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ジョーダンの年俸を捻出するため減額を受け入れる

フリーエージェント選手との交渉が解禁された6月30日、ケビン・デュラントとカイリー・アービングとの合意を取り付け話題を独占したネッツ。2人に続いて、ベテランセンターのディアンドレ・ジョーダンとも4年4000万ドル(約43億円)の契約に合意したと伝えられているが、『ESPN』によれば、ジョーダンの年俸を捻出するため、デュラントとアービングは減額を受け入れたという。

NBA屈指の得点能力の持ち主であるデュラント、同じくリーグトップクラスのスコアリングガードであるアービングに必要なチームメートは、ジョーダンのようなトップクラスのビッグマンだ。右足のアキレス腱を断裂したデュラントは来シーズンを全休する見込みだが、ネッツは2020-21シーズンの優勝候補に躍り出た。

ブルックリンに本拠地を移転してからのネッツを語る上で、2013年6月にセルティックスと成立させた大型トレードに触れないわけにはいかない。2014、2016、2018年のドラフト1位指名権、2017年1巡目指名権を譲渡する権利と引き換えに、ネッツはセルティックスからポール・ピアース、ケビン・ガーネット、ジェイソン・テリーを獲得。彼らに加えてデロン・ウィリアムズ、ジョー・ジョンソン、ブルック・ロペス、アンドレイ・キリレンコという豪華ラインナップを揃えるも、予想以上の結果を残せず、『球団史上最悪のトレード』と批判された。

ここ数年は若手の育成に力を入れ、地道に再建に向けて前進し続けた結果、昨シーズンはディアンジェロ・ラッセルを中心に4年ぶりのプレーオフ進出を果たした。だがネッツは、数年かけてサラリーキャップに空きを生み出したこの好機を逃さず、大きく舵を切った。

今後のチームの中心を担うデュラントとアービングが欲したジョーダンを獲得できた以上、あとは上昇気流に乗るだけ。あのトレードから6年という時間を要したが、ネッツはNBA初優勝に向けた態勢を整えつつある。