6月も終わりを迎えようとしているなか、早大のホームであり、新たに建てられた早稲田アリーナで、伝統ある早関定期戦(早関戦)が行われた。ことしで74回目の開催となった早関戦。昨年に続いて白星を挙げたい早大であったが、関学大は素早いボール運びや…

 6月も終わりを迎えようとしているなか、早大のホームであり、新たに建てられた早稲田アリーナで、伝統ある早関定期戦(早関戦)が行われた。ことしで74回目の開催となった早関戦。昨年に続いて白星を挙げたい早大であったが、関学大は素早いボール運びや力強いミドルシュート、パスミスを利用した速攻で早大を引き離す。後半戦で生まれた点差は最後まで響き、22-24で敗北。早大の連勝とはならなかった。

 前半戦開始後、早大は立ち上がりでうまく調子を上げきれず、関学大の先制を許してしまう。CB宮國義志(社4=沖縄・浦添)やLB青沼健太(社2=千葉・昭和学院)がミドルシュートを放ち反撃を見せるものの、相手にシュートミスやパスミスを拾われ速攻を決められてしまった。しかし、開始13分には宮國のスピードを生かしたミドルシュートを皮切りに徐々にペースを取り戻していく。GK羽諸大雅(スポ4=千葉・市川)の好セーブや、RW清原秀介(商4=東京・早実)の速攻、宮國のカットインも相まって17分には7-6と1点リードに。その後は1点を取れば1点を奪われる、一進一退の攻防が続いていったが、青沼のブロックを打ち破るシュートや、PV中村祐貴(スポ3=北海道・札幌西)の相手の状況を見た素早いシュートは光っていた。残り時間1分を切った頃、同点打を決められた上にパスミスを取られてしまうが、羽諸が相手の速攻をうまくセーブし、11-11で前半を終えた。


7メートルスローを決めに行く宮國

 ハーフタイムでは早大男子チアリーディングチーム・ショッカーズのショーが行われた。音楽に乗せたアクロバティックなパフォーマンスは会場を大いに盛り上げた。そして同点のまま迎えた後半戦。序盤から7メートルスローも含めて連続して3点を失ってしまうが、粘りのあるディフェンスで相手の攻撃のチャンスを徐々につぶしていく。また、清原の速攻やサイドシュートが攻撃の起点となり、後半戦開始8分には早大は再び16-15と1点をリードした。このまま点差を引き離せるかと思われたが、そうはいかない。早大の逆転打が決まった後の関学大のタイムアウトをきっかけに、立て続けに速攻を決められてしまう。また、相手の選手の2分退場や7メートルスローといったチャンスが到来しても早大の得点に結びつかず、点差はじわじわと広げられていった。ここで生まれた溝は試合終了まで響くこととなる。山田和直(スポ1=群馬・富岡)の相手キーパーの隙をついたシュートや、途中出場したGK中村匠(スポ2=千葉・市川)の好セーブが決まる場面もあったが、点差は埋まらない。残り時間20秒としたところで、LW前田理玖(スポ3=福井・高志)と宮國が点を入れ返したが、22-24というスコアで早大の敗北が決まった。


シュートが決まり、メンバーとタッチを交わす清原

 早大の連勝を再び築くことができなかった今回の早関戦。パスミスなどを起点とした速攻が多く決められる場面が多く見られたが、宮國を中心としたオフェンス陣の活躍、ディフェンス陣の粘りはしっかりと光っていた。敗戦となってしまったが、対戦する機会が少ない相手との試合は早大にとって良い刺激になったことだろう。今回得た反省や収穫を、次に控える早慶明定期戦や東日本学生選手権大会に生かし、チーム一丸となって勝利をつかんでほしい。

(記事 栗林真子、写真 宅森咲子、稲葉侑也)

結果
早関定期戦
早大2211−11
11−13
24関学大
GK 羽諸大雅(スポ4=千葉・市川)
LW 前田理玖(スポ3=福井・高志)
LB 青沼健太(社2=千葉・昭和学院)
CB 宮國義志(社4=沖縄・浦添)
PV 中村祐貴(スポ3=北海道・札幌西)
RB 山本慶(スポ3=長野・屋代)
RW 清原秀介(商4=東京・早実)