TEAM1P2P3P4P計国士舘大12328早大21249▽得点者百田4、松本2、土屋、塗師、渋谷 ついに迎えた関東学生リーグ戦(リーグ戦)最終日。秀明大の棄権で不戦勝となった早大は、3位決定戦に臨んだ。その相手は以前くしくも敗北を喫した国…

TEAM1P2P3P4P
国士舘大1238
早大21249
▽得点者
百田4、松本2、土屋、塗師、渋谷

 ついに迎えた関東学生リーグ戦(リーグ戦)最終日。秀明大の棄権で不戦勝となった早大は、3位決定戦に臨んだ。その相手は以前くしくも敗北を喫した国士舘大だ。「早稲田のプライドとして絶対勝ちたかった」(武蔵優希、スポ3=埼玉・秀明英光)。前半から攻守で流れを引き寄せると、途中相手にリードを許したが最終ピリオドで巻き返しを図り、武蔵の言葉通り9-8で勝利。リーグ戦3位に輝き、見事リベンジを果たした。

 早大ボールで始まったこの試合。先制点を決めたのは、今回が最後のリーグ戦となる主将の百田恵梨花(社4=埼玉・秀明英光)だ。「チームの士気が上がった」と保田万里監督(平16教卒=東京・藤村女)が振り返るよう、百田の得点以降、お互いコミュニケーションを取りながら強化してきたディフェンスの連係が噛み合い、第1ピリオドを1失点で抑える。第2ピリオド前半、ゴールキーパー・武蔵が幾度もシュートを止める。けがの影響で十分練習ができなかったという中、「止められるものは止めようと思った」(武蔵)という言葉以上にチームを助けるプレーを連発。フィールドプレーヤーもそれに応えるよう、ゴール付近で細かくパスを回してから最後は松本桃子(先理2=神奈川大付)が点を決め3-1。これで相手を離しにかかったと思ったが、3位がかかったこの試合。一筋縄ではいかず、後半に退水(※)などの影響で2点を返されあっという間に同点に追いつかれてしまう。


最後のリーグ戦に挑んだ百田

 ハーフタイムを挟み、気持ちを切り替えて臨みたい第3ピリオドだったが、流れは依然として国士舘大にあった。残り時間半分までに2得点するがその後はシュートが思うように決まらない。ディフェンスで抜かれてしまう場面もあり一挙3得点を奪われ5―6とここで逆転を許してしまう。いい流れからの失速。前回対戦時と同じ展開となりピンチを迎える。なんとしても盛り返したい最終ピリオド、開始早々に土屋セナ(創理3=千葉・芝浦工大柏)の豪快なシュートが決まり嫌な流れを一蹴すると、ディフェンスでの活躍も光っていた松本が追加点を決め、残り時間約3分で逆転に成功する。相手チームは焦り始めたのか、ゴール付近でのパスミスが目立つようになり、その間に塗師葵(社2=東京・藤村女)がさらに1点。8-6とする。そして残り1分を切ったところで、代表経験もある期待のルーキー渋谷紗代(スポ1=埼玉・秀明英光)に待望のリーグ戦初得点が生まれる。上級生からのパスを受け取り決めた1点。「チームに貢献できて良かった」(渋谷)と振り返った。国士舘大も終盤に粘りをみせ2点を返したが、試合終了。最終スコアを9ー8で終え、宿敵・国士舘大を接戦の末破った。


リーグ戦を3位で終え、賞状を受け取った

  前回の試合では立て直せなかった後半。今回は最終ピリオドで気持ちを切り替え持ち直し、見事リーグ戦3位の座を勝ち取った。昨年の優勝校・秀明大が棄権しての3位という結果だが、「きょうは最初の試合とは全然違った」(百田)とこのリーグ戦を通して成長したことに加え、主将でありチーム内唯一の四年生である「恵梨花さん(百田)にとって最後のリーグ戦」(武蔵)という思いでつかみ取った結果でもあるだろう。『日本学生選手権、日本選手権につながる試合を』。リーグ戦での目標は達成された。その中で、ディフェンスのさらなる強化、シュート決定率の上昇など課題も見えた。次の試合では課題を克服し、より安定感の増した早大の姿が見られるだろう。

※重大なファウルを犯した選手は、20秒間ディフェンスに参加できない

(記事 飯塚茜、写真 佐鳥萌美、飯塚茜)

コメント

  

保田万里監督(平16教卒=東京・藤村女)

――試合を終えてみていかがでしょうか

本当に苦しい試合でしたが、勝てて良かったです。前回5点差で負けていたので、勝つという目標で1点差ですけど、勝利できたのでそこは良かったです。

――3位という結果についてはいかがですか

今回、秀明大が棄権したのでうちはラッキーといえばラッキーだったんですけど、この3位決定戦はしっかり勝ちたいというところだったので、この3位をもぎ取れたのはチームとして自信にもなりましたし、大きなことだったのかなと思います。

――きょうはどのようなプランで臨まれましたか

前回ディフェンスがあまり良くなかったので、そこを重点的に分析してディフェンスが機能した上で、自分たちがやりたい攻撃をして点数を取ろうという感じでした。

――実際やってみていかがでしたか

幸先よく百田が1点目を入れてくれたので、すごくチームの士気も上がりましたし、「きょうはいけるな」と皆んな感じたんじゃないかなと思うので、始まった瞬間から雰囲気は良かったですね。

――ロースコアで勝つということを提言されていますが、きょうの試合でその点はいかがだったでしょうか

失点を少なくするのはそうなので、点数がもう少し欲しいです。29本シュートを打っているので、もう少し点差をつけて勝ちたかったなというのはあります。

――一度逆転されてしまいましたが、そのシーンを振り返っていただけますか

1つのミスでカウンターを食らい失点して、その後もこっちのミスで流れが向こうに行ってしまったので、そこで自分たちで切り替えてミスをしないで点数を取ってほしいなというのはずっと思っていました。そこは今回、うまく盛り返すことができたので、はらはらしましたけど良かったです。

――次の大会に向けてどのような対策をされていきますか

ディフェンスの面で、きょうは退水が11個あってリーチの選手が4人くらいいたので、人数も少ないですし、まず退水を少なくしなければならないので、ポジションなり退水をしないディフェンスの仕方をしなくてはならないと思いました。それとカウンターを食らった時のディフェンスも食い違っているので、ディフェンスを重視しながらやりたいです。あとはシュートも確立を上げたいので、シュートも重点的にやっていきたいと思っています。

百田恵梨花主将(社4=埼玉・秀明英光)

――3位という結果になりましたが率直な感想を

今回、国士舘大とは2回目の対戦なんですけど、前回5点差で負けたところをきょうは1点差で勝てたことは大きいです。学生リーグを通して成長してこれたので、3位になれたと思います

――試合前、和やかな雰囲気のように見えましたが緊張などはありませでしたか

プレッシャーはあって、皆んなも緊張していたように感じたので声を出して盛り上げていこうと思いました。でもいつもだいたいあんな感じです(笑)。

――リーグ戦3位を目標とおっしゃっていましたが、達成したお気持ちを

一応3位になんですけど、秀明大が棄権して不戦勝という形での3位なのでそこが事実上どうなのかっていうのはあります。でもしっかり最後勝ちきって取った3位なので良かったです。

――ディフェンスが良かったように見えました

課題としていたセンターからのシュートをしっかり守りきることができたので、ディフェンスはとても良くなったと思います。

――前回シュートの精度を上げたいと言われていましたが、そこの辺りはいかがですか

まあまあですかね。試合全体でのシュート本数は今までより多く打てたので、そこは良かったと思います。

――3ピリオド目で逆転されてしまいましたが

最初、1ピリオド目は自分たちの流れだったんですけど2、3ピリオド目で相手に得点数では負けていて流れが変わってきたかなと思いました。落ち着いて自分たちのやることをやれば大丈夫かなと思いました。

――ピリオド間で保田監督から何か指示はありましたか

自分たちは人数が少ないので、永退(※2)が出ないようにというのはありました。

――リーグ戦の総括をお願いします

リーグ戦を通しての目標が、日本学生選手権、日本選手権につながる試合をして一試合一試合勝ちにこだわってやっていこうというものだったんですけど、やっていく中でみんなが成長していくのがわかってディフェンスもすごい良くなっていきました。きょうの試合を振り返っても最初の試合とは全然違って、目標を達成できたいいリーグ戦だったと思います。

武蔵優希(スポ3=埼玉・秀明英光)

――きょうのプランを教えてください

前回の国士舘大学との試合では、思ったようなディフェンスや攻撃ができなかったので、今回はいつも通りの早稲田の水球をするということを意識しました。

――実際やってみていかがでしたか

出だしは良かったと思うんですけど、第2ピリオドがあまりよくなくて、でも第3、4ピリオド目で勝てたのは、こっちが粘ったディフェンスをしていたからかなとは思います。

――シュートのセーブの調子が良かった印象を受けましたが

良かったですね。けがをしていてあまり練習ができていなくて、パスもそこまで投げられないというプレーに結構制約が多い中で、止められるものは止めようと思ってなんとか頑張りました。

――けがをして大会2週間前から練習に参加されて、それから現在の調子はいかがですか

あまり良くはないんですけど、一試合一試合これにかけるっていうつもりその後はあまり考えずにやっていました。

――一度逆転されてしまったシーンがありましたが

こっちは人数も少なくてリーチも多かったので、一瞬負けるかもしれないって思ったんですけど、恵梨花さん(百田)が最後の学生リーグの試合ということで、早稲田のプライドとしても絶対国士館大には勝ちたかったので、気持ちを切り替えて頑張りました。

――次の大会に向けてどのような対策をしていきますか

次は、日本選手権の関東予選で、今コーチをしていらっしゃるOGの徳用万里奈(平30社卒=現稲泳会)さんだったり、齋藤有寿(平30スポ卒=現稲泳会)さんとかもチームに入って稲泳会として出場するので、また早稲田のプレーの幅も広がっていくと思いますし、それまで1か月弱時間があると思うので今回の学生リーグのオフェンス、ディフェンスの課題をしっかり修正して波がないように早稲田らしい水球が毎試合できるようにしていきたいと思います。

渋谷紗代(スポ1=埼玉・秀明英光)

――シュートが決まり笑顔が見られました

勝敗が決まる大事な場面で出場していたんですけど、周りのパス回しが良かったので自分がいいポジションで打てて決めきれ、チームに貢献できて良かったです。

――きょうの試合を振り返っていかがですか

早稲田は他のチームに比べて人数が少ないんですけど、粘り強いディフェンスとオフェンスができたっていうことは全然通用するということなので、いいところは伸ばして改善するところは修正して次の試合につなげていきたいです。

――日本学生選手権に向けて、具体的にどのようなところを改善していきたいですか

まずは体力を付けて基礎を中心に練習していきます。

※2退水が累積3回となった選手は、残り時間試合に出場できない