを組んでジョコビッチ/フェデラー組と対戦したダブルスの試合では見事勝利、続くシングルスでもタイブレークの末ジョコビッチとの熱戦を勝利した。

勝利チームを決める大事な1戦では、アレクサンダー・ズベレフに惜しくも敗れてしまったが、また今年もレーバーカップに出場し雪辱晴らしたいと望んでいるようだ。

「私にとって、とても特別な都市である、シカゴでの昨年大会では素晴らしい経験をさせてもらいました。この大会のポイント制度などの仕組みは、選手のモチベーションを最大限にしてくれます。昨年大会3日目は、僕たちもあと一歩というところまで欧州選抜チームを追い詰めることができました。」「これだけレベルの高いトップ選手たちと、チームを組み勝利を目指して戦えることはとても光栄なことです。レーバーカップはただの新しい大会ではありません。テニスの歴史において最も重要な人物の一人、ロッド・レーバーを称える、意味深い大会なのです。彼と彼の世代の選手たちの苦労があったから、今日私たちはこうしてテニスを続け、キャリアを積むことができるのです。今年度の大会にもまた出場し、全てを出し切って世界選抜チームの勝利に貢献したいと思います。」とアンダーソンは熱のこもったコメントをした。

ジョン・イズナーの今年に入ってからの成績は、ATP1000 マイアミの決勝進出に、ATP500 アカプルコとATP250 デルレイビーチでの準決勝進出が挙げられる。そして、間違いなく彼はレーバーカップ過去2大会で最も活躍した選手の一人だ。昨年大会では、最終日である3日目にダブルスで勝利し一旦逆転。その直後には、フェデラーをタイブレークにまで追い込む健闘を見せた。イズナーは「レーバーカップは最高に楽しい大会。ジュネーブで行われる第3回大会で、3年連続世界選抜チームの選手として戦えることを、楽しみにしています。」「スイスでの今年度大会は、昨年のシカゴとは全く違ったものになるでしょう。世界最強ともいえるチームと、その最強メンバーの一人の地元で開催される大会で戦うわけですから、ホーム・コートでのアドバンテージは、はるかに大きく、世界選抜チームは苦戦を強いられるはずです。」とコメントをした。

ウィンブルドンでフェデラーを下して決勝に進んだ2016年、ラオニッチのコーチはマッケンローだった。再度彼の指導のもと団体戦に挑むことに意欲を燃やしている様子だ。彼は「レーバーカップという、とてもユニークな団体戦に出場できることにワクワクしています。ジョン・マッケンロー氏と私はとても仲がいいんです。コートサイドから、彼にエネルギッシュで情熱的な喝を入れてもらえるのが楽しみです。」とかつての恩師とタッグを組める喜びをあらわにした。

ATP1000 マイアミの準決勝に進むなどし、4月には自身最高位の20位をマークした成長株のシャポバロフは、「ナダルやフェデラーといったトップ選手と戦うならば、アンダーソンやイズナー、ラオニッチ達は完璧なチームメイトです。レーバーカップは独特な雰囲気を持った大会です。プラハで行われた第1回大会では、マッケンロー氏の下プレー出来てとても楽しむことができました。ジュネーブでの今大会も大いに楽しみです。」とコメントした。

スター選手で構成された欧州選抜チームの現在の出場予定選手は、ラファエル・ナダル、ロジャー・フェデラー、ドミニク・ティーム、アレクサンダー・ズベレフ、ファビオ・フォニーニの5名。チームのキャプテンであるビヨン・ボルグはあと1名を選出しなければならない。

第3回目となるジュネーブでのレバーカップ2019は、今年9月20日から22日までの3日間、パレキシポと呼ばれるコンベンションセンターで行われる。プラハで行われた第1回とシカゴでの第2回はどちらも欧州選抜チームが勝利している。

ところで、今大会キャプテン「ビヨン・ボルグ対ジョン・マッケンロー」という組み合わせは、テニス史上最もメディアを賑わせたライバルといっても過言じゃないだろう。感情を表に出さない“氷の男”と呼ばれたボルグと、感情をむき出しにし“悪童”と言われたマッケンローの対決は、テニスファンのみならず多くの人々を虜にした。彼ら2人を主人公にした映画も作られたほどだ。

彼らのライバル関係は、マッケンローが10代の頃からボルグの引退までの、たった3年間と短い期間だったが、対戦した回数は14回と比較的多い。肝心の対戦成績は、お互いに7勝7敗と全くの5分だった。レーバーカップは、トップ選手達の熱戦ももちろんだが、2人の”キャプテン”が繰り広げる戦いとしても注目したい大会だ。

写真は2018年イズナー&ソックの勝利を祝う世界選抜チーム

Photo by Clive Brunskill / Getty Images

翻訳ニュース/ATPTour.com