取材=丸山素行 構成=鈴木健一郎 写真=バスケット・カウント編集部6月23日、早朝から岩手県の陸前高田市には多くのプロバスケットボール選手の姿があった。地域貢献活動を行う『B.LEAGUE HOPE』とJBPA(一般社団法人バスケットボール…

取材=丸山素行 構成=鈴木健一郎 写真=バスケット・カウント編集部

6月23日、早朝から岩手県の陸前高田市には多くのプロバスケットボール選手の姿があった。地域貢献活動を行う『B.LEAGUE HOPE』とJBPA(一般社団法人バスケットボール選手会)合同の活動として、東日本大震災の被災地を訪れていたのだ。JBPA副会長の伊藤大司もその一人。震災の記憶を後世に伝えるため、被災時そのままの姿を保存しておく震災遺構を見学した。それと同時にクリニックを実施し、被災地の子供たちとバスケットボールで交流。「ここ4年ぐらいは連続で来させてもらっています。逆に子供たちからエネルギーをもらって、僕らにとっても素晴らしい経験になっています。僕らが来ることで元気になってもらえたらと思います」と充実した笑顔を見せる。その伊藤に、少し気は早いが滋賀レイクスターズでの来シーズンについて聞いた。

「自分の持ち味を出してチームを引っ張っていきたい」

──今夏の滋賀は積極的な戦力強化を行っていて、ポイントガードのポジションには狩俣昌也選手と齋藤拓実選手が加わりました。この補強についてはどう受け止めていますか?

ポイントガードがウィークポイントだとは自分でも感じていたので、そこの補強は必要だと思っていました。その中でも、オフェンス力とスピードのある若い齋藤選手、ディフェンスができてリーダーシップの取れる狩俣選手というのは、ガードとしてはバランスの良い補強です。

もちろん、自分にとっては確立されたプレータイムはもうないわけで、ゼロから3人でプレータイムを争うことになります。負けられない気持ちもあるし、チーム内でそうやって戦うことでレベルアップできると思っています。タフな競争になりますが、僕は自分の持ち味を出してチームを引っ張っていきたいです。それぞれストロングポイントが違うので、それぞれの良いところを出して、ゲームシチュエーションとか時間マネジメントの部分で誰が出てもいいように、チームとして機能させられるように作っていくのは楽しみでもあります。

僕の場合はリーダーシップであったりゲームコントロールの部分が強みになります。あとは英語でヘッドコーチや外国籍選手とコミュニケーションが取れるので、経験と英語力を生かしてチーム全体がコミュニケーションを取れるようにしていきたい。その部分を前面に出してアピールしていくつもりです。

──チームとしての目標はどこに置きますか?

チャンピオンシップ進出と去年も言っていましたが、シーズンが始まってみると結果が出ませんでした。それでも終盤の20試合である程度は自分たちの良い形を見つけられたので、その良い流れのまま新しいシーズンに入りたいです。さらに選手補強もあったので、その選手がすぐにアジャストできて、去年よりも良いバスケットができるように作っていきたいです。

──『残留力』は本当にすごいものがありますけど、もうそこではない、ということですね?

そうですね。シーズンが終わってスポンサーさん周りをする中で「残留力Tシャツはもう二度と作らない」と約束してきました。自分としてもそういう言葉はもう使いたくないし、エネルギーはチャンピオンシップ進出争いに使っていきたいです。残留ではなく、真ん中でもなく、トップ8に入れるように。もう再来週から練習が始まるので、頑張ります。