「リオデジャネイロ五輪テニス競技」(8月6~14日/オリンピックテニスセンター:バーハ・オリンピック・パーク/ハードコート)の男子シングルス2回戦で、前夜に世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)を下したフアン マルティン・デル ポトロ…

 「リオデジャネイロ五輪テニス競技」(8月6~14日/オリンピックテニスセンター:バーハ・オリンピック・パーク/ハードコート)の男子シングルス2回戦で、前夜に世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)を下したフアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)が、ジョアン・ソウザ(ポルトガル)を6-3 1-6 6-3で下し、3回戦に駒を進めた。

 ジョコビッチを倒した1回戦の前に、選手村のエレベーターの中に40分間も閉じ込められていたというデル ポトロ。1回戦に勝った翌日の月曜日は休息もそこそこにコートに戻った。疲労を回復させる時間はほとんどなかったが、それでも彼は、強烈なフォアハンドのウィナーの助けを得て、フルセットの戦いの末にソウザを退けた。

 「すごくきつかったよ」と、デルポトロはこの目まぐるしいスケジュールについて言った。「もう別の試合に勝ったなんて、ちょっと信じられない」。

 その上、この月曜日のより遅い時間帯には、ダブルスの2回戦もあった。マッシモ・ゴンサレスとのペアで、ラファエル・ナダル/マルク・ロペスのスペイン・ペアに3-6 7-5 2-6で敗れた。

 手首の故障で数回の手術を強いられ、ランキングを100位以下に落としたデル ポトロが、ジョコビッチをストレートで倒し、コートで涙を流したわずか15時間半後に、ソウザに対する試合は始まった。彼は1回戦があった日曜日の試合前に、同胞のハンドボール選手に救い出されるまで、選手村のエレベーターに閉じ込められていたのだという。ソウザの試合前にエレベーターを使ったかと聞かれたデル ポトロは、笑いながら、「いいや、今日は使わなかった」と答えた。

 ロジャー・フェデラー、スタン・ワウリンカ(ともにスイス)を筆頭に、トップ10選手の半数が出場していないこともあり、今、突然、デル ポトロは2012年ロンドン五輪で獲得した銅メダルのほかに、もうひとつのメダルを加えられそうな選手に見え始めている。故障のため、彼は今年のウィンブルドンまでの2年半、グランドスラム大会に出場していなかった。つまり持ち上がってくる問いは、彼のフィットネス・レベルがどれくらいであるかということだ。

 「よくなってきているよ。体調はいい。でも連続で5、6試合をプレーする準備はできているかは、やってみないとわからない」とデル ポトロ。「今週、僕はただ、毎日よりよくなるよう努めながら、ゆっくり進んでいくつもりだよ」。

 ドローの彼のブロックで準決勝に進出し得るのは、デル ポトロ自身と、第10シードのロベルト・バウティスタ アグート(スペイン)、ダニエル太郎(日本/エイブル)、そして第5シードのジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス)を6-4 6-3で倒したジル・ミュラー(ルクセンブルク)だ。ツォンガは右足の故障のため、試合中に治療を受けていた。

 そして、同日カイル・エドマンド(イギリス)を6-4 7-5で下したダニエル太郎が3回戦でデル ポトロと対戦する。

 そのほか、今季のフランス人選手の中でおそらく一番調子のいいところを見せている第6シードのガエル・モンフィスが、ロジェリオ・ドゥトラ シルバ(ブラジル)を6-2 6-4で下した。モンフィスは3回戦で第9シードのマリン・チリッチ(クロアチア)と対戦する。チリッチはラドゥ・アルボット(モルドバ)を6-3 6-4で破って勝ち上がった。

 この日、最後のシングルスを戦ったのは第4シードの錦織圭(日本/日清食品)とジョン・ミルマン(オーストラリア)で、錦織が7-6(4) 6-4で勝って3回戦に駒を進めた。錦織の3回戦の相手は第13シードのフィリップ・コールシュライバー(ドイツ)の棄権で勝ち上がったアンドレイ・マルティン(スロバキア)だ。(C)AP(テニスマガジン)