柔道男子73kg級で金メダルを獲得した大野将平選手が、翌朝に記者会見で試合を振り返った。柔道の日本勢では今大会初の金メダル。柔道の日本男子としては史上初めて金メダルなしに終わったロンドン五輪のあと、2大会ぶりの金メダル獲得となった。

「昨日は興奮してなかなか寝付けなかった、今は心地よい疲労感です。昨日は金メダルを取れたという安心感のほうが強かったが、段々と達成感も感じられるようになってきた」

「金メダルに最も近い選手」との期待を受け、そのプレッシャーとも戦ってきた大野選手に訪れたのは、まずは安堵の気持ちだった。一夜明け少しずつ広がりだした達成感は、心地よく大野選手の身体を包んだ。

試合直後には「柔道の素晴らしさや美しさを伝えられた」と語っていた大野選手だが、素晴らしさを表現するためにこだわっていたことはあったのだろうか。

「試合は勝負、甘くはない。勝ち方にこだわる、色気を出すということは捨てました。結果一本勝ちが多かった、投げることが多かったというだけで。戦っている時は指導一つでも取れればいいと思っていた。我慢強く、執念深く、泥臭く戦いたいという気持ちをもって臨んでいた」

アゼルバイジャンのルスタム・オルジョフ選手と決勝戦で対戦し、見事一本勝ちした大野選手。結果として美しい終わりを遂げられただけで、勝ち方に美学は持ち込んでいなかったという。そこには、昨今の外国人柔道選手のレベルアップに対する警戒があった。

「外国人選手が昔よりも進化、変化してきて、競技の技術なんかを柔道に取り入れてきているので、なかなか勝つことが難しくなってきているのは事実だと思っています。元々、外国人選手は体、フィジカルの部分が非常に強い。でも、その中で日本人でも心技体の3つで上回ることができると証明したかった。そういう意味ではインパクトのある勝ち方ができて、畳の上で表現できたのではないかと思っている」

4年後に控える東京五輪も含め、今後に対する思いも口にした。

「このようにメディアに露出させていただく機会が増えるとは思うが、金メダリストとしてふさわしい人間になれるように成長していきたいし、もっと精進して柔道選手としても強くなっていきたい」

「(東京五輪は)出たいですね。まずは4年あるのでしっかり休んで。もっと強くなれると改めて思えた大会だった。ただ、なにが起こるかは分からないので、一日一日大切に過ごし、小さな目標から立ててやっていきたいと思っています」

最後には、試合を控える日本柔道勢にメッセージを残した。

「井上ジャパンの一員として、7人全員はやるべきことをやってこの地に来たので、まずは誇りをもって戦って欲しい。オリンピックとはいうが、自分自身戦ってみて、そこまで過剰に意識する必要はないかと思った。他の普通の国際大会と同じような環境だったかと思います」

#Rio2016 #柔道男子 #大野将平 選手 記者会見 pic.twitter.com/4k5eFe0jL0— CYCLE-やわらかスポーツ (@cyclestyle_net) 2016年8月9日

金メダルの柔道・大野将平(c)Getty Images

金メダルの柔道・大野将平(c)Getty Images

【リオ2016】柔道男子、金メダルを獲得した大野将平が一夜明け語る…「オリンピックというが、他の普通の国際大会と同じ」撮影者:大日方航

【リオ2016】柔道男子、金メダルを獲得した大野将平が一夜明け語る…「オリンピックというが、他の普通の国際大会と同じ」撮影者:大日方航