今季からカージナルスに入団した韓国人メジャーリーガーの呉昇桓。生まれ育った韓国では9年で277セーブを挙げ、韓国球界No.1クローザーに成長。■強豪カージナルスで守護神就任「対戦が楽な打者なんて誰もいない」 今季からカージナルスに入団した韓…

今季からカージナルスに入団した韓国人メジャーリーガーの呉昇桓。生まれ育った韓国では9年で277セーブを挙げ、韓国球界No.1クローザーに成長。

■強豪カージナルスで守護神就任「対戦が楽な打者なんて誰もいない」

 今季からカージナルスに入団した韓国人メジャーリーガーの呉昇桓。生まれ育った韓国では9年で277セーブを挙げ、韓国球界No.1クローザーに成長。2014年から2季を過ごした阪神でも、守護神として通算80セーブを挙げるなど大活躍だった。アジアを代表するクローザーとも言える呉は、新たに挑戦したメジャーでも着実に存在感を強めている。

 カージナルス入りした今季、開幕当初は中継ぎ陣の一角に過ぎなかったが、堅実なピッチングで首脳陣の信頼を獲得。セットアッパーとして実績を残す中で、守護神ローゼンタルの成績不振やシーグリストの故障が発生し、7月から新守護神を任されることになった。8月8日現在、56試合に登板し、56回2/3を投げて2勝2敗9セーブ、14ホールドを記録。防御率は2.06と好調で、72奪三振に対して14四球しか与えていないという安定した投球内容だ。

 母国・韓国を皮切りに、日本、アメリカと3ヵ国を渡り歩く右腕に、米スポーツ専門局「ESPN」公式サイトが注目。一問一答形式の記事を掲載し、今季カージナルス浮沈のカギを握る守護神を紹介している。

 誰もが気になるのは、韓国、日本、アメリカの球界の差だろう。それぞれにどんな特長があり、何が違うのか。呉は自らの経験を基に、日本よりも韓国球界の方がパワー打者が多いと明かしているが、日米の違いについては「対戦が楽な打者なんて誰もいない。それぞれに打ち取るのは難しい。みんな違う打者だからね。明らかな違いは、メジャーの方がパワー打者が多いこと」と話したそうだ。メジャーが最高峰か問われると「言うまでもないこと。みんな既に知っている。ここでプレーすることは誰もが夢見ることだよ」と話し、メジャーでプレーし続けることが「ベストなシナリオ」で、選手として骨を埋める覚悟があることも明かしている。

■愛称「石仏」「ファイナルボス」が浸透も、新ニックネームは大歓迎!

 2ヵ月ほど前、マーリンズのイチローが日米通算安打数でピート・ローズ氏を超えたが、この時ローズ氏は「日本の成績は認めない」と発言、大きな論議を呼んだ。日米両球界を知る呉の客観的な意見を聞いてみたいところだが「自分の立場から言うのは難しい。まだ見識が足りないし、気を付けて発言したい」と謙虚な姿勢。「ただし、イチローが成し遂げたことは大きな功績で、大きなリスペクトを抱いている」と話すにとどまっている。

 記事では、韓国でついたニックネーム「石仏」にちなみ、チームメイトのカーペンターが遠征地シンシナティで呉に仏像をプレゼントしたエピソードを紹介。カージナルスでもチームメイトから「石仏(ストーンブッダ)」「ファイナルボス」の愛称で呼ばれているそうだが、呉自身は「新しいニックネームを見つけているんだ」と、意外な事実を明かしている。

「新しいニックネームがあってもいいね。実は、しばらく新しいものを見つけているんだ。今のニックネームは両方ともファンがつけてくれたもので、とても感謝している。新しいニックネームがつくということは、ファンがそれだけ自分に興味を抱いてくれているということ。歓迎するよ」

 イチローも認める野球愛の深い街・セントルイスのファンは、呉にどんなニックネームをつけるのか。ファンがニックネームをつけるまでに愛される存在となるためにも、今後の活躍が大きなカギとなりそうだ。