サニブラウンの強さに、ライバルもお手上げだった。

 陸上の日本選手権が28日、福岡・博多の森陸上競技場で行われ、男子100メートル決勝はサニブラウン・ハキーム(20=フロリダ大)が10秒02(向かい風0.3メートル)で2年ぶり2度目の優勝を飾り、世界選手権(9月・ドーハ)代表に内定した。

【男子100メートル決勝結果】

 

1位 サニブラウン・ハキーム(フロリダ大)10秒02
2位 桐生祥秀(日本生命)10秒16
3位 小池祐貴(住友電工)10秒19
4位 飯塚翔太(ミズノ)10秒24
5位 多田修平(住友電工)10秒29
6位 坂井隆一郎(関大)10秒31
7位 川上拓也(大阪ガス)10秒31
8位 ケンブリッジ飛鳥(ナイキ)10秒33

 
 持ちタイム9秒98の前日本記録保持者・桐生祥秀(23)と、7日の全米学生選手権で9秒97と日本記録を塗り替えたサニブラウン。夢の「9秒台対決」は、あいにくの雨で足場が湿り、タイムの出にくいコンディション。しかも向かい風、スタートで出遅れたサニブラウンにとっては「三重苦」だったにもかかわらず、序盤から加速してトップに立つと後続をグングン引き離す。向かい風では『日本最高』となる10秒03の好タイムをたたき出した。

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まだまだ伸びしろ

 0秒14差の2位に敗れた桐生は「まだ力が足りなかった。(サニブラウン)ハキームの爆発力は今の日本人では1番すごい。本当は勝ちたかったけど、これだけ差があるということ」と脱帽。4位だった飯塚翔太(28)も「速いですね、やっぱり強い。雨上がりのコンディションだったのに…」。16年リオ五輪100メートル×4リレー銀メダルメンバー2人も認めるサニブラウンの圧倒的な強さだった。

 伸びしろさえ感じさせた。滞在先の米国から20日に日本入り。国内で調整する日本選手にはない時差ボケと戦い、レースでは日本のピストルとタイミングが合わずに苦労した。決勝のリアクションタイム(反応速度)は、飯塚の次に遅い0秒154。もっとも速く反応した桐生の0秒129らに比べてかなり出遅れ「スタートで全然出られなかった。なんだかなぁ(笑)。アメリカでもっと速い選手と走ってきて、ここで自分の強さを見せられないようでは意味がない。うまくいかないのはいつも通りなので、焦らずしっかり加速できたのはよかった」と振り返った。

 近年にないほど注目された一戦。観衆で埋め尽くされたスタンドは独特の緊張感と熱気に包まれ、5位の多田修平(23)が「周りを気にして、レースが怖い気持ちもあった。レースに集中できなかった」と敗因に挙げたほど。だがサニブラウンは「緊張はほとんどしなくなっちゃいました。(日本記録を出した)全米大学選手権はわりと緊張していたけど、むしろワクワクしている状態だった。自分がどんな走りをするかが大事」。隣を走った桐生についても「全然、気にしてなかったです。自分のレースができるように自分にだけ集中して、本当に自分との戦いだと思っている」と話した。

 話しぶりも、ストライドの大きな走りも、スケールを感じさせる20歳。東京五輪への前哨戦で格の違いを見せ、1人だけ「世界レベル」を印象づけた。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]