新しい元号になり初めての早慶対抗大会(早慶戦)が、東京辰巳国際水泳場で開催された。ユニバーシアード代表の竹内智哉(スポ3=神奈川・湘南工大付)、幌村尚(スポ3=兵庫・西脇工)、佐藤千夏(スポ2=埼玉栄)を欠き、接戦も予想されていた今大会。それでも新時代にふさわしい新たな戦力が躍動し、男女そろって総合優勝。男子は21連覇、女子は13連覇となった。

 21連覇を遂げた男子部。最初に行われたのは男子4×100メートルメドレーリレーだ。接戦が予想されていた種目だったが、1泳の丸山優稀(法3=埼玉・大宮)が慶大にリードして引き継ぐと、勝敗の鍵となった平泳ぎで平河楓(スポ1=福岡・筑陽学園)が前半から積極的に入り、慶大エース佐藤翔馬との差を引き離す。続くバタフライの池江毅隼(スポ4=東京・日大豊山)、自由形の伊東隼汰(社2=東京・早大学院)もリードを広げ、3秒近くの差をつけフィニッシュ。幸先のよいスタートを切った。また、平河は個人でも男子100メートル平泳ぎ、男子200メートル平泳ぎで同学年のライバルである佐藤と深沢大和に勝利。どちらのレースもラスト50メートルで驚異のスパートを見せると、最後に先頭の佐藤をタッチの差で制した。また、男子200メートル平泳ぎでは大会新記録の樹立を達成。自己ベストを更新したジャパンオープンのタイムを、さらに1秒以上も上回る好記録をたたき出した。周囲の仲間と切磋琢磨(せっさたくま)し、成長している平河。日本学生選手権(インカレ)での活躍に期待がかかる。一方、福岡清流(スポ3=大阪・桃山学院)は男子200メートルバタフライと男子200メートル個人メドレーで、幌村と竹内がいない中両種目を制し、得点を稼いだ。今季好調の伊藤新盛(スポ2=岐阜・中京学院大中京)と丸山も、それぞれ男子50メートル自由形、男子100メートル背泳ぎで自己ベストを更新しての1位に。また、「ベストタイムかそれ以上のタイムを出せるようにしたい」と意気込んでいた池江は、男子100メートルバタフライで大学入学後初の53秒台を記録。主力選手の欠場で優勝を危惧する声もあった中、多くの選手が結果を出し、優勝を手繰り寄せた。


平泳ぎ2冠を達成した平河

 女子部は牧野紘子(教2=東京・東大付中教校)が世界選手権代表の貫禄を見せた。専門ではない女子100メートル自由形で大会記録を更新すると、女子200m個人メドレーも優勝。リレーも2種目に出場すると、慶大との差を大きく引き離す活躍を見せた。「最低限決勝に残って、その中でメダル争いをしてメダルが取れれば来年の東京五輪につながる」と話した牧野。世界の舞台でも自分の泳ぎを見せてほしい。浅羽栞(スポ1=東京・八王子学園八王子)は女子100メートル平泳ぎで後半の強さを見せ、1位でゴール。自己ベストに迫る好記録をマークした。また、濱口真子(スポ4=石川・金沢錦丘)、佐々木杏奈(スポ1=神奈川・日大藤沢)はリレー2種目に出場し、個人でも優勝。慶大とは7点差と、目標としていた圧勝とはならなかったが、連勝記録を伸ばした女子部。それぞれの練習拠点はバラバラだが、勝負の夏に向けさらにチーム一丸となり、目標達成に向け突き進みたい。


女子100メートル自由形で大会新記録を樹立した牧野

 自己ベストや好記録をマークした選手が複数おり、今後のレースに期待を持たせる結果となった今大会。インカレでは男子部は3位、女子部はシード権死守を目標に掲げている。この早慶戦を通過点とし、9月に向けて各自の課題を再確認して研さんを積んでいってほしい。

(記事 菊池廉、写真 芦澤りさ、飯塚茜、馬塲貴子)


閉会式後の集合写真

★飛込がついに覇権奪還!


男子高飛込で宙に舞う金子

 飛込部門が12—6で慶大を下し、第65回大会以来の対抗戦優勝をつかんだ。中でもその活躍が際立ったのは、アジア選手権日本代表の経験もあるルーキー金子舜汰(社1=東京・青山学院)。高難度の技を次々と繰り出し、会場を沸かせた。2年前から再始動し、復権の兆しを見せている飛込部門。部員一人一人のさらなる活躍に期待したい。
 また、今大会では新たな試みとしてアーティスティック部門のエキシビションが行われ、吉野倫加主将(スポ4=埼玉・武南)、田中美羽(商1=神奈川・希望ケ丘)、吉田理恵(スポ1=東京・成立学園)の3人が美しい演技で観客を魅了した。部員数の少ないアーティスティック部門だが、9月の日本学生選手権では表彰台を目指す。

(記事 宇根加菜葉、写真 島形桜)


エキシビションで演技を披露したアーティスティック部門

結果

競泳男子

◯早大41—31慶大

競泳女子

◯早大27.5—20.5慶大

水球

●早大8—13慶大

飛込

◯早大12—6慶大

男子50メートル自由形

伊藤新盛 23秒08【1位】

村上雅弥 23秒25【2位】

今野太介 23秒37【3位】

男子100メートル自由形

伊東隼汰 50秒57【2位】

田中航希 51秒07【3位】

村上雅弥 51秒17【4位】

伊藤新盛 51秒54【OP】

池江毅隼 51秒91【OP】

男子200メートル自由形

簑田圭太 1分52秒22【2位】

田中航希 1分53秒21【5位】

伊東隼汰 1分54秒09【6位】

古畑海生 1分53秒50【OP】

男子400メートル自由形

古畑海生 3分56秒89【1位】

簑田圭太 4分00秒23【2位】

武井凜太郎 4分05秒01【4位】

髙野大祐 4分09秒36【OP】

男子100メートル背泳ぎ

丸山優稀 55秒66【1位】

男子200メートル背泳ぎ

丸山優稀 2分06秒21【1位】

男子100メートル平泳ぎ

平河楓 1分01秒45【1位】

今井流星 1分03秒40【4位】

白石崇大 1分03秒03【OP】

男子200メートル平泳ぎ

平河楓 2分11秒61【1位】大会新

白石崇大 2分15秒62【4位】

今井流星 2分16秒33【OP】

男子100メートルバタフライ

池江毅隼 53秒82【1位】

今野太介 55秒59【4位】

峯野友輔 55秒72【5位】

浅野健 57秒00【OP】

男子200メートルバタフライ

福岡清流 2分01秒37【1位】

浅野健 2分04秒38【4位】

峯野友輔 2分12秒12【6位】

男子200メートル個人メドレー

福岡清流 2分04秒08【1位】

髙野大祐 2分07秒26【3位】

武井凜太郎 2分09秒75【5位】

男子4×200メートルフリーリレー

早大(簑田、伊東、福岡、田中) 7分28秒16【2位】

男子4×100メートルメドレーリレー

早大(丸山、平河、池江、伊東) 3分39秒09【1位】

女子50メートル自由形

常盤怜以 27秒44【2位】

井ノ口茉里 28秒25【4位】

女子100メートル自由形

牧野紘子 56秒28【1位】大会新

須嵜仁美 59秒18【3位】

常盤怜以 1分00秒81【6位】

女子200メートル自由形

須嵜仁美 2分08秒04【OP】

神山瑞季 2分10秒55【OP】

女子400メートル自由形

神山瑞季 4分33秒51【3位】

中道穂香 5分51秒37【4位】

女子100メートル背泳ぎ

濱口真子 1分04秒37【1位】

中道穂香 1分25秒72【4位】

女子200メートル背泳ぎ

濱口真子 2分18秒51【OP】

女子100メートル平泳ぎ

浅羽栞 1分08秒61【1位】

井ノ口茉里 1分12秒73【3位】

斎藤千紘 1分13秒64【4位】

松浦優美奈 1分15秒54【OP】

女子100メートルバタフライ

佐々木杏奈 1分00秒89【1位】

女子200メートル個人メドレー

牧野紘子 2分15秒33【1位】

佐々木杏奈 2分18秒05【2位】

松浦優美奈 2分27秒66【4位】

浅羽栞 2分18秒48【OP】

斎藤千紘 2分20秒84【OP】

女子4×200メートルフリーリレー

早大(牧野、濱口、須嵜、佐々木) 8分18秒71【1位】

女子4×100メートルメドレーリレー

早大(濱口、浅羽、牧野、佐々木) 4分09秒53【1位】

コメント

奥田千尋女子主将(スポ4=東京・穎明館)※午前競技終了後に実施

――ここまでの全体の戦いぶりを振り返っていかがですか

現段階での点数が1点差というところですが、私たちの今回の目標は圧勝してかつ、インカレ(日本学生選手権)のための早稲田基準を突破したいという選手が多いので。勝てはすると思いますが、個人の記録を出すというのを目標にしていたので、そういったところでは出だしは想定とは違います。でも、午後から出る選手もたくさんいますし、内容の濃さをここから求めていきたいですね。

――その中で頑張っていると思う選手は誰ですか

今回牧野(紘子、教2=東京・東大付中教校)が昨日まで合宿に行っていて、コンディションをこれに合わせて出ているわけではありませんが、それでも引っ張っていってくれています。あとルーキーの浅羽(栞、スポ1=東京・八王子学園八王子)と佐々木(杏奈、スポ1=神奈川・日大藤沢)が初めての早慶戦でも早稲田のために頑張るという目標を持って臨んでくれているので、注目するのであればその1年生の2人ですかね。

――女子部は外部を拠点にしている選手が多いですが、その中で早慶戦に向けて団結するために取り組まれていたことはありますか

月に一度合同練習で集まる機会を設けていて、今までは練習をして終わりだったのが、その後も食事会を開いたりですとか、昨日は今後の夏に向けた取り組みについて、ミーティングをしました。離れていて普段知れないことを共有するのが大事だと思っていたので、昨日はみんなの思いや目標を共有できて、いいかたちでは(早慶戦に)臨めていると思います。

――午後の種目に向けて、チームの意気込みをお願いします

今は接戦ですが、女子は圧勝するために、ミーティングをして士気も高まっているので、チーム一丸となって頑張っていけるのではないかなと思います。

池江毅隼(スポ4=東京・日大豊山)※午前競技終了後に実施

――ここまでの戦いぶりを振り返っていかがですか

事前にどれくらいの得点が早慶で稼げるかを予想していたよりもかなりいい結果が出せているので、この調子で午後もいきたいと思います。

――接戦が予想されていた男子4×100メートルメドレーリレーでの勝利についてはいかがですか

リレーも本当に接戦になるといわれていて、みんなガチガチに緊張していましたが、丸山(優稀、法3=埼玉・大宮)が慶応の子に競り勝って、平泳ぎでも慶応の子が強い子だったのにそこで大ベストを出して引き離してくれたのが、僕と後ろの伊東(隼汰、社2=東京・早大学院)にいい刺激になって頑張れたというのはありますね。

――その平河楓選手(スポ1=福岡・筑陽学園)が男子200メートル平泳ぎで、大会新記録での優勝がありました

みんなのモチベーションが上がった瞬間でしたね(笑)。

――ご自身は男子100メートル自由形にオープン参加されていましたが、結果についてはいかがですか

僕は1フリ(男子100メートル自由形)はオープン参加での出場で、この後の1バタ(男子100メートルバタフライ)でしっかりと優勝するというのが自分の中での役目だと思っています。1フリはスタッフと相談して、「このぐらいのタイムで気持ち良く泳げればいいね」という最低限のタイムはクリアして泳ぐことができたので、そこは合格かなと思っています。

――男子100メートルバタフライは、タイムにはそこまでこだわらず臨みたいのでしょうか

まずは勝ちにこだわるのと、リレーで自分の持っているベストタイムよりも速いタイムで泳ぐことができたので、個人でもベストタイムかそれ以上のタイムを出せるようにしたいと思っています。

――午後に向けてのチームとしての意気込みをお願いします

予想よりもいい感じでこれていて、この後の水球で負けたとしても勝ったとしてもいい刺激はもらえると思うので、そういうのも生かして、タイムを狙って、勝ちにこだわって、笑顔で終われたらなと思います。